1月20日に1stミニアルバム『HERD THERE』を発売するTHE DHOLEにインタビュー。メンバーによるセルフ歌詞解説、おすすめCD特集も
巻末特集②
THE DHOLEによる”これは絶対聴かなきゃ損するアルバム3枚”
THE DHOLEがどんな音楽に影響を受けてきたのか、どんな音楽を聴いて育ってきたのかを探ろうというこのコーナー。「このCD聴いてないの?聴かなきゃ絶対マズいっしょ!」みたいな学生の頃の部室のノリで、オススメCD3枚をメンバーのみなさんそれぞれに選んでもらいました。
北原洋平(Vo.Gt)の3枚
SMAP『smap 011 ス』
コメント:『聴かなきゃ損する』っていう括りになると1番に挙げたいのがエンターテイメントが産んだ化け物SMAPの11枚目のアルバム。楽曲提供も忌野清志郎、佐藤伸治(フィッシュマンズ)、スガシカオとそうそうたる顔ぶれ。
サブカルチャーで育った若者が極上のメインカルチャーにぶっ飛ばされます。
Peter Ivers『Nirvana Peter』
コメント:このご時世、いつでも何処でも可能な限り現実逃避をしたいものです。そんな時うってつけなのが、ハーバード卒で多言語を操る極めて変態で天才な彼。僕から言わせればTom RappよりTim Buckleyよりアイヴァースこそがアシッドフォーク!
Yuck『Yuck』
コメント:ロンドン発のオルタネイティヴ!
青春に決まった年齢も定義もない。今 青春を感じているすべての人に勧めたい。
この爽やかで90sのヌメッとしたロックを思わせるインディーノイズを青春のお供にすれば、楽しいことも悲しいことも3倍味わえることでしょう。そんなシャア専用的1枚。
日本盤でははっぴぃえんど『夏なんです』のカバーも聴けます。
長良祐一(Drums)の3枚
Gino Vannelli『Brother to Brother』
コメント:もの凄くインテリジェンスなポップを聴きたい時はこれ。凝りに凝られたリズムやハーモニーのアレンジの上で、熱のある歌が繰り広げられている。プログレ級にゴリッとした曲もあれば、美しくメロウに聴かせるバラードもあり、アルバムを通して飽きる暇が無い。ミュージシャンにも、昔の名盤を掘りたいリスナーにもお勧めできる一枚。
Zero 7『Simple Things』
コメント:類い的にはMassive Attack等に出会うずっと前から愛聴している、僕の人生に欠かせない一枚。洗練されたエレクトロでチルなサウンドだが、ベースはどこかFunkのリズムを感じさせ、ドラムはとても温かい。2014年に俄然話題になったSia等、多数のゲストボーカルが楽曲を鮮やかに彩る。
最近、2曲目の「Polaris」は非常に心地よいアーバンサウンドだが、実はヘンリー・マンシーニの「Soldier In The Rain」のオマージュであることに気づいたり(僕の所見ですが)、いくら聴いても新しい発見のある宝箱のようなアルバム。
細野晴臣『はらいそ』
コメント:細野さんのいわゆるトロピカル三部作の三作目。二作目である「泰安洋行」で、トロピカルなパワーがピークに爆発した後、一転しそれを洗練されたポップミュージックに昇華させた、彼の才能を存分に楽しめる作品。YMO結成直前であるこのアルバムには、YMOメンバーも既に参加しており、ある曲で聞ける細野さんの「この次はモアベターよ!」という叫びが、その後の活躍を宣言しているようで、かっこいい。
聴いたことが無い方は是非探してみて下さい。
小林樹音(Bass)の3枚
THE STONE ROSES『THE STONE ROSES』
コメント:1989年発売の大御所UKロックバンドの名盤1stアルバム言葉の説明がもはや不要なマスターピース。これを聴かないで死ねないほど全曲最高。永遠に輝き続ける青春の1ページ。
Underground Resistance『Interstellar Fugitives』
コメント:数多くのテクノという看板を背負った楽曲が存在するけど、デトロイトテクノのオリジナルはやはりこのアルバムではないだろうか。90年代初頭にデトロイトという街から生まれた奇跡は星々の合間を縫い駆け回る逃亡者の如く、美しくそして土臭く華麗に世の中を巡る。歌が無くても踊ることはできる。ビートに耳を傾けてさぁ逃げよう。そして共に踊り続けよう日が昇るまで。
Audio Active『Spaced Dolls』
コメント:敬愛する日本のダブバンドAudio Activeの名盤。ブレイクビーツやヒップホップとダブが絡み合う楽曲は最高としか言えない。そしてまだTHA BLUE HERBのBOSSさんがBOSS THE MC名義時代の名曲”スクリュードライマー”が収録されてる。キッズなら手を上げて叫びたくなるフックからの流れのラストのリリック「オーディオサブリミナルアクティブに握ってる左手を差し出しな!」は本当に突き刺さる。
yuthke(Guitar, from TAMTAM)の3枚
Kyte『Dead Wave』
コメント:2010年作。Kyteのアルバムでは本作が最も好きです。完全にツボですね。ほぼ全編打ち込みとボーカルで構成された作品ではありますが、繊細ながらもエネルギーに満ちた世界観は僕にとって一つの理想です。あまりにも壮大すぎて、聴いていると目の前がホワイトアウトするような圧倒的なサウンドスケープですね。そしてなによりメロディーが素晴らしい。
Steve Reich『Double Sextet/2×5』
コメント:2010年作。ライヒ先生の作品は、特に初期の物はかなり気合いを入れて(正座して集中して笑)聴かないといけないんですが、本作は比較的に聴きやすくておすすめですね。とにかくミニマルなフレーズと転調にやられます。「え、ココどこ?・・よく分かんないけど気持ち良い」という、宇宙空間で夢遊病になってしまったような高揚感が癖になります。危険ですね・・。この作品には収録されていないですが、パット・メセニーが演奏している『Electric Counterpoint』も勿論聴きましょう。「Ⅲ」が有名ですが「Ⅱ」もチルな感じで良いです。
wooderd chiarie『アルモニ・カフカ』
コメント:2007年作。歌モノ(そういう意図で作られていないかもしれませんが…)における演奏者のアティチュードとして非常に感銘を受けた作品です。それはどういうことかというと、歌モノであっても、既成の音像やアレンジから脱却して「真にかっこいい」演奏をしようということです。当時全盛だったポストロックを歌モノに落とし込んだとかそういう上辺の話ではなく、生演奏における「音のうねり」「空気感」を各バンドメンバーが自分の限界を超えて拡張していったということ。その姿勢をリスペクトしています。偉大な先人達の足跡。
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