2016-01-02 12:00

1月20日に1stミニアルバム『HERD THERE』を発売するTHE DHOLEにインタビュー。メンバーによるセルフ歌詞解説、おすすめCD特集も

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| 遅いかもしれないけれど、一か八か一からスタートしてみようと思った。

 
 

   自己紹介の中でバンド結成の話しも出てきましたが、時系列も整理しながらもう一度聞かせてください。

 

樹音 TAMTAMを辞めようと思った後、そもそもインスト、ロック、ダブ、ダンスミュージック、どういう形態でやるのかというところから考えていて、ちょうどその頃、アイドルのサポートで人生で初めての八符弾きをやってみたりとかして、こういうのも音楽として抵抗がないなあと。ロックってありだなと。それで、バンドメンバーを集める時には、絶対ギターボーカルが要るってなって思いました。

メン募サイトでも調べてみるかって思って、片っ端から調べてみたら、そこにたまたま洋平くんが投稿していたんです。サカナクションやandymori、くるりとかが好きだと書いてあって、サイトにいっぱい並んでいる中で「これは違うな」って思って、SoundCloudが貼ってあったので聴いてみたら結構独特の声で、面白いな、いい感じの声の人だなと思ったし、曲もサイケデリックでいいなあと。

試しに「とりあえず会って話さないか」と連絡を取ってみて、「自分はこういう音楽をやって行きたいと思う」みたいな話を実際に会ってしたら、音楽だけじゃなくて映画の話なんかも盛り上がって。そういう部分も人として結構大事だなと思って、一緒にやろうってなりました。

 

   yuthkeさんや長良さんを誘われたのは?

 

樹音 一人で原型になる曲を作りはじめんですけど、「ギタリストどうしよう」って。ちょっと弾いてみるだけならyuthkeに声をかけやすいし、あと自分がこいつのギターがめちゃめちゃ好きで、特殊なんですよ、変わっていて。僕がやろうと思っているロックって、普通のロックを僕が作るのは全く意味がないから、ダンスミュージックとかポストロックとかいろいろ通っているギターをロックに乗せるのは凄くありだなあって思って。yuthkeは僕がどういう感じで曲を作っているかも知っているし。それでyuthkeを誘って、曲作りに関してはサポートという感じで手伝ってもらうことにして。

長良はめちゃめちゃ忙しいと思っていたんだけど、なんかの機会に二人で呑みに行って「こういうバンドをやりたいんだけどやらない?」って聞いてみたら、一発で「いいよ」って言ってくれて。それからみんなでスタジオに入って曲作りをして。ここまでに曲作りをして、初ライブはこんな感じで、みたいなバンドの年間プランを組んでいたので、ここまでだいぶドタバタでした。

 

   今年(2015年)の4月くらいに北原さんと出会われて、10月2日には初企画初ライブをされて、2016年の1月に音源を出すとなると、結構短いスパンですよね。

 

樹音 そうですね。みんなに無理はさせてるんですけど。

 

   曲はあらかじめ作っていたと言っても、スタジオでみんなで合わせたり、アレンジしたり大変だったんじゃないですか?

 

樹音 急ピッチで。まだ荒々しい部分はあるんですけど。僕はスピード感は大事にしたいと思っています。スピード感がないとすぐに忘れられちゃうんですよね、これだけ情報が過多なので。僕という人間も忘れられるし。クォリティを保ちながらも一年以内に活動は絶対にやらなきゃいけないと思って、まず10月にライブをやろうってなってその為に結構急ピッチにやって。

 

   TAMTAMを辞めたのは、新しい自分の音楽を始めたいからっていうことでいいのかな。

 

樹音 TAMTAMではバンドの熱量の感じと僕の熱量の感じが違ってきたなと。みんなが進みたい音楽と、僕が行こうとしている方向がずれてきているなというのが、前から感じてはいたんですけど、それが僕の中で明らかになってきて。もっともっと上に行きたい、売れたいという気持ちはあったし。見たい光景というか広い所でしか見れない光景とか、僕のテンション感としてはもうバンドと共有できなくなってしまったなあと。

最初は違和感ぐらいだったのでやれると思っていたのがだんだん強くなってきて、メジャーに行って別なフィールドをみて、もっと大きなところでたくさんの人に会いたい、何かを伝えたいという気持ちが強くなってきて。バンドメンバーとはそこの意思疎通がとれなくなってきて、怖かったけど辞めるしかないかと。何年後かの未来を想像したときに、そのバンドにいる自分を想像できなくなってしまって。もう年齢も年齢だから、遅いかもしれないけれど、一か八か一からスタートしてみようと思った。

 

   「怖かったけど」と言われましたが、やっぱりそれは勇気ある決断だったんでしょうか?

 

樹音 事務所にはお世話になっていたし、それを辞めるっていうのは正直かなり怖かった。だってこれから成功出来るかなんて1ミリもわからないし、食っていけるかもわからないけど。でも今スタートを切らないと、このままだらだらして二年後、三年後となると圧倒的に遅くなってしまう。じゃあ、二十代後半のうちに一発ギャンブルしてみようと。

 
 

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| 音響に関してはお任せいただきたい

 
 

   ミニアルバム『HERD THERE』が完成したのはいつ頃ですか?

 

樹音 9月中には完成していました。

 

   作詞作曲は樹音さんですか?

 

樹音 作詞作曲は全部THE DHOLEです。僕が元を作ってきて、アレンジは長良が中心になって、結構バンドでもんだりしました。歌詞も、洋平が書いた歌詞をみんなでレコーディングの時に言葉の並びだったりとか言い合ったりしています。それで表記上はTHE DHOLEっていうことでいいってことになって。

 

   音源を聴かせていただきましたが、サウンド面ではアカオオカミの名前の通りの荒々しさというかエモーショナルなものを凄い感じました。だけどそれだけじゃなく、ダブを感じたりとか。

 

長良 アレンジは、自分が大学時代にハーモニーだったり、そういうところも勉強したので、それを活かしながら自分が気持ちいいように変えたっていう感じです。リズムの方も、こういうところでこういうセクションがあったら面白いよねって、作りました。

 

樹音 偶然の産物みたいなのもちょいちょいあるし、荒々しいデモに対して、ボイシングだったり、化粧付けみたいなことをしてくれるのが長良で、一番理論を良く知っているし。一番理詰めなので。僕は感覚で作っちゃう人間なので、そういう荒々しいデモの音の整理、リズムの整理を長良が基本的にしてくれている。

曲作り自体はロックというベースでどれだけ遊べるかみたいな事を今やっていて、ロックというなかにポストロックだったり、チルウェイブみたいな感じだったり、Massive Attackみたいなブリストル的な感じだったりとかをやりつつ、プログレシッブな感じは、長良やyuthkeが足してくれて、ダンスミュージックっぽい部分は僕が足して、通常なロックだけを通ってきた人間が集まっている訳ではないから、逆にそれぞれが持ってる味を要所要所にチラチラッと入れている感じです。ファンクなリズムを入れてみたりとか。

曲によって印象が違うことが今回は多いと思うんですけど、ラストのDawnという曲は、ふわーっとした空間の感じを意識したりとか。Night & Dayという曲は長良の好きなMassive Attackとかブリストルを意識した感じになっている。グッドラック・スパイダーはテクノとかディスコっぽい、あれはライヒかな。

 

yuthke 真ん中にいわゆるクラブミュージック的な「あげ」セクションがあったり。

 

樹音 yuthkeの好きなライヒっぽいギターフレーズを重ねて行ったり、ディレィを効かせつつどんどん変わって行くみたいな曲です。リカバリーは普通のロックで、一曲目のHighwayはスピーディで疾走感のあるごりごりのロックを意識している。

 

   空間系というか音響派みたいな印象を受けましたが、そういうのはyuthkeさんが持ち寄ったという感じですか?

 

yuthke そうですね、音響に関してはお任せいただきたいという感じで。

 

長良 このバンドの強みです。

 

樹音 yuthkeはギター大好きッ子だからギターのフレーズのセンスが変わってるんです。デモを作る時でもyuthkeのギターを中心にもっていって作っていくことも多いです。だからデモで作ったyuthkeのギターフレーズは、そのまま曲に残ったりしています。サポートメンバーとはいえ音作りは中心的な存在です。

 

   リズムが変わったとしても上に乗っかる音響的な部分は変わらなかったり。

 

樹音 そうですね。ベーシックなもの、音楽としてロックやポップスとして成り立つ部分は固めながら、yuthkeのギターを如何に自由に遊ばせるかというのがサウンドの中の要であって、ディレイフレーズを入れたり、ディレイフレーズ自体が一小節、二小節と重なって行く感じや、今回は入っていないけれども、スラップだったり、あの手この手で空間を演出している。yuthkeをめちゃくちゃ立てているかもしれない。

 

長良 一般的なロックバンドのツインギターとは違います。

 

樹音 強みというか、僕らが楽しめている、信頼しているっていうのも含めてそこが他のバンドと違う。

 

   このバンドは一筋縄ではないなと感じました。すらっと聴き流せないというか、ちゃんと聴いちゃう。ボーカルも普通じゃないですよね。そのあたりを本人から言いづらいかもしれないですけど、北原さんいかがですか?

 

北原 どうなんでしょう、歌い方とかは特に考えたりは。バンドに入った時から声はいいからという風には褒めていただいたので、そこはあんまり変えずに。

 

樹音 自分の声は自分でわかりづらいかもしれないけど不思議な鳴りはしてる気がする。なんだろう、最近多い透き通った声とは全く違って、楽器っぽくない、声っぽい声。だからある程度バックで遊んでも声に存在感がある。

 

北原 最近活躍しているボーカルの人が声が高い人が多い中で完全にそこにはいない。それがいいのかなって思われているとは思うんですけど。

 

   レコーディングは何日ぐらいかかりましたか?

 

樹音 ベーシックな物は二日で録って、あとでちょっとギターを乗せてみたりという感じです。

 

   ということは、アレンジを固めるためのスタジオ練習はバシバシされていたですね。

 

樹音 直前までやっていて、ぶっちゃけて言うとレコーディングスタジオでも変わったり、「ここまだ詰め甘いわー」とか。でも波形編集とかタイミング調整はほとんどしていない。

 

yuthke ベードラに関してはテイクはいっぱいやっているけど、取り自体はほぼ一つのテイクから完結している。

 

樹音 最初にやる時にみんなで意見が合ったのはカチカチとグリッドに合わせていくと、叩く意味も、生で演奏する意味もなくなるから、出来る限り生の音を活かそうと。当たり前の話ではあるんですけど。テイクも結構録った上で、ちょっと荒くても「いや、こっちの方が勢いがあるからこっちを生かそうと」。生々しさとか荒々しい曲もあるのでそういうのを大事にしようと。

 

   ライブっぽさというか。

 

長良 そうですね。上手に出来ている物よりは熱く演奏出来ている物を選んで行く感じでした。

 
 

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