2017-02-26 20:00

Gerbera Music Agencyの金野和磨さん&石松豊さんに聞く「音楽PRエージェンシーってどんなお仕事ですか?」| 音楽業界のお仕事インタビュー第2弾


今年1月からスタートした「知ってそうで知らない音楽業界のお仕事」にスポットを当てるインタビューシリーズ。第2弾の今回は、ミュージシャンのPRやプロモーションを手がける「音楽PRエージェンシー」というお仕事について、Gerbera Music Agencyの金野和磨さんと石松豊さんにインタビューさせていただきました。

 

art work by Mayu Murota
photo by Shiho Aketagawa
interview & edit by Fuhito Kitahara

interview at art RéG café

 
 
 

| 音楽専門のPRエージェンシーってどんなお仕事ですか?

 

   本日はよろしくお願いいたします。まずは自己紹介をお願いします。

 

金野和磨(以下、金野) Gerbera Music Agency(以下、GMA)という音楽PRエージェンシーの代表をしている金野と申します。経歴は、大学卒業後に人材サービスの会社で飛び込み営業を経験しまして、その後、音楽サービスを運営している企業で企画営業/編集をやらせていただきました。今はデジタルマーケティングに強い会社でマーケティングの仕事に携わりつつ、GMAの仕事をしています。

 
石松豊(以下、石松) GMAの中では、Web広告やWeb制作などクリエイティブなところで携わっています。社会人としては3年目で、以前の会社は日本の最先端のデジタルマーケティングを幅広くやっていて、今は制作の会社でディレクターをやっています。

 

   さっそくですが、「音楽専門のPRエージェンシー」とはどのようなお仕事でしょうか?

 

金野 簡潔にいうと、アーティストの魅力を最大限に引き出すようなPRやプロモーションを行って、アーティストの認知度を上げたり、より良い印象形成に貢献する仕事です。

具体的には、PRコンテンツの制作やWebサイトの構築、プレスリリースの作成/送付、Web広告の配信などを行なっています。依頼元はアーティスト本人、事務所、レーベル、フェスの主催者のいずれかです。

今のところ「音楽専門のPRエージェンシー」と言っているものの、やっぱりサポートしているアーティストや事務所からは日々いろんな相談が舞い込むので、それらに対しても一個一個球を打ち返しています。自ずとライブのブッキングもしますし、クラウドファンディングの企画代行もしますし、「ミュージックビデオの再生を促すフライヤー」をデザインしたこともありますよ。なので、何でも屋みたいになっていってますね。詳細はこのブログ「Gerbera Music Agency(GMA)がミュージシャンにできること」に書いてあります。

 

   音楽専門のPRエージェンシーは、Gerbera Music Agencyさん以外にいらっしゃいますか?

 

金野 音楽業界で「エージェンシー」を謳っているのは恐らくウチだけだと思います。事務所やレーベルがエージェント事業もやっているケースや、エージェントとして活動していらっしゃる方は知っているんですが。

 


Gerbera Music Agency代表 金野和磨さん

 

   このお仕事を始めたキッカケを教えてください。

 

金野 僕は前職では営業やデジタルマーケティングの仕事をしていたので、そこで得られたスキルや経験を活かして音楽業界に貢献できないかとずっと思っていたんです。でも、何しろレコード会社や事務所に入ったことがなくて、音楽業界の構造も外から見るとよくわからなかったので、具体的にどういう切り口で音楽の仕事に携わればいいのか決めかねてたんですね。

そうした状況下で、海外の音楽業界にはエージェントという、日本では確立されていなかった仕事が存在すると知ったんです。交渉やPRは、今まで経験してきた延長線上にあるスキルだったので、これだったら自分にもできるんじゃないかと思い、ブログとYouTubeを使ってマーケティングやPRに関する情報を発信しているうちに、お仕事をいただけるバンドが現れまして。そのバンドを成功させるべくいろいろな仕事を経験して、それを事業化して今に至ります。

 

   担当されているアーティストをご紹介いただけますか?

 

金野 OLDE WORLDEというアーティストと、ENTHRALLSというバンドと、シンガーソングライターの小南泰葉さん、パンクバンドの東のエデンなどを担当しています。あと公表を控えているアーティストもいまして、トータルで10組くらいをサポートさせていただいてます。

 

   これまでの担当の事例を教えていただけますか?

 

金野 どのバンドのPRをしたのかは明かせないんですが、昨年(2016年)の事例ですと、札幌のバンドシーンの盛り上がりについて言及したPRコラム「札幌のロックバンドシーン概要 次々と飛び出すニューカマーをレビュー」をメディアに寄稿させていただきました。結果、Twitterを中心にいろいろな方がシェアしてくれて広まりました。これがライティングや編集を通じたPRですね。

ENTHRALLSの場合は、知り合いの音楽ライターの方にENTHRALLSの楽曲を聞いてもらい、楽曲をモチーフにした短編小説「ロンリーガール」を書いていただきました。

 


ENTHRALLS 短編小説「ロンリーガール」 著・イシハラマイ

 

   小説を作るというPRの方法もあるんですね。

 

金野 ENTHRALLSの楽曲や歌詞の良さをできるだけ分かりやすく丁寧にリスナーに伝えるにはどうすればいいかを考えていた時に、「ロンリーガール」という曲の「誰にだって 戻りたい日があるけれど 戻れないとわかった時に 動き出すように出来てるの」という歌詞が目に入ったんです。とても良いフレーズだと思いましたし、楽曲自体もストーリーを感じさせるような内容だったので、この曲をモチーフにした小説が作れたらおもしろいんじゃないかと思いました。

ちょうど小説を得意とする音楽ライターさんと知り合いだったのも後押しになりましたね。あと、せっかく小説をつくるならビジュアル面にもこだわりたいと思ったので、AdobeのSparkという視覚的な表現に長けたストーリーテリングツールを活用して制作しました。

ただの宣伝コンテンツではなくて、これ自体がひとつの読みものとして成立するように作っています。

 
石松 GMAはこういうWeb上のツールやデジタルテクノロジーに敏感であるということもひとつの強みですし、自社の周囲に依頼できるネットワークがあることも強みだと思っています。

 


Gerbera Music Agency 石松豊さん

 

   直近でされた事例を教えてください。

 

石松 直近ですと、今年デビュー5周年の節目ということで、小南泰葉さんのサイトをリニューアルしました。本人やマネージャーとイメージから具体的なビジュアルまで全部擦り合わせて、細かいディティールにまでこだわったものになっています。

 


小南泰葉 公式サイト
http://kominamiyasuha.jp/

 

   Webサイトを作るのにも、他のPRをするのにも、アーティストさんとの会議を重ねているってことですよね。

 

石松 はい。中心はアーティストや音楽であって、僕らが作りたいものを作るわけではないんですよね。そのアーティストがより広がっていけるとか、思いが届くとか。リスナーに喜んでもらえるように、僕らが得意なこととしてWeb制作などの手段を提供させてもらってるみたいな感じです。それがある意味エージェンシーだと僕は思っています。

 

金野 そうですね。あくまでもアーティストがいて僕らがいる。その位置関係が崩れたら良いPRはできないと思います。

 
 


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