言いたいことは言えちゃうこんな世の中 第13冊 | reading note 連載コラム
台湾とボクと、時々、音楽4
平成最後の夏が終わろうしている。どうしてこんなにも夏の終わりは切なくなるんだろう。
ヒリヒリしていた日明けの跡の皮がめくれて綺麗になった頃、乾いた冷たい風に吹かれて自分だけがまだ夏に取り残されているような感覚に陥る。
引き出しから出てきた線香花火の残りみたいに、やり残した事を思い出して胸がぎゅっと締め付けられる。あの感覚は何だろう。
こんばんは。平田です。
iPhone紛失事件簿をやっと書き終えたのでここから肝心の音楽の話をします。
一年ぶりとはいえ2度目の台湾。しかも去年も出演したWake Up Fesなので場所も空気もとても懐かしく感じられた。
フェスというのはステージが分かれていて、その場所がかなり重要になってくる。昨年は登竜門的なステージで会場の入り口に設置され、来場者みんなが観れるよう新参者にとってはとてもいい環境でした。
しかし今回下調べのため会場入りした僕らを待っていたのは、とんでもない場所だった。メインステージへ続くメイン通りからはるか逸れた場所。しかもわずかな音漏れも、その近くにある大きなステージからの爆音にかき消されて、知らなければそこにステージがある事すらわからない僻地だった。
つまりはreading noteというバンドに興味がなければ誰も近づかない場所。つまりはピンチだ。
ピンチはチャンスって誰かが言ってたけどあれどうなの?とにかく笑え。こういう時こそ笑おう。はははは。全然笑えねー。
ひとまず忘れよう。こんな時こそ現実逃避。これは神が与えた試練か?
そんな場所でライブをする事に。僕らの前の出番のバンドのライブを見る。地元の台湾のバンドだが、お世辞にも沢山人がいるとは言えない。
終わったな。無言のアイコンタクトで目配せをして終わりの合図を出す。
前のバンドが演奏を終了して自分たちのセッティングを始めると最前列にはお客さんの姿が。まだ一回しか台湾に来たことない俺たちを見に来てくれた人を見て心が動いた。
やってやんよ。
やるしかねぇよ。
誰だよビビってたヤツ。
うぉーーーー!!
闘魂注入されて無敵モード。
そっからはもうあんまり覚えてない。すみませんこういうライブの中でのエピソードは文字にしたらチープだし、貴方と共有したこの瞬間は語るべきじゃなく記憶の中にそっと閉まっておきたい。
でもとにかく夢中だった。人が沢山集まってきて、俺らは絶対やれるって心の中で何度も思った。しまい込んでた悔しさとかポケットから出したら、希望を吸ってびしょびしょに濡れてた。
でもこんなんじゃ満足できない。もっと行きたい。もっと先に行きたい。そう思った。
異国の土地では信じれるものは己のみ。でもそれはどこに居ても同じことなんでしょうね。甘えてた。道は自分で選ぶものだし、進むものだ。
本当に楽しかった。
その後のギターセミナーに飛び入りでライブした。チープな機材で音もペラペラやけど魂込めた。昨年お世話になった状態音楽でのライブも自分たち目当てのお客さんが沢山きてくれた。先日のフェスをみて来てくれた人達もいたな。それも本当に痺れるくらい嬉しかった。
またすぐにでも台湾に行きたい。俺たちの挑戦はまだまだ続いてるんすよ。待ってくれてる貴方のために、まだ出会ってない貴方のために。
長期にわたってサポートしてくれたコングに感謝。そしてスタッフのあんちょびもありがとう。いつになく真面目に書きすぎて次なにを書けばいいのかソワソワしますね。
次も楽しみにしててくれよな。
フロアワンマンライブ「お好きなところからご賞味あれ」ダイジェスト映像
最新作品
reading note『人間味』
発売:2017年6月28日(水)
価格:1,800円(税込)
品番:FFCR-0003
レーベル:for future company records
収録曲:
1. ケダモノ
2. 人間味
3. 性癖
4. 五月の雨
5. 夢想病
6. 食べ頃
ライブ情報 |
2017年6月に最新ミニアルバム『人間味』を全国発売。7月には台湾「覺醒音樂祭」に出演し、初の海外進出も果たした。10月には渋谷TSUTAYA O-nestにて初のフロアワンマン「お好きなところからご賞味あれ」を開催。チケットソールドアウトで、大盛況のうちに終了している。 https://www.readingnote.net/
reading noteのボーカルギター |
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