言いたいことは言えちゃうこんな世の中 第12冊 | reading note 連載コラム
台湾とボクと、時々、音楽3
コラムには文字数に制限はあるのだろうか?というのも、鉄は熱いうちに打てということわざがございますが、まさにその通りで、すでに台湾の物語を小分けにして書くことに飽きている自分がいる。呆れてモノも言えねぇや。
その時の感覚ってのはいつまでも保ってられないんだなって実感してます。人は忘れる生き物だから。
なので台湾とボクと、時々、音楽と題したリリーフランキーのパロディーのようなタイトルシリーズは本日で描き納めにしたいと思います。余すことなく描き尽くしたいと思います。
紛失したiPhone を取り戻すべく、サービスカウンターへと促された僕は壁に取り付けられた固定電話から何処かへかけるように指示をされる。
コール音の途中で女と思しき係員が出た。
「hello」
柔らかく明瞭な声。安心して
「すいません、iPhone を飛行機の中に忘れたんです」
「can you speak English ?」
まさかの英語で話せと要求。電話じゃ持ち前のボディーランゲージが通用しないじゃねーかよ。
「ア・リトル」
人間は何故こういう場面で見栄をはる生き物なのだろうか。もう二度と会うこともない、なんなら顔すら知らない外国人に対してもナメられるのが嫌な僕は、思わず少しなら出来ると回答。すかさず女が続ける。
「…ナンバー」
「ん?」
「…ナンバー」
ナンバーまではかろうじて聞き取れるものの、その前が全くわからない。
「ワンモアプリーズ」
「…エアポートナンバー」
なるほど。乗った便のナンバーを知りたがってるのか。やっと理解した僕は飛行機のチケットに記載された数字を読む。すると
「No!!…this ナンバー」
違う?なにが違うんだ。この番号じゃない?ん?
「ノットディスナンバー?」
「YES!」
ん?この番号じゃない?ここにかけてくるなって事か?かけたのは俺じゃなくてさっきのスタッフやぞ。
面倒くさくなった僕は
「Ok」
と答えると。女は急にまた始めの柔らかく明瞭な声で
「Thank you good bye」
と流暢な英語で電話を切った。幸運を祈るとでも後に付けるかの雰囲気。しばらくして辺りには静寂が訪れる。
なんだこの世界にひとりぼっちな感覚は。誰かに抱きしめて欲しい、誰か居ませんかー、誰かー。と湧き上がる想いを飲み込みメンバーの元へ戻る。
ここまでが台湾iPhone紛失事件の全貌である。文字にするとやけにチープな出来事のようだが、海外で携帯を紛失するなんて事件だ。ましてや到着して数分の出来事。全部飛行機のせいだ。あのワクワクの浮ついた気持ちのせいだ。
そのあと台湾の友達にお願いして遺失物取扱所と連絡を取り、無事にiPhoneは戻ってきたが、こんなドラマのような事件が起こるとは思いもしなかった。
学んだ事は1つ
「一度掴んだ女の手とiPhoneだけは手放してはいけない」
そういう事だ。どういう事だ。
肝心な音楽の話しまだてないのにこのボリューム感。まだ臭豆腐の事も台湾で出会った人達の事も何にも話せてない。じゃあまた次回すればいいじゃないか。話の続きを
という事でまた次回。
フロアワンマンライブ「お好きなところからご賞味あれ」ダイジェスト映像
最新作品
reading note『人間味』
発売:2017年6月28日(水)
価格:1,800円(税込)
品番:FFCR-0003
レーベル:for future company records
収録曲:
1. ケダモノ
2. 人間味
3. 性癖
4. 五月の雨
5. 夢想病
6. 食べ頃
ライブ情報 |
2017年6月に最新ミニアルバム『人間味』を全国発売。7月には台湾「覺醒音樂祭」に出演し、初の海外進出も果たした。10月には渋谷TSUTAYA O-nestにて初のフロアワンマン「お好きなところからご賞味あれ」を開催。チケットソールドアウトで、大盛況のうちに終了している。 https://www.readingnote.net/
reading noteのボーカルギター |
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