特別対談『青葉市子 × Mangasick』(日本語)
2015年4月18日、1年ぶりに青葉市子が再びMangasickの地下室にやってきた。彼女は台湾のzine売り場を一通り見たあと、漫画棚側の畳の上に座ってもらった。坂本慎太郎の「幻とのつきあい方」をBGMに、今日の対談を進めた。
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特別對談『青葉市子 × Mangasick』(中文)
text by Bud Terao
Mangasick(以下、M):お久しぶりです。
青葉市子(以下、青):お久しぶりです。
M:今日はインタビューとか対談とかの堅い感じじゃなくて、青葉さんとおしゃべりしましょう(笑)。
青:うん、おしゃべり。
M:(ノートを開く)うん、なにから話そうかな。
青:わ〜、沢山書いてある。
M:私たちはネットにある青葉さんのインタビューは全部読みました。
青:ほんと??
M:それで、音楽に関する質問はもう沢山の人が聞いてしまっているので、私たちが聞く事はあまり多くないです(笑)。
青:おしゃべりでいいよ。
| 台湾の印象について
M:青葉さんは台湾に来るのは2回目ですよね?
青:そうです、2回目。
M:台湾はどんな印象ですか?
青:えーと、樹の生命力がすごい。
M:ほんとに?……きっと気候が暑いからかな。
青:私たちこんなに流暢に、本当におしゃべりしてるみたいね。
M:こんな感じでいいと思います(笑)。話を戻すと、私たちは東京の方が樹が多いと思いますよ。
青:本当に?多いというよりは、樹がある所は密集してるからかな。
M:例えば公園とか?
青:そう。
M:だけど、台湾は島が小さいので、台北も当然更に小さいです。自然の環境はあまり無いと感じますが、東京はいくつも大きな公園がありますね。ていうか、青葉さんはもし台北の大安森林公園でライブをやったら最高だと思います。
青:昨日も月見ル君想フの寺尾さんと鐵花村のことを話してたの。いつかそこでライブやりたいねって。
M:原田郁子さんもそこでライブやりましたよ!
青:え?今の原田郁子(中文發音ユエンティエンユィズ)って郁子さんのこと?
M:そうです。
青:前に彼女から名前の中国語の発音を聞いてたからちょっと憶えてた。原ユエン,田ティエン,郁ユィ,子ズ。
M:すごい〜憶えてる。
M:青葉さんは台湾でライブするのと日本でライブするのは何か違いがありますか?やっぱりお客さんと言葉が通じない?
青:言葉が通じないから、気持ちは本当に楽ですよ。
M:楽なの?(笑)
青:もしみんなが歌詞の意味をわかったら、きっと曲に大して音楽以外の感情を持つと思うけど、言葉が通じない状況だと、私とお客さんが共有するのは声と音楽だけ。すごくシンプル。もしみんなが「これで満足」と思ってくれたらすごく嬉しいな。
M:台湾のお客さんは前回のライブを観た後すごく感動してました。歌詞が聞き取れなくても、会場の雰囲気から感じとってましたよ。
青:よかった。「説明しなくても伝わる」っていいなと思ってて、言葉は情報だから、情報が多くなれば受け手は本当に大切な事以外も考えちゃうから。
M:うん、私たちもそう思う。こないだのライブを観た感想は、まるで森林や水晶のように自然が生み出したものを見ているようで、私たちが普段聞いているライブとは全く違ったものでした。
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