Juu & G. Jee、Young-Gとの共同制作アルバム『New Luk Thung』7月27日発売決定。タイと日本の交流から生まれたHIPHOPの最新形
Juu & G. Jeeが、ニューアルバム『New Luk Thung』を7月27日(土)にリリースすることになった。
Juuはタイのカリスマ社会派ラッパーで、G. Jeeはその弟子にして圧倒的なパフォーマンスをみせる期待のラッパー/シンガー/ソングライター。
今作は、2017年よりスティルイチミヤのYoung-Gが主導し、G. Jeeと共同制作していた作品。
近年、積極的に活躍の場を拡げているOMK(One Mekong)がバックアップし、ゲストに鎮座DOPENESSや田我流を含むスティルイチミヤ全員が参加。タイと日本の交流から生まれた今作は、アジア・ローカルをレペゼンし、それ故にグローバルに通用する全くフレッシュな音楽で、構造的にもなんとも言えない「新しい歌謡感」を持ちあわせている。
まだアメリカが知らないHIPHOPの最新形が完成した。
Juu & G. Jee『New Luk Thung』(ニュー・ルークトゥン)
発売:2019年7月27日(土)
価格:CD・LP 2,484円(税込)
品番:EM1186CD/LP/DL
制作発売元:エム・レコード (EM Records)
仕様:CD / 12″ LP / Digital
解説:Soi48
※日本語・英語ライナー / 完全訳詩掲載
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収録曲:
01. 深夜0時、僕は2回火を付ける(feat. 鎮座DOPENESS & MMM)
02. かわいいキミ
03. ラ・エイ・ラ
04. She Ley~田舎でのんびり
05. 隣人
06. Yum Klom Thung~ハナとボクの道
07. ソムタム侍(feat. stillichimiya)
08. Give Me The Way
09. 水牛に乗るエイリアン
10. OMKのテーマ
作品解説:
まだアメリカが知らないHIPHOPの最新形はここにある。88risingと真逆な方向からアジア・ローカルをレペゼンし、それ故にグローバルに通用する全くフレッシュな音楽を作り上げてしまうタイの異能、Juu。オートチューンを手にいれたキャプテン・ビーフハートか?水牛に乗ったドレイクか?1stフル・アルバム『ニュー・ルークトゥン』がいよいよドロップ!
Juu(ジュウ)とは何者か?魅力的なアクトが次々登場するタイのHIPHOPシーン。その中でもOGとしてリスペクトされるJuuだが、タイ国外からその存在をキャッチするのは困難を極める。タイ語で歌いフィジカルはゼロ、Youtubeにしか存在しなかったその痕跡を辿ったOMK(One Mekong)が接触に成功。2017年、遂に彼を招聘して初来日ライブを敢行し、その異形な音楽性と人物像が明らかとなる。太すぎるベースと細かく刻まれたハイハットのグルーヴはTRAP以降のそれだが、自在に伸縮するフロウ、英語・タイ語・日本語・甲州弁を織り交ぜるぶっ飛んだ言語感覚、そして豊穣なタイ音楽クラシックからの引用(あとファニーな人柄も)そのどれもが当世に溢れるTRAPコピーキャットと全く別次元にいることを示していた。
本作はこの異才とOMKの面々が意気投合し、stillichimiya/OMKのYoung-Gのリードで共同制作を始め、およそ2年がかりで完成したJuu初のフル・アルバムとなる作品だ。大半のトラックがYoung-Gの手になるもので、このサウンドがまたOMKのアティテュードを反映した野心にみなぎっている。チンやカウベルやケーン、ピンといったタイの楽器を随所に取り入れつつ、しかし決してエキゾチックな味付けに使っていない。タイに元々あるビートやグルーヴを注入するため、それらを必然として取り込んでいるのだ。そしてメロウな曲で滲み出るのはルークトゥンとも日本の演歌とも通じるフロウ(歌心)。それらがJuuのバックグラウンドであるHIPHOPやレゲエを介してなんとも言えない「新しい歌謡感」を生み出している。
タイトルの『ニュー・ルークトゥン』が示す通り、本作は死滅しかけていたタイの歌謡ジャンル、ルークトゥン(*1)を最先端HIPHOPでパッタナー(*2)したものだ。このルークトゥンという音楽は、HIPHOP同様に過去のクラシックを何度も引用(サンプリング)し蘇らせる。そしてこれもHIPHOP同様に歌詞(リリック)が非常に重要な音楽でもある。このルークトゥンとHIPHOPに共通するマナーを完全に矛盾なく消化しきったのが本作の特徴だ。Juuが制作の過程でYoung-Gに「これはニュー・ルークトゥンだ」と言ったことから付いた本作のタイトルだが、これは必然というべきネーミングだろう。本作は「最新のHIPHOP」であるし「最新のルークトゥン」でもあるのだ。タイHIPHOP界最高の”マスター・ポエット”としてリスペクトされるJuuの詩の世界は、翻訳に難航を極めた完全対訳を是非チェックしてほしい。
収録曲詳細:
収録曲の多くはジュウと彼の弟子(*3)、G. Jee(G.ジェー)によるタイ日英語を交ぜたツイン・ヴォーカルで歌われる。70sルークトゥンをループしたWEIRDトラックで鎮座DOPENESSとMMM(スティルイチミヤ)をフィーチャーした①「深夜0時、僕は2回火を付ける」にはじまり、スリン・パークシリがプロデュースしたカワオ・シアントーンのガンジャ・チューン名曲「Bong Ganja」をサンプリングしてアーバン・メローに仕立てた③「ラ・エイ・ラ」、ルークトゥン王道テーマを歌う④「She Ley~田舎でのんびり」、<合法化>を訴えるバラード⑤「隣人」、パイリン・ポーンピブーンの美しい名曲が暴力的なベースに変貌した⑥「Yum Klom Thung~ハナと僕の道」、スティルイチミヤが勢揃いしパス・ザ・マイクで盛り上げる⑦「ソムタム侍」、ダオ・バンドン「水牛に乗る人」へのオマージュの姿をしたグローバリスト批判⑨「水牛に乗るエイリアン」、そして⑩「OMKテーマ」で締めるという怒濤の40分。
*注釈:
1)ルークトゥン:“田舎の子”、“田舎者の歌”の意を持つ音楽ジャンルで、1960年代半ばにその名が確立し、現在はタイのナショナル・ミュージックとして継承される歌謡音楽。田園風景、田舎と都市の対比、市井の生活や時事問題を扱い歌詞を特に重視する。特定の音楽形式がないため雑食性が高い。
2)パッタナー:タイ語で変革、発展、改革の意。プロデューサー達が好んで用いる言葉。タイではパッタナーを怠った音楽はあっという間に一線からいなくなる。
3)歳上を敬う社会であるタイの音楽業界には師匠・弟子の伝統がある。HIPHOPであってもその関係は揺るぎない。
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WEBサイト | : | stillichimiya 公式サイト |
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