2019-09-04 18:00 Fuhito Kitahara

Juu & G. Jee、内外に衝撃を与えたアルバム『New Luk Thung』を記念してDJクルー・OMK( Young-G, MMM & Soi48)と日韓ジョイントツアー開催決定

Pocket

Juu & G. Jeeが、アルバム『New Luk Thung』の発売を記念して10月に日韓ツアーを開催することになった。

 
Juuはタイのカリスマ社会派ラッパーで、G. Jeeはその弟子にして圧倒的なパフォーマンスをみせる期待のラッパー/シンガー/ソングライター。今年7月に発売したアルバム『New Luk Thung』は、2020年代へ向けたアジア音楽の共同制作のあり方を問うたフューチャー・アジアン・ヒップホップとして内外に衝撃を与えている。

 
今回のツアーは、そんなアルバムの発売を記念したもので、ADM(Asian Dance Music)をキーワードに数々のパーティーを成功させているDJクルー・OMK(One Mekong:Young-G MMM & Soi48)とのジョイントライブ&DJツアー。

 
ライブやDJにとどまらず、アジア音楽のレクチャー/トークイベントを組み込み、踊って楽しむだけでなく、耳にした音楽の背景や意味を知り、アジア音楽をなんとなくの感覚的なものから一歩先の理解に進めようとするもの。

 
ともすれば「今アジアが流行っているらしい」という噂のみで消費されがちなのっぺらぼうのアジアではなく、リアルなアジア音楽の面白さ楽しさを共有することができそうだ。

 
 


Juu & G. Jee feat. 鎮座DOPENESS x MMM 2ยาม Time 2 Yam「深夜0時、僕は2回火を付ける」[Official MV]

 


Juu & G. Jee x stillichimiya「ソムタム侍」ส้มตำซามูไร Somtam Samurai [Official MV]

 

日韓共同開催「OMK<ニュー・ルークトゥン>ツアー」

 
韓国編
Helicopter Records Presents “Asian Music Party” w/ Juu & G.Jee (from Thailand), Hasegawa Yohei, SEESEA, J.E.B

日程:2019/10/4(FRI)
会場:CHANNEL 1969(Seoul)

 

福岡編 supported by Somtam wanang khaan
日程:2019/10/6(SUN)
会場:Kieth Flack 1,2F

https://www.facebook.com/events/380825292586998/

 

大阪編 Part 1「Touch The Sky Sound System」
日程:2019/10/7(MON)
会場:Socore Factory
※OMK & JuuはゲストDJ出演のみ

 

大阪編 Part 2
日程:2019/10/8(TUE)
会場:Socore Factory
※Juu & G. Jeeライブ
※協賛:スタジオボイス

http://emrecords.net/oct-8-osaka-juu-omk-live/
https://www.facebook.com/events/2509261465972419/

 

京都編
日程:2019/10/9(WED)
会場:誠光社
※『ニュー・ルークトゥン』関連レクチャーイベント
※「アジア音楽の過去と現在~タイ音楽編」をテーマに開催
https://www.seikosha-books.com/event(9月6日アップ予定)

 

東京編「ONE MEKONG MEETING VOL.4
日程:2019/10/10(THU)
会場:渋谷Loft9
※」『ニュー・ルークトゥン』関連トークイベント

https://www.facebook.com/events/372989386971962/
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9/127401

 
東京編「Soi48 Vol.38 Juu & G.Jee『NEW LUK THUNG』」
日程:2019/10/13(SUN)
会場:Be-Wave(新宿)

http://soi48.blogspot.com/

 
===========
 

ツアー詳細
http://emrecords.net/omk-juu-tour-oct4-13/

 
 

 
Juu & G. Jee『New Luk Thung』(ニュー・ルークトゥン)

発売:2019年7月27日(土)
価格:CD・LP 2,484円(税込)
品番:EM1186CD/LP/DL
制作発売元:エム・レコード (EM Records)
仕様:CD / 12″ LP / Digital

解説:Soi48
※日本語・英語ライナー / 完全訳詩掲載

Amazonでみる(CD)
Amazonでみる(LP)
TOWER RECORDS ONLINEでみる(CD)
TOWER RECORDS ONLINEでみる(LP)

収録曲:
01. 深夜0時、僕は2回火を付ける(feat. 鎮座DOPENESS & MMM)
02. かわいいキミ
03. ラ・エイ・ラ
04. She Ley~田舎でのんびり
05. 隣人
06. Yum Klom Thung~ハナとボクの道
07. ソムタム侍(feat. stillichimiya)
08. Give Me The Way
09. 水牛に乗るエイリアン
10. OMKのテーマ

 
作品解説:

まだアメリカが知らないHIPHOPの最新形はここにある。88risingと真逆な方向からアジア・ローカルをレペゼンし、それ故にグローバルに通用する全くフレッシュな音楽を作り上げてしまうタイの異能、Juu。オートチューンを手にいれたキャプテン・ビーフハートか?水牛に乗ったドレイクか?1stフル・アルバム『ニュー・ルークトゥン』がいよいよドロップ!

Juu(ジュウ)とは何者か?魅力的なアクトが次々登場するタイのHIPHOPシーン。その中でもOGとしてリスペクトされるJuuだが、タイ国外からその存在をキャッチするのは困難を極める。タイ語で歌いフィジカルはゼロ、Youtubeにしか存在しなかったその痕跡を辿ったOMK(One Mekong)が接触に成功。2017年、遂に彼を招聘して初来日ライブを敢行し、その異形な音楽性と人物像が明らかとなる。太すぎるベースと細かく刻まれたハイハットのグルーヴはTRAP以降のそれだが、自在に伸縮するフロウ、英語・タイ語・日本語・甲州弁を織り交ぜるぶっ飛んだ言語感覚、そして豊穣なタイ音楽クラシックからの引用(あとファニーな人柄も)そのどれもが当世に溢れるTRAPコピーキャットと全く別次元にいることを示していた。

本作はこの異才とOMKの面々が意気投合し、stillichimiya/OMKのYoung-Gのリードで共同制作を始め、およそ2年がかりで完成したJuu初のフル・アルバムとなる作品だ。大半のトラックがYoung-Gの手になるもので、このサウンドがまたOMKのアティテュードを反映した野心にみなぎっている。チンやカウベルやケーン、ピンといったタイの楽器を随所に取り入れつつ、しかし決してエキゾチックな味付けに使っていない。タイに元々あるビートやグルーヴを注入するため、それらを必然として取り込んでいるのだ。そしてメロウな曲で滲み出るのはルークトゥンとも日本の演歌とも通じるフロウ(歌心)。それらがJuuのバックグラウンドであるHIPHOPやレゲエを介してなんとも言えない「新しい歌謡感」を生み出している。

タイトルの『ニュー・ルークトゥン』が示す通り、本作は死滅しかけていたタイの歌謡ジャンル、ルークトゥン(*1)を最先端HIPHOPでパッタナー(*2)したものだ。このルークトゥンという音楽は、HIPHOP同様に過去のクラシックを何度も引用(サンプリング)し蘇らせる。そしてこれもHIPHOP同様に歌詞(リリック)が非常に重要な音楽でもある。このルークトゥンとHIPHOPに共通するマナーを完全に矛盾なく消化しきったのが本作の特徴だ。Juuが制作の過程でYoung-Gに「これはニュー・ルークトゥンだ」と言ったことから付いた本作のタイトルだが、これは必然というべきネーミングだろう。本作は「最新のHIPHOP」であるし「最新のルークトゥン」でもあるのだ。タイHIPHOP界最高の”マスター・ポエット”としてリスペクトされるJuuの詩の世界は、翻訳に難航を極めた完全対訳を是非チェックしてほしい。

 
収録曲詳細:

収録曲の多くはジュウと彼の弟子(*3)、G. Jee(G.ジェー)によるタイ日英語を交ぜたツイン・ヴォーカルで歌われる。70sルークトゥンをループしたWEIRDトラックで鎮座DOPENESSとMMM(スティルイチミヤ)をフィーチャーした①「深夜0時、僕は2回火を付ける」にはじまり、スリン・パークシリがプロデュースしたカワオ・シアントーンのガンジャ・チューン名曲「Bong Ganja」をサンプリングしてアーバン・メローに仕立てた③「ラ・エイ・ラ」、ルークトゥン王道テーマを歌う④「She Ley~田舎でのんびり」、<合法化>を訴えるバラード⑤「隣人」、パイリン・ポーンピブーンの美しい名曲が暴力的なベースに変貌した⑥「Yum Klom Thung~ハナと僕の道」、スティルイチミヤが勢揃いしパス・ザ・マイクで盛り上げる⑦「ソムタム侍」、ダオ・バンドン「水牛に乗る人」へのオマージュの姿をしたグローバリスト批判⑨「水牛に乗るエイリアン」、そして⑩「OMKテーマ」で締めるという怒濤の40分。

 
*注釈:
1)ルークトゥン:“田舎の子”、“田舎者の歌”の意を持つ音楽ジャンルで、1960年代半ばにその名が確立し、現在はタイのナショナル・ミュージックとして継承される歌謡音楽。田園風景、田舎と都市の対比、市井の生活や時事問題を扱い歌詞を特に重視する。特定の音楽形式がないため雑食性が高い。

2)パッタナー:タイ語で変革、発展、改革の意。プロデューサー達が好んで用いる言葉。タイではパッタナーを怠った音楽はあっという間に一線からいなくなる。

3)歳上を敬う社会であるタイの音楽業界には師匠・弟子の伝統がある。HIPHOPであってもその関係は揺るぎない。

 



 
Juu & G. Jee(ジュウ&G・ジェー)

バンコクの旧市街ウォンウェンヤイ出身、インディペンデントでDIYな活動を行うミュージシャン、音楽プロデューサー、スケーターで元暴走族。レゲエ・バンド、4E Rastafariのメンバーであり、伸ばし続けるトレードマークのラスタ・ヘアーそのままのチューンが多いが、実はダブルミーニングなリリックを特徴とする社会派ラッパー。タイ語、英語、クメール語、日本語、Juu自身が作ったno languageでラップ可能で、プムプワンやチャーイ・ムアンシンといったルークトゥン歌手のフロウをラップ化したり、タイの古典文学や詩を引用するセンスは誰も真似できない。Anderson .Paakと共演し、Yellow Fang(日本でも人気のタイのインディー・バンド)やTwopee Southside(タイNo.1のスキルを持つラッパー)といったアーティスト達からジャンルを越えてリスペクトされている。ティーンが熱狂するYoung Bong(タイの2人組ラッパー)はジュウの弟分。フィジカル・リリース無し、サブスク無しという彼の作品はYouTubeならぬ<JUU Tube>で公開中。最近はヤン富田に夢中でインスト音源もリリースしている。「グッチの鞄もコンビニの袋も一緒」「ランボルギーニより自転車がクール」等々口から出てくるのはキラー・フレーズばかり。謙虚で非常に腰が低い好漢。

G. Jee(Gジェー)はジュウが目をかける弟子で、ステージではジュウ負けない圧倒的なパフォーマンスをみせる期待のラッパー/シンガー/ソングライター。ジュウの強烈な世界観に日々触れている人ゆえ今後はソロ作品にも期待大。

 



 
OMK(ワンメコン)

stillichimiyaのYOUNG-G、MMM、DJユニットSoi48を中心にアジアの地下ヒップホップ・シーンからクラブ、ローカルなディスコまで潜入調査し、インターネットの世界ではわからない音楽、危険な現場、ゴシップ、レコード、カルチャーをディグするプロジェクト。SNS上のうわべだけのコマーシャルと異なる”リアルで質の高い”情報は大きな話題を呼び『STUDIO VOICE : Flood of Sounds from Asia-そこで生まれる音楽-』やTBSラジオ「アフター6ジャンクション」で特集されることに。ワンメコン・ミーティング、DJイベントを不定期開催中。

https://twitter.com/JUUKI
https://twitter.com/studioisi
https://twitter.com/soi48blog


インフォメーション

タイトル
開催日時
開催場所
料金
アクト
連絡先
WEBサイト JUU facebook
WEBサイト Young-G twitter
twitter
facebook
この記事の画像


関連記事:
こちらのニュースもどうぞ: