2020-12-28 18:00 Fuhito Kitahara

Sam Prekop、歴史的名盤1stアルバムをCDで再発決定。シカゴ音響派、ポストロックを代表する”歌もの”アルバム

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Sam Prekop(サム・プレコップ)が、1999年の1stアルバム『Sam Prekop』を初の紙ジャケCDで2021年1月22日(金)に再発することになった。

 
Sam PrekopはThe Sea and Cakeのボーカル/ギターとしても活動するアーティスト。昨年2020年7月に日本先行で発売した最新ソロアルバム『Comma』はトレードマークでもあるウィスパー・ヴォーカルを封印したインストアルバムであったにもかかわらず、国内外で高い評価を獲得している。

 
今作は1999年に発売したセルフタイトルの1stアルバム『Sam Prekop』のCD再発盤で、ジム・オルークがプロデュースを手がけ、ジャズ畑のリズム隊を起用したことで、ザ・シー・アンド・ケイクの作品にも見られた、ジャズやボサノヴァ、ソウル、アフロリズムの要素が強調され、従来のUSインディーズやポストロック・ファンはもちろん、80年代のネオアコースティックやギターポップ・ファンから、ソフトロックやブラジリアン・ポップのファンまでも虜にしてきた歴史的名盤だ。

 
ジム・オルークは当時、自身のプロデュースワークの中での最高傑作と評しており、同時期(1999年2月)に発表されたジムの『ユリイカ』と共に、シカゴ音響派、ポストロックを代表する「歌もの」アルバムとして、日本でも今なお高い人気を誇っている。

 
また今回のCD再発にあたり、これまでのCDジャケットとはデザインが異なるオリジナルLPのジャケットデザインを踏襲し、初の紙ジャケを採用することも発表された。

 
なお、日本盤のみボーナストラック2曲を追加収録。この2曲は海外でのリリースはなく、現在のところデジタル配信も予定していないとのことだ。

 
 

 
 

 
Sam Prekop『Sam Prekop』(再発CD盤)

発売:2021年1月22日(金)
価格:2,000円+税(仮)
品番:THRILL-JP 21 / HEADZ 42P
仕様:CD

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収録曲:
1. showrooms
2. the company
3. practice twice
4. a cloud to the back
5. don’t bother
6. faces and people
7. on such favors
8. the shadow
9. smaller rivers
10. so shy
11. company
12. triple burn
※ tracks 11,12 … 日本盤のみのボーナス・トラック

 
Produced by Jim O’Rourke
Basic tracks recorded at Solid Sound, Hoffman Estates
Recording engineer: Jim O’Rourke
Assistant recording engineer: Phil Bonnet
All other recording and mixed by Jim O’Rourke at Steam Room, Chicago 1998.
All songs by Sam Prekop except tracks 4 (Abrams, O’Rourke, Prekop, Prewitt, Taylor) and 6 (Abrams, Mazurek, O’Rourke, Prekop, Prewitt, Taylor)
Arrangements by Jim O’Rourke, Josh Abrams, Sam Prekop, Archer Prewitt, Chad Taylor
String arrangements by Jim O’Rourke
Horn arrangements by Jim O’Rourke and Rob Mazurek
Bonus tracks recorded at Mayfair Recording by Mark Greenberg
Cover painting by Sam Prekop
Designed by Sam Prekop and Sheila Sachs
Special guest musicians: Rob Mazurek, John McEntire, Julie Pomerleau

Personnel for the record:
Sam Prekop – vocals, guitar, piano
Chad Taylor – percussion
Josh Abrams – bass, piano
Archer Prewitt – guitar, piano
Jim O’Rourke – organ, backing vocals, guitar, bass
With: Julie Pomerleau- violin, viola, Rob Mazurek- cornet, John McEntire- triangle, maracas

 

作品解説;

最新ソロ・アルバム『Comma(コンマ)』が、トレードマークでもある魅惑的なウィスパー・ヴォーカルを封印した、アナログ・シンセをメインに制作されたインスト・アルバムであったにも拘らず、高評価を獲得し(ピッチフォークも8点越え)、これまでのファン以外にも広くアピールしたザ・シー・アンド・ケイクのフロント・マン、サム・プレコップ。
(ウィルコをグラミーに導き、ソニック・ユースにも寵愛された)鬼才ジム・オルークのプロデュースの元、1999年に発表された1stアルバム『サム・プレコップ(Sam Prekop)』(ジムが当時、自身のプロデュースワークの中での最高傑作と評した)の初のLPデザインでの紙ジャケ仕様でのCD再発が決定。

同時期(1999年2月)に発表されたジム・オルークの『ユリイカ』と共に、シカゴ音響派、ポスト・ロックを代表する「歌もの」アルバムとして、日本でも今なお高い人気を誇る、ザ・シー・アンド・ケイクのヴォーカリストでソングライターでもあるサム・プレコップのセルフ・タイトルのファースト・ソロ・アルバムが15年振りに再発されます。

2020年、19年振りのシカゴ・アンダーグラウンド・カルテットのアルバム『Good Days』をロブ・マズレク、ジェフ・パーカー(もう一人の新メンバー、ジョシュ・ジョンソンはジェフのバンドThe New Breedのメンバー)と共にリリースしたチャド・テイラー(パーカッション)、(あのヒップホップ・バンド、ザ・ルーツの初期メンバーでもあり、)タウン・アンド・カントリーの活動休止後、現在はソロ名義やNatural Information Societyを率いて、良作を連発しているジョシュ・エイブラムス(ベース、エレクトリック・ベース、ピアノ)、のジャズ畑で活躍を続けるリズム隊と、ザ・シー・アンド・ケイクの活動以外でもサムをサポートし続けるアーチャー・プルウィット(ギター、ピアノ)、シカゴ、ニューヨーク、日本と活動の拠点を移しながらも優れた音楽家・プロデューサーとして数々の素晴らしい作品を手掛けているジム・オルーク(アルバムのプロデュース、録音・ミックス、ストリングス & ホーン・アレンジの他に、オルガン、エレクトリック・ピアノ、ギター、スライド・ギター、6弦ベース、バッキング・ヴォーカルでも参加)をコア・メンバーに制作されています。

スペシャル・ゲストとして、エスクプローディング・スター・オーケストラ名義と併記された最新作『Dimensional Stardust(ディメンショナル・スターダスト)』がニューヨーク・タイムズの2020年のベスト・ジャズ・アルバムTOP 10(No.5)にも選出されたロブ・マズレク(コルネットでの参加他、ジム・オルークとともにホーン・アレンジも担当)、ザ・シー・アンド・ケイクのバンド・メイトでもあるトータスのジョン・マッケンタイア(トライアングル、マラカスで参加)、ガスター・デル・ソルの『カモフルーア』、ジム・オルークの『ユリイカ』にも参加していた(シカゴが生んだ、遅れて来た現役グラム・ロッカー、ボビー・コンのパートナー)モニカ・ブーブー(Monica BouBou)ことジュリー・ポマロー(ヴァイオリン、ヴィオラ)が参加しています。

チャドとジョシュの起用もあり、ザ・シー・アンド・ケイクの作品にも滲み出ていた、ジャズやボサノヴァ、ソウル、アフロ・リズム等のエレメントがより強調され、ジムの素晴らしいホーンやストリングスのアレンジ、ミックスによって、ザ・シー・アンド・ケイクのアーチャー・プルウィット、ジョン・マッケンタイアの参加にも拘らず、ザ・シー・アンド・ケイクとも違う、マジカルな化学反応を引き起こした、このアルバムならではのオリジナルで、サムのヴォーカルが美しいアトモスフェリックなサウンドとなっている。
従来のUSインディーズやポスト・ロック・ファンは勿論、80年代のネオ・アコースティックやギター・ポップ・ファンから、ソフト・ロックやブラジリアン・ポップのファンまでも虜にした、発売から22年、未だ色褪せない、繊細かつシンプルに響く、奥深きエヴァーグリーンなマスターピース(歴史的名盤)。

日本盤のボーナス・トラックの2曲は、ヴィルコやジェフ・トゥイーディー作品のエンジニアを長年務めているマーク・グリーンバーグ(アーチャーの在籍したザ・カクテルズのメンバー)が録音を手掛け、サムとアーチャー(ギターの他、ヴィブラフォンやキーボードも担当)のみで演奏されていいます。デジタル配信なしで、日本盤CDにしか収録されていません。

日本盤のみ歌詞・対訳付です(オリジナル盤は歌詞も掲載されていません)。
解説は、1999年のオリジナル・リリース時のライナーノーツも手掛けた福田教雄さん(Sweet Dreams Press)と、 柳樂光隆さん(Jazz The New Chapter)が担当しています。

 



 
Sam Prekop(サム・プレコップ)

英ロンドン生まれ、米シカゴ育ちのサム・プレコップは、80年代後半よりShrimp Boatのメンバーとして注目され、1993年のShrimp Boat解散後にThe Sea and Cakeを結成。
1999年にはThe Sea and Cakeの活動と並行し、ジム・オルークのプロデュースによる初のソロ・アルバム『Sam Prekop』をリリース。
2005年にはジムを除く、1stソロ作と同じ録音メンバーによる2ndソロ・アルバム『Who’s Your New Professor』を発表する。
初回盤が本人の手描きジャケットのCDであった2010年の『Old Punch Card』以降のソロ作は、モジュラー・シンセサイザーを主体とするインストゥルメンタル・アルバムをリリースしてきており、2015年にはアルバムの前半が映像作家のDavid Harttの同名のヴィデオ・インスタレーション用のスコアとして制作された『The Republic』(Pitchforkの「Overlooked Records 2015」の20枚に選出)を発表している。
Thrill Jockeyからの5枚のソロ・アルバム以外には、2012年に制作・公開された映像作家Tim Suttonによる映画『Pavilion』のスコアを手掛けており、2013年にブルックリンのFactory 25より映画のDVDとアナログ・レコードのサントラ盤が同梱された作品が発表されている。
2017年にはASUNAが主宰する8cm CD専門レーベル「aotoao」の名物コンピレーション・シリーズ『Casiotone Compilation』の第7弾に参加。
2019年にはジョン・マッケンタイアとのコラポ曲「Kreuzung」をポーランドのDon’t Sit On My Vinyl!よりリリース(シュテファン・シュナイダーのMapstationとの10インチの限定66枚のスプリット・レコード)している。
2020年1月にはデジタル配信のみでMute Gospel(メンバーの一人Mike BoydはThrill Jockeyのスタッフ)とのスプリットEP(各2曲づつ収録)を発表している。
音楽家としてだけでなく、画家、写真家としても注目されており(2007年にはPRESSPOP INC.よりCD付の初の写真集『PHOTOGRAPHS』を発表している)、過去のThe Sea and Cakeやソロ作は勿論、最新作『Comma』のジャケットに使用されている写真や絵画もサム本人が手掛けている。

 

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The Sea and CakeのSam Prekop、7月に日本先行発売した新作アルバム『Comma』からTim Sutton監督MV「Above Our Heads」公開


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