2016-08-14 12:30

FUNKは時代を超えられるのか!?東京のストリートから世界へ、URBAN FUNK MACHINE “BUSKING WORLD TOUR 2016″インタビュー

URBAN FUNK MACHINE 1

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ストリートライブといえば何を想像するだろうか。弾き語りやバンド、はたまたマジックショー、大道芸人…などを想像すると思う。でも今回は、それとは一味も二味も違う。

いつものように、あなたが新宿や池袋を歩いていたとする。すると、目の前にタップダンスをしながら、ipadでギターを弾くサンフランシスコ人が現れたら?思わず踊ってしまうような、ファンキーなドラムサウンドが聞こえてきたら?立ち止まらずにはいられないだろう。

今回は東京のストリートで話題のユニット、URBAN FUNK MACHINEにインタビューを行うことができた。彼らは、ipad&タップダンス担当のEDO(サンフランシスコ出身)と、ドラム担当のMASA(日本出身)からなる。デジタルなipadサウンドに、アナログなタップダンス、そして生ドラムが合わさり、新しい音楽、エンターテイメントを作り出す。彼らの周りはいつもオーディエンスが輪になり取り囲む。あまりの盛況ぶりに警察も止めざるをえないことも日常茶飯事。そんな彼らはワールドツアーの真っ最中で、日本をスタート地点とし、今後世界各国のストリートを飛び回っている。二人はどんな思いをツアーに、ストリートに込めて挑むのか。熱い思いを語ってもらった。

 

interview & text by トム
art work by Mayu Murota
edit by Fuhito Kitahara

 
 
 

| もうサンフランシスコの手には負えない

 

   5月14日の西武新宿前ライブは大成功に終わりましたね。

 

MASA(Dr) 本当に観てくださった人達にありがとうございましたって言いたいですね。CDやDVD を買ってくれたり、投げ銭をしてくれた方達には更にありがとうございましたって気持ちです。

 

EDO(iPad,タップダンス) 半分は僕らが一生懸命やった結果。でも、もう半分は見てくれた日本のファンたちのおかげ。彼らがサポートしてくれたおかげ。 本当にありがとう。

 

   結成されてからずっと、サンフランシスコ中心で活動されていたそうですが、どうしてワールドツアーをしようと考えたのですか?

 

MASA 俺達はサンフランシスコでしかまだパフォーマンスしていなかったのと、サンフランシスコの景気が近年良くなくなってきたのもあって、これだけ新しくて面白いものをサンフランシスコだけでやるのはもったいない。「世界中でやってみようよ」って話し出したのがきっかけでした。

 

EDO 僕たちはサンフランシスコではVIP、サンフランシスコには手が負えなくなってるから、そろそろ外に出ないといけない(笑)。

 

MASA それに今はSummer、夏じゃないですか。どの国も時期的に財布が緩くなる。タイミング的にも一番やりやすいかなと。それで、まず初めに俺の母国の日本に行ってみようって。

 

EDO それに、日本は世界に比べてテクノロジー的に進んでいる。僕らって、iPadでやってるじゃないですか。そういうのは合うんじゃないのかっていう意味でも日本を選んだんだ。

 

   ツアースケジュールを公開されてないようですが、どこに回るかまだ未定ですか?

 

MASA 次はまず7/6〜7/24でフランスのアヴィニョンフェスティバルに行く予定です。町全体で行うフェスティバルらしくて、大道芸人や、ストリートアーティストに町全体が寛容になるそうなんです。以前フェスティバルに出た事のある大道芸人の方と今回のジャパンツアーで知り合いになって、「絶対受けると思うから行った方がいいよ!」って。これは行くしかないだろって決めました(笑)。

日本では、お盆の8/11〜8/17の一週間くらいツアーするかもしれません。まだ未定ですけど。(笑)

 
 

Edward V. Jackson-URBAN FUNK MACHINE
EDO(Edward-V.-Jackson)

 
 

| ゴールのないツアー

 

EDO お盆に帰ってくるよ(笑)!行く場所は一応全部リストアップされていて、 南アフリカ、ドイツ、アメリカ、ニューヨーク…。でもそれには、1個前のツアーが成功しないと行けない。

 

————ステップを一段ずつ登っていく、ということですね。

 

EDO そうだね。次はフランスに行く予定なんだけど、日本でのライブがうまく行かなかったらプランを変更しなくちゃならなかった。だけど今回は、ちゃんと資金が稼げたと。うまくいったと。でも、もしフランスで資金が稼げなかったら、そこでまたプランを変えなくちゃいけない(笑)。

 

   ということは、ツアーにゴールは無いのですか?

 

MASA そうですね。色んな所でやりたいです。上手く行く限り、ずっとやり続けます。

 
 

The Machine KAIDA-URBAN FUNK MACHINE
The Machine KAIDA

 
 

| テクノロジーの進化と、音楽の進化

 

   EDOさんは、最初はタップダンスのみでストリートライブをしていたそうですね。いつからiPadで演奏し始めたのですか?

 

EDO ちょうど6年前ぐらいじゃないかな。iPad4がでたとき。

 

MASA 結構前だね。

 

   ギター、キーボード、色々選択肢はありますよね。どうしてiPadなのでしょうか?ストリートというところがポイントですか?

 

EDO 良い質問だね(笑)。現代の子どもたちってなんていったらいいんだろう、テクノロノジーの中で育っている。やっぱりギターとかトラディショナルな楽器よりは、iPad の方が見慣れているし、彼らの注目を浴びるのにはそれが一番じゃないのかと。

 

   なるほど。

 

EDO テクノロジーの進化がこれだけ早いから、音楽を書くことはそれと同じぐらい新しい状態でないといけない。だからiPadでプレイしている。でも、まぁスト リートで僕たちが演奏する事は、昔から音楽をしている人たちのスタイルと変わらないから、昔からのエレメント、要素はあるよね。それが現代風にアレンジされているという話。

 
 

| “FUNK”を若く新しい世代へと伝えていく

 

———やはり「ストリート」という場所にコダワリがありそうですね。

 

MASA 屋内でやることにも抵抗はないですけど、道でやるほうが時間や、場所、曲のセットを決める制限もないし、より純粋に自分たちのスタイルで演奏するには、俺達にとってはストリートが一番あっているということです。

 

   URBAN FUNK MACHINEのフライヤーに記載されている「古くからの “FUNK”を受け継ぎ、若く新しい世代へと”FUNK”を伝えていく使命」。ストリートで演奏するのは、この使命とも関係してそうですが。

 

MASA それもありますね。EDOの作曲や演奏はいつも新しいスタイルなんですけど、コアな部分は昔からかわらない。新しい方法で、今の世代の人たちに昔のファンクを伝えている。

 

   先日行われた西武新宿前のストリートライブでは、小さな子どもがEDOさんと踊り出していましたね。

 

EDO 僕らのショーは、路上でただギターを弾くのではなくて、 オーディエンスも一緒に参加できる。 それがFUNKの起源だから。小さなクラブで一緒に汗をかいて、演奏して、ダンスをするのがFUNKの昔からのスタイル。


 

   それが路上であるか、クラブ、ライブハウスであるかの違いですか。

 

MASA どっちでもいいですけど、俺たちは路上の方がよりピュアに伝えられるということですね。俺達が演奏するときいつも心に思っていることは、みんなが音楽で集まってハッピーになってもらえたらいいなということ。それは、西武新宿前の演奏の時に証明できた。あれが俺らの理想っていうか目標ですね。

 

   しかし、iPadはやはり無機質というか、思いを伝えにくい部分があるので はないのかなと考えます。そういう面でも、アナログなタップダンスを融合させたのでしょうか。

 

EDO 良いクエッションですね(笑)。iPadをギターやベースみたいに弾くのはす ごく難しい。滅茶苦茶簡単にみえるかもしれないけれど。それとは別に、実はバッキングトラックみたいなのをiPadで流しているんだ。

 

MASA それをドラムである俺が聞くと。ドラマーにとって、演奏中にクリックを聞きながらやるのは嫌なことなんですけれど、それをそんなふうに感じさせないように叩く、演奏する。俺達の気持ちをコンピューターのマシンに込めるという。あんまり他のミュージシャンはやらないことかなと思いますが。

 

EDO 昔のFUNKを再現しようとしたとき、ただ演奏するだけでは「再現するだけ」になってしまう。新しい世代に伝える為には、アナログな昔のFUNKとipadのような現代の技術と組み合わせて表現することが重要だと思う。それが僕達がやろうとする、「若く新しい世代へと”FUNK”を伝えていく」部分に繋がっているんじゃないのかな。

 
 

URBAN FUNK MACHINE 2

 
☞ 次のページでは、EDOからインタビュアーへの質問も飛びだします。


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