2016-08-14 12:30

FUNKは時代を超えられるのか!?東京のストリートから世界へ、URBAN FUNK MACHINE “BUSKING WORLD TOUR 2016″インタビュー

URBAN FUNK MACHINE 1

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| お互いを知る音楽

 

   URBAN FUNK MACHINEにはセットリストや曲といった物がないように感じます。

 

MASA お察しの通り、セットリストというものは特にないです(笑)。ただ、いつ も演奏を始める時に最初にやる曲だけは決まっていて、それは「GO GO」と言う曲です。 アップテンポでノリが良く、掴みとしては最高の曲なんですよね。大体この曲で通行人の人たちは、「何だ何だ!?」ってなりますから(笑)。

 

   1曲目以外はアドリブなんですね。

 

EDO 僕らには、昔ながらの音楽、入念に曲を書いたり、入念にリハーサルを続けて練習するというのは全然重要ではない。ようは、どれだけお互いの事をしっかり知れるかが重要なんだ。

 

   お互いというのはオーディエンスもですか?

 

EDO 僕ら2人もそうだし、オーディエンスと僕らもそう。お互いを知ることが演奏につながっていく。次に何くるのかなぁって予想させたいし、そういうびっくりさせる方が好きだし、それには一番アドリブが適していると思う。

 

   その時とその場所、お互いの状況で音楽や演奏が変わる。それがコアだと。

 

MASA 彼が言ってるのはそういうことですね。

 
 

 
 

| 昔からのやり方ではなく、どんどん新しいものを取り入れる

 

EDO ちょっと聞きたい事があって、今のテクノロジーとかによって、若者が集中する時間は減っていると思う?

 

   はい。そうだと思います。

 

EDO その集中力がないってことだけど、集中力が短くなったっていうのは その、僕は君たちより年いってるけど、明日で誕生日だけど…

 

   え??

 

MASA 明日で49歳らしいです(笑)

 

   おめでとうございます!

 

EDO (笑)。その集中力がないってことだけど、僕や昔の人たちはちっちゃいころからレコードを買って、それをずっとまるまる聞いていた。でも今は1曲ずつ買ったりしている。これは僕達が路上でしかCDを売らないっていうのにもちょっと関わるかなって思っている。
昔からの売りかたじゃあ、音楽は絶対に売れない。じゃぁ、僕達のCDを買ってもらう為にはどうしたらいいのか。とにかくストリートライブでオーディエンスに興味を持ってもらう。そして僕達の演奏で、僕達の曲に集中してもらう。まるまる聞いてもら事で、初めてCDが売れる。 集中力がないのならば、集中させる技術や、工夫が必要だと思うんだ。

 

   iPadを使用している事とか、ですよね?

 

EDO そうそう。

 

   確かに若者の集中力は減少したように感じますが、今の若者は好奇心が旺盛かなと感じます。

 

MASA そういうことですね(笑)。

 

EDO 現代人の好奇心というか、新しいものへの注目は上がっている。だからこそ、昔からのやり方ではなく、どんどん新しいものを取り入れると。まぁ、それによって反感をかったり、決めつけられたりするかもしれないけれど、僕らがライブをすることで証明してくと。

 
 

URBAN FUNK MACHINE 3

 
 

| 音楽っていうのは鏡みたいみたいなもの

 

   その話はバンド名の由来にも関わってきそうですね。

 

EDO バンド名をずっと考えていた時に、パって鏡を見たんだ。そのときに、パッとURBANという言葉が浮かんだ。

 

   URBANというと?

 

MASA URBANというのは日本語にすると都会、都会的という意味になるんですが、スラング的な意味で…そのなんでしょう、都会的といいつつも…治安の悪いところ。 都会だけれども、ニュースでとりあえげられると、「あーまたあそこの地域ね」っていう感じになるところです(笑)。

 

EDO 鏡で自分をみていたときに、ぱっと浮かんだのが思いついたのがURBANという言葉。

 

MASA もちろん皮肉込みですよ(笑)

 

EDO そして僕達はFUNKをやるから、FUNKを入れた。

 

   となるとMACHINEは?

 

EDO iPadで4年間も演奏しているのに、APPLEは一回もロイヤリティを払ってくれない。だからURBAN FUNK iPadじゃなくて、コンピュータ ーってことでURBAN FUNK MACHINE にしようと考えたんだ。

 

   (笑)。もし、APPLEがロイヤリティーを払っていたらURBAN FUNK iPadに?

 

EDO (笑顔で首を横に振る)

 

MASA URBANっていう言葉はあんまり良くない言葉で、「教養がない」みたいなネガティヴなイメージなのに、ドラムセットに「URBAN」って書いてある。

向こうの人は日本人がドラムを叩くなんて思ってもないんですね。EDOや俺を見て、どうせラップでもするんだろって思ってるところに、iPadを使ってタップダンスをすると。ギャップがあるわけですね(笑)。俺達は意図してやっているわけではないんですが、いろんな期待をいい意味で裏切ってる。それが全部結果として面白くなっていっていると。

 

EDO それがURBAN FUNK MACHINEの面白い部分であり、意図的ではなくとも、裏の裏をかいていくというコンセプトでもあるんだ。トリッキーにしようとか思ってないんだけどね。

僕は音楽っていうのは鏡みたいなものだと考えている。演奏することで、僕達がどんな事に影響を受け、どんな事を考えてきたかが「音楽」という鏡に全部うつる。だから結果として、URBANの意味と演奏のギャップのように、意図せず面白い方向になっていくと。それが僕達の音楽だと思うんだ。

 

   最後に、今後の意気込みを教えてください。

 

MASA 俺の想像を超えるくらいの状況に今はなっているのであとはどれだ け紳士にやって、どこまでいけるか。そしてその結果を受け入れられるか、と 思います。

 

EDO 音楽をやり続ける、僕らの音楽活動をし続ける、ということだね。

 
 

URBAN FUNK MACHINE リリース情報

 
URBAN FUNK MACHINE 4

 
1st CD/DVD URBAN FUNK MACHINE
(路上でのみ購入可能)

 


EDO-URBAN FUNK MACHINE

 
Edward V.Jackson(EDO)

iPad,タップダンスを担当。サンフランシスコで20年間ストリートライブを行い、ストリートライブのみで生計を立てる。

 


The Machine KAIDA-URBAN FUNK MACHINE

 
The Machine KAIDA(MASA)

1983年東京都生まれ。20歳で アメリカ、サンフランシスコ(SF)に渡り語学と音楽を学ぶ。 SFで多くのバンド、セッション活動を経て、2008年にロスアンゼルス(LA)はハリウッドに本校を構えるMusicians Institute(M.I)に入学。Jeff bowders、Chuck Silvermanなどの多くの著名ドラマーから指導を受け、2010年に卒業。同年夏からアメリカツアーバンドのサポートを開始し、1年間でアメリカを3度横断するツアーを経て日本に帰国。

現在は、YAMAHA音楽講師としてドラムを教えながら、自身のバンドLYLABOOPSを中心にサポート、セッション、ストリートパフォーマンスなど、精力的に活動中。

 

このインタビューは、音楽ライターのトム氏に寄稿していただきました。

 

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