2016-05-02 22:00

笹口初の祝祭バンド!? 4月2日に1stアルバム『TOMORROWISLAND』をリリースした笹口騒音オーケストラにインタビュー

笹口騒音オーケストラ-top

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| 突然新しいことをしたという気はなくて、太平洋不知火楽団〜うみのてを経てこれになってる

 

   アルバムの話を伺いたいのですが、タイトルの「TomorrowIsLand」とはどういう意味なんですか?

笹口 ウォルト・ディズニーがディズニーランドの次に造ろとしてたテーマパークの名前が「TOMORROWLAND」らしくて、そこから付けました。Islandにしたのは、日本が島だから。TOMORROWLANDはアメリカのですけど、TomorrowIsLandは日本のことです。

ジャケットも「東京がテーマパーク」みたいな感じで描いてます。赤青のメガネで見ると飛び出してくるようなジャケットにしました。まだメンバーも誰も試してないんですけど(笑)

 

   このアルバムはみなさんにとってどういうアルバムでしょうか?

 

加藤 先ほどと重複しますが、本当に祝祭感が強いですね。夜に聴くのもいいですが、晴れた休みの日の昼間にでも聴くとすごく気持ち良くなれそうなアルバムです。

 

大林 1曲1曲バラでじゃなくて、ちゃんとアルバムとして最初から最後まで楽しんでいただける作品だと思います。曲順も結構吟味して決めたので、アルバムの中で季節の移り変わりがあって、そういう侘び寂びを感じていただけたら嬉しいです。

 

雨ノ地 ロックバンドばかりやってたので、自分的にはめちゃ新しい感じですね。

 

笹口 晴太郎さんは結構バリバリなドラムなんですよ。結構セーブさせてもらってます。

 

雨ノ地 そこに俺は面白さを感じてますね。ドラムってもっと繊細な楽器だし、いろいろ勉強して出来たアルバム。「NEW MUSIC,NEW LIFE」とか、同じフレーズがずっと続いてるんですけど、抑揚がすごいあるし。広がっていく感じというか、高揚感が強いですね。

 

加藤 メンバーそれぞれにキャリアがある中で「笹オケみたいな音楽」をやってきた人っていないと思うんです。このアルバムでは、各メンバーの既存の音楽を聴いてきた方にも、違った魅力を楽しんでもらえると思います。

 

たなか 笹口さんの曲って、山手線じゃなくて「うみのて線」があって、島があって人魚がいて…、みたいな、日本ぽいけどちょっと違う別の物語の世界があって、私はそれがすごく好きなんです。今回のCDにはいろんな音が入っているので、そういった風景とか物語のイメージがたくさん湧くんじゃないかなという気がしますね。スピーカーで大きい音で聴くのもいいし、ヘッドフォンやイヤフォンで聴くと右と左で違う音が聞こえてきたりして、耳が楽しいアルバムなんじゃないかなと思います。

 

   笹口さんはどうですか?

 

笹口 僕の中では突然新しいことをしたという気はなくて、太平洋不知火楽団〜うみのてを経てこれになってる。うみのては世界の終りというか破滅的なんですけど、それの再生装置みたいな。だから、笹オケで初めて笹口の音楽を聴いた人は、笹口の歴史をたどっていったら、「ああ、こういう流れできたのね」っていうのがわかるんじゃないかと思います。

 
 

たなか沙織
たなか沙織(Tp)

 
 

| 最終的に「GO」を出すのはわたしですけど、あとは好きに泳がせてる(笑)

 

   レコーディングの裏話があれば教えてください。

 

笹口 実際はひとりひとり録音してるんですけど、建前では全員で「いっぱつ録り」ってことになってます。

 

全員 そんなわけない(笑)。

 

加藤 「CARNATION」と「MARMEIDREAM」は、曲が出来上がっていないまま録音を始めました。

 

たなか 録りながら作っていった感じですね。録音された楽器が増えて、大林くんが編集したのを聞かせてくれるたびに「あっ、こういう風になったんだ!」って。

 

大林 出来上がったのを聞いて、全員が自分が何をしてたのかわかったという。

 

笹口 「CARNATION」って曲は、ずっといろんなバンドで試そうとしてできなかったもの。歌詞もずっとなかったんですけど、結局中国語になったという(笑)。

 

大林 70年代くらいベルギーのバンドでYamasuki Singersっていうのがいるんですけど、そのヤマスキが変な日本語で日本っぽい曲をやるんですよ。「コノサムラ〜イ♩」みたいな。ダフトパンクのお父さんがいたバンドなんですけど。あの曲のインチキ中国感というか、インチキエキゾ感みたいなのが「CARNATION」では出来て気に入ってますね。

 

Yamasuki Singers – Kono Samourai

 
 

加藤直喜
加藤直喜(Tp)

 
 

   これだけ人数が多いと、アレンジとか大変なことも多いと思いますが。

 

笹口 僕がこれまでやってたギターバンドと違うのは、新しい曲を合わせてる時にホーン隊があんまり吹きたがらないことですかね。ホーン目線でいうと、ずっとホーンが鳴ってるのが嫌なんですって。

 

加藤 管楽器は基本的に音が一度に1つしか出ないので「とりあえずコード(和音)鳴らして」ということも出来ず、歌やリズム隊の音の選び方を聴いてからでないとフレーズが作りにくいところがありまして・・・。

 

たなか 曲全体の中のどこでホーンが入れば一番いいかとか、逆にここはホーンよりこっちの楽器を聴かせるのがいいんじゃないかとかを考えながらまず様子を見る、みたいなところは結構あるかもしれないですね。

 

笹口 でも、基本的にみんな目立ちたがりなんですよ。アドリブ入れてっ言ったらすぐに入れてくれるし、あまり深く考えずにやってくれるので、その点はすごくやりやすいですね。ソロを弾いて(吹いて)ていったら「それ来たっ!」て嬉しがってやってくれるがいいですよね。

 

雨ノ地 一番目立とうと思ってやってます!

 

たなか それでいてバランスとるのがみんな上手で、やっぱりこれまでのキャリアがあるんだなって思いますね。誰かが目立ってる時に他の人がきちんとバランスをとってる。そうしてるうちに「今の採用ね」みたいになって作っていってますね。

 

加藤 みんなが自由に演奏したものを聴いた上で「このフレーズがいいね」といったディレクションを笹口さんはちゃんとしてくれます。

 

   なるほど、笹口さんがまとめ役なんですね。

 

笹口 それぞれありますね。リズム担当だったら晴太郎くんがやって、チューニング担当もいたりね。こだわるところがそれぞれ違うから。最終的に「GO」を出すのはわたしですけど、あとは好きに泳がせてる(笑)。

 

   ちなみにチューニング担当は?

 

雨ノ地 今日はいないですけど、西山小雨ちゃん。

 

大林 管楽器隊だと加藤さんが。練習に間に合わなかったメンバーに譜面を作ってあげたり、吹奏楽部の顧問みたいに頼もしいです。

 

   そうすると、笹口さんは指揮者の役割ですか?

 

笹口 そうですね。歌も歌わなくてもいいかなと思ったり。もちろん歌いますけど

 

大林 だいぶ身軽になったもんね。ギターとウクレレをずっと弾きっぱなしじゃないし。

 

笹口 自分の負担があまり多くないっていうのが嬉しいです。

 
 

雨ノ地晴太郎
雨ノ地晴太郎(Dr)

 
 

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