新春バーチャル対談!hoshioto代表・藤井裕士 × UROROS編集長・きたはらふひと
新年明けましておめでとうございます!
2015年8月1日に始まったUROROSですが、お陰さまで4回目のお正月を迎えることができました。読者の皆様、ニュースをお寄せくださった皆様、本当にありがとうございました。
本年もよろしくお願いいたします。
新しい年を迎えるにあたり、岡山の完全インディペンデント野外フェス『hoshioto』を主宰する藤井裕士さんをお迎えしてバーチャル対談を行いました。
2018年はどんな年だったのか、今年の音楽シーンは?、藤井さんが主催するフェスについて大いに語り合いました。そして、私きたはらが院長(代表)を務める『廃病院パーティー』についても語らせていただいています。
| 岡山のお雑煮には穴子が入ってる?
きたはら 明けましておめでとうございます!本年もよろしくお願いします!
藤井 あけましておめでとうございます!こちらこそ本年もよろしくお願いいたします。
きたはら かんぱーい
藤井 平成最後のお正月にかんぱい!
きたはら お節美味いですね〜。それにお雑煮!岡山のお雑煮は穴子が入ってるんですよね。
藤井 え!そうなんですか?うちは入ってないですよ(笑)。僕が住んでいるところは広島県と県境だから違うのかな??てか、よく知ってますねそんなこと!
きたはら 母が岡山出身で。毎年、祖母から穴子が届くんですよ。海沿いの町だからかな。
藤井 あ!お母さんが岡山出身って以前に言われてましたよね。穴子は場所によるのかな?興味深い!(笑)
| 2019年の音楽シーンは?
きたはら 僕の中での藤井さんはhoshioto、machioto、JOKAFESと1年中フェスを開催しているイメージなのですが、昨年2018年はいかがでしたか?
藤井 そうですね、とにかく例年思いますが疲れますね(笑)。その分、経験値はめちゃくちゃあがっているような気がします。そして、言葉には上手く出来ませんが、どのイベントもその先が見えた気がします。まだまだ可能性を持っているイベントだなと特に去年は思いましたね。
あと、昨年は西日本豪雨があって、目の前で色々な事が起きて、ライブハウスのイベントも中止せざるを得ない状況になったりして、色々考えさせられるのと、日常を普通に過ごせる素晴らしさを知った気がしますね。
きたはら 西日本豪雨、本当に心配でした。日常を普通に過ごせる、これってフェスをやる上でもすごく大切で、平穏な日常があるから祝祭としての空間が成り立つんですもんね。
藤井 あの災害後、沢山の方から連絡が来ました。生きてるか?って連絡から支援したいって声もあったり本当に有難かったです。日常があるから非日常の空間が更に有り難いって感じるんだと思います。
きたはら 2019年のインディーシーン、藤井さんからみてどんな流れになりそうですか?
藤井 そうですね。ここ最近だと4つ打ちロック、シティーポップとか分かりやすい流れってあったと思うんです、2019年は逆に複雑というか多種多様な流れが来るんじゃないかなと。なんとなく、このアーティストは今年行きそうっていうアーティストを数組チェックしているんですが、ジャンルと言うか音楽性がバラバラなので面白い気がします。
きたはら チェックしているアーティストとはどなたでしょうか?どなたが今年来そうですか?
藤井 来そうっていうのがどれくらいっていう感じになるのかちょっと難しいですが、数組いますね!もう僕のイベントにも出演してくれるアーティストさんもいますが5組上げるなら以下の5組は今年注目しておいてもらいたいかなと思います。
TENDOUJI
The Songbards
ズーカラデル
中村佳穂
超能力戦士ドリアン
TENDOUJI – THE DAY (MV)
The Songbards – Inner Lights (Official Video)
ズーカラデル “漂流劇団” (Official Music Video)
中村佳穂 SING US “忘れっぽい天使 / そのいのち” (live ver)
超能力戦士ドリアン「ヤマサキセイヤと同じ性別」
きたはら ズーカラデルさんは僕も大注目です。昨年くらいから北海道のバンド/アーティストが熱いなって個人的に思ってます。
藤井 北海道のアーティストさんって面白いって昔から思ってました。ジャンルがバラバラというかそれぞれのアーティストさんが個として立っている感じがします。それぞれが独創的で。過去にイベントでsleepy.ab、The Floor、Chima、THE BOYS&GIRLS、等に出演していただきましたが、まさにバラバラ(笑)他に有名なところではサカナクションいたりeastern youthいたり更にはGLAYまでいますもんね。母体が大きいってのもあるとは思うんですが、北海道って何か新しいものを作るっていう文化があるのかもしれません。あと、あげている中村佳穂ちゃんは天才なので、ライブを見てもらいたいです。本物です!
逆にきたはらさん的に2018年はメディアとして色々とシーンを見てこられたと思いますが、どうでした?気になるアーティストさんいます?
きたはら 2018年のシーンというわけではありませんが、UROROSを始めてからそれまであまり聴かなかったSerphさん、Gutevolkさん、Frascoさん、Utaeさんなどの電子音楽アーティストに注目するようになりました。スッパマイクロパンチョップさんのボカロ作品もすごく良かったです。
それと、CLOWさんや小棚木もみじさんなど弾き語りアーティスト、藤井さんも挙げていたズーカラデルさんやbjonsさんなどのフォークロック的流れを組むバンドも良いですね。大きなシーンが作られていくかはわかりませんが、UROROS的に大プッシュです。
藤井 その電子音楽アーティストって全く知識ないのでご存知ないアーティストばかりなのでチェックしてみます!ボカロアーティストとかって音楽業界とはまた一線を介しているような感じで面白いですよね。
きたはら ボカロ曲って全く馴染みがなかったのですが、聴いてみると当たり前ですが作家さんごとに音楽性は違って、聴かずにイメージしてたより何百倍もバラエティに富んでいて面白いんです。それに気づくキッカケとなったのが、やっぱりスッパマイクロパンチョップさんが監修した『合成音声ONGAKUの世界』というコンピでした。
Serph – shine (LIVE) / from Serph 2nd Concert “NEURAL MAGIC”
Gutevolk “声飛行” (Official Music Video)
Frasco「Era feat. ASOBOiSM」MV
Utae「Supersonic」
suppa micro pamchopp – カウスデンカンベンディー
CLOW – 普通(Unplugged演奏映像)
小棚木もみじ『メリミー』MV
5/30発売 bjons(ビョーンズ) 1stアルバム「SILLY POPS」トレイラー
V.A.『合成音声ONGAKUの世界』ティーザー
| 藤井さんとの出会い、そしてhoshiotoについて
きたはら 藤井さんと出会ったのは確か2012年でしたよね?当時僕は、某サッカースタジアムで行われていたフェスの共同代表を1年だけやっていたんです。
藤井 2012年にhoshioto初開催にあたってちょっと熱い想いをブログで書いてて、それをきたはらさんが見つけてくれたんですよね~。メール来た時は驚きました!(笑)フェスティバルをやるについて右も左も分からなかったから色々と教えてもらったように思えます。
きたはらさんは廃病院パーティーとはまた全然違うイベントをやってましたね。
きたはら あのフェスは規模が大きくて、わからないことだらけでとにかく大変でした。でもすごく良い経験になって、あのフェスがあったから廃病院パーティーをやることができたって思っています。
あの時は僕もフェスを主催するの初めてだったので、藤井さんに何度も電話させてもらって、お互いに相談したり励ましあってましたよね(笑)。そんな出会いからもう7年ですよ。早いですねー。今年もhoshiotoの開催が決まりましたね。6月1日(土)ですよね?
藤井 もう7年ですか!!早いというかなんというか(笑)。色々と相談させてもらっております!おかげさまで8回目のhoshiotoが開催を発表させてもらいましたー!6月1日(土)です!場所は去年と同じで岡山県井原市青野町葡萄浪漫館にて開催します!運動会とは多分、被らないので家族できてもらいたいです。
きたはら 2018年は運動会と被りまくったんですね!それは辛い!そうそう、今回もクラウドファンディングに挑戦するというニュースも流れました。
藤井 クラウドファンディングでお金を集めるってだけじゃなくて、色々な人にhoshiotoを知ってもらうというきっかけをクラウドファンディングで出来ればと思ったりしてます。まあ、資金面とか人材面とか毎年大変なので、クラウドファンディングで助けてもらっております。
きたはら 昨年はハンモックを吊るしたり、キャンプを拡大したりと、より家族や友人で楽しめる総合フェスへと進化した印象を受けました。今年のhoshiotoはどんな感じになりそうですか?
藤井 そうですね、去年はかなりベース的なものが出来たのでそこから更に発展させたいと思ってます。家族で参加しやすく、且つ一人で来ても楽しめる場所を作る予定です。もう既に会場の開拓をしてて、ステージ広げる為に林とか切り開いたりしてます(笑)
きたはら うわ、すごい!開拓者だ!フェスが場所を作っていくという意味では、それこそフジロックのようですね!ひとりで来ても楽しめるっていうのも個人的にありがたいです。hoshiotoは今年で8回目ですが、続けていくのってある意味はじめることより大変だと思うんですよ。続けてこれたモチベーションは?
藤井 ぶっちゃけ、何度もやめようと思いましたし、モチベーションが下がる事はしょっちゅうあるんですよ。でも、僕が頭の中で描いているものがまだ全然出来てなくて、それを作り上げたいっていうのがモチベーションの根底にあるんじゃないかなと。あとは開催場所の井原市青野町に住んでいるおばちゃんとかおじさんとかが「また来年も期待してるで!」って言ってくれるのもモチベーションに繋がってますね。
今年に関しては日常を取り戻す為に、当たり前のように開催する!っていう裏テーマもあったりしますけど。
きたはら 「日常を取り戻す為に、当たり前のように開催する」これってすごくチャレンジングなことなんじゃないかと思います。僕も当たり前のようにふらっと遊びに行きたいですね。でもその前にmachiotoですよね。こちらはどんなフェスですか?
藤井 machiotoは岡山市内でチケット一枚をリストバンドに交換して、沢山の会場を自由に行き来出来る、いわゆるサーキットイベントです。岡山へ刺激を、そして地元バンドへも刺激をとの想いで開催してます。今年は2月10日(日)に開催します!若手アーティストが多いので、お客さんには新しいアーティストとの出会いをしてもらいたいなと思ってます。有り難いことにこちらはチケットの売上がかなり順調なので、ソールドアウトする可能性も高くなってます。
きたはら machiotoは毎年「中国地方限定オーディション」も開催されてますね。これって「全国で活躍するバンドに負けてらんないぞ!」って地元のバンドマンの皆さんが奮起する、すごく良い刺激になってるんじゃないかと思います。ひとつのフェスがその街の音楽シーンの起爆剤になるのって東京にいたらなかなか想像できないですけど、確実に今、日本全国でムーブメントが起きてますよね。それもお役所や企業が主導するのではなく、藤井さんにような人たちがムーブメントを作ってる。
藤井 お役所や企業はどうしても、赤字はしたくないし、儲けっていうのが先行すると思うんですよね。僕みたいに赤字になっても面白いことやりたいって思える人が、案外全国には多いんじゃないかなと思いますよ、正直しんどいけど(笑)とりたてて、関西の若手音楽シーンが凄く面白くて、良いバンド多いんです。で、その原因の一つにサーキットが沢山あって、色んな刺激が与えられている気がしてて、岡山ではサーキットがほぼなくて、machiotoをきっかけに岡山に行ってみたいっていうアーティストもいてくれるのでありがたいです。
きたはら 関西の若手シーンには要注目ですね!そして、関西というか西日本フェス界隈の連動の動きにも注目してます。フェスの主催者さん同士がお互いのフェスに参加したり、手伝ったり、出店したりしてますよね。東京で見ていて、正直羨ましいです(笑)。
藤井 関西はかなり成熟しはじめた感じなので今後更にどうなるかは期待してます。あと、西日本のローカルフェスティバル主催者の横の繋がりは面白いですね。参加したり手伝ったりね。hoshiotoでもITAMI GREENJAMに装飾やってもらったり、ONE MUSIC CAMPにドラム缶風呂で出店してもらったり、あとFATCAMPに授乳室用のテント貸してもらったりしてます。
でも、みんなそれぞれ独自のフェスティバルを作り上げているの深く介入まではしませんが助け合ったり励まし合ったりはしてます。
きたはら ぐぬぬ…羨ましい。僕もその繋がりに交ぜてください(笑)
| 4年ぶりに廃病院パーティーが復活します
きたはら 僕も1月19日(土)に東京で廃病院パーティーを4年ぶりに開催することになったんですよ。
藤井 4年ぶりって凄いですよね。なんで4年空いたか?とか聞いてもいいんですかね?
きたはら いやー、別に隠すことでもないですし(笑)。4年前に建物を管理している人に「今回で最後にしてくれ」って言われたんですよ。元々は本当の病院だし、今は撮影スタジオなので、建物自体が音楽イベントをやるようにはできてないんです。だけど、4年も経ったしもう1回やらせてくれないかなってダメもとで電話したら「いいですよ」って(笑)。それで4年ぶりに開催することになりました。
藤井 空いた理由はそういう事なんですね!しかし、4年後にOKってなんか凄いですね~。廃病院パーティーって、イベント名にあるように廃病院でやっているんですよね。内容はどんな感じなんですか?
きたはら もともとが本当の病院だったので、病室や診察室や手術室や集中治療室なんかがそのままで残されているんですよ。撮影スタジオとして少し改造されているので、教室やBARもあったりします。それらの部屋を使って、音楽ライブ、お医者さんごっこ、落語、ホラーイベント、覆面マッサージ、映像上映、授業、トークショー、仮装コンテスト、プレゼント交換会なんかを行います。もうゴチャ混ぜで、文化祭みたいな感じです。
藤井 なるほど!場所の面白さと文化祭的な面白さがごちゃ混ぜって感じなんですね!文化祭って感じは凄くいいなあ~手作りのフェスティバルって最高だと思います!
きたはら 先ほどのフェス同士の交流に近いかもですが、兵庫の野外フェス『ONE MUSIC CAMP』の主催チームが「フェスの作り方」の授業をやってくれることになったんです。フェスを始めてみたい、フェスを開催してみたけど他のフェスがどんなやり方で運営してるのか気になるという方はぜひ受講してほしいですね。
藤井 僕も受講してみたいな~、彼らどんな授業をするのか見てみたいな、謎のプレッシャーを与えたい!(笑)そういえば、今年はどんな出演ラインナップになっているんですか?またラインナップは誰が決めているんです?
きたはら 僕も含めたブッキングチームで決めてます。バンドマンだったり、ライブハウスのブッキングマネージャーだったり、学生イベント団体出身者だったり。毎回そうですが、今はもしかしたらまだあまり知られてないかもしれないけど、もっともっとたくさんの人に聴いてほしい/知ってほしいアーティストを中心に声をかけさせてもらってます。
藤井 過去にあの時知らなかったけど、大森靖子とか出てましたもんね!今思えば、そんなカオスな場所で見れたのはかなりレアかも!他のフェスには負けない!っていうものってありますか?
きたはら やっぱカオス感ですかね(笑)。カオスということは、外から見たら「混乱」って映るかもしれないんですけど、お客さん個人個人でそれぞれの楽しみ方ができると思うんです。ライブを見るもよし、お医者さんごっこで患者として楽しむもよし、授業や落語を聴いてもよし、マッサージを受けてもよし。2013年の第1回ぶりに行うことにった「お医者さんごっこ」もヤバイです。これぞTHE廃病院パーティーっていう感じで、僕も「院長」として診察させてもらうことになりました(笑)
藤井 お医者さんごっこはヤバイですね!めちゃくちゃ体験してみたい(笑)こればっかりは確かに誰にも真似できないって感じがします。(笑)普通、元病院を使ってフェスティバルをしようって発想が生まれませんから!
ただ、やる!って決まったら色々とワクワク感は沢山ありそうですよね~。「廃病院パーティー」ってタイトルだけで色々な想像が出来て、実際行ったらそれ以上の面白さもあるという!
きたはら 会場の玉井病院はありえないような非日常の空間で、下見に行くだけでワクワクが止まらなくなるんです。そんな場所でライブも見れちゃうし、文化祭のようにいろいろな体験ができる。今は毎日が忙しくて目が回るようですけど、ワクワク感だけを原動力に動いてるって感じです。
でもそれは、hoshiotoやmachiotoもほんとそうだし、主催者もスタッフも出演者もお客さんも一緒にワクワクできる体験っていうのが、手作りフェスの醍醐味ですよね!
| 来年は冬キャンプで(笑)
きたはら 藤井さんとのお正月対談、すごく楽しかったです!来年もぜひやりましょう!
藤井 そうですね!是非やりましょう!今度は年末とかに今年一年締めくくって!みたいな感じでも面白いかもしれませんね~!今度は鍋囲ってやりましょう!
きたはら じゃあ、年末に藤井さんのお家にお邪魔しちゃいます!お鍋楽しみです。ありがとうございました!
藤井 いや、キャンプしましょう!冬キャンプ(笑)。ありがとうございました!
廃病院パーティーVOL.4 ※病室使用団体、授業や映像上映、パフォーマー、フードは公式サイトをチェック!
machioto2019 [中国地方限定オーディション通過アーティスト]
hoshioto’19 料金: 出演(第1弾発表時点): |
岡山県井原市在住。hoshioto実行委員会代表。
特に波風も立てず猫と犬と平穏に暮らしているUROROSの編集長。廃病院パーティーの院長(代表)でもある。人間的に終わっているが、それを他人に指摘されると怒る。最近、新しいスピーカーを買って音楽っていいなあと再認識しているらしい。読んでも読んでも終わらない長編小説が好き(指輪物語、ハリーポッター、新平家物語、私説太平記とか)。自分でも音楽を作ってみたいと思っているとかいないとか。 |
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