2017-02-15 20:01

第十四食『野方の羽根付き餃子定食』| 食漂譚~バンドマン東京グルメ紀行~


第十四食『野方の羽根付き餃子定食』

 

text & photo by 淋梅毒(Super Ganbari Goal Keepers)

 

僕が東京で面白いなと思うところは、一つ一つの駅ごとに表情が異なることだ。東京都は言わずもがな日本で一番人口が多い都市で、かつ鉄道網も世界的に見て大変発達しているので、駅の数も無数だ。そして、駅の周辺に形成される文化もそれぞれの場所で異なる魅力がある。

一方、僕の故郷富山では、多くの駅は単に乗降車するためだけの場所、という意味合いが強い。

 


※富山地方鉄道の岩峅寺駅。

 

 

もちろん主要駅では駅前が栄えていたり、舟橋駅(富山地方鉄道)のように駅舎と村立図書館を合体させる離れ技を披露した例などもあるが、

 
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/houkoku/06040715/012.htm
(文部科学省のサイトより)

http://www.huffingtonpost.jp/2016/01/04/funahashi-vill_n_8909360.html
(ハフィントンポストより)

 
基本的には車社会である富山では、駅は車で送り迎えに来てもらったり、学生が自転車を置いて通学に使うだけといった利用形態がかなり多い。また無人駅も多いので、やはり東京と比べると駅や駅周りの光景は、どこも同じようで退廃感がある。ちなみに決して東京と富山で優劣をつけているわけではないのでご理解いただきたい。

 

 

※車窓より。

 

さて、東京の駅は各駅でそれぞれ違う表情を見せると書いた。しかし、鉄道会社や路線によって、共通した雰囲気もある。例えば、西武池袋線では、椎名町・東長崎・江古田の三連の駅は降りた後の街の雰囲気が似通っているし、同じくJR中央線の中野・高円寺・阿佐ヶ谷も似ている印象がある。それはホームや改札が高架化されているかもしくは地上にあるかや、駅舎の形状にも左右されていると思う。

 
今回取り上げる野方も、沿線付近の駅と雰囲気が似ている。具体的に言えば、西武新宿線の野方・都立家政・鷺ノ宮だ。ホームの位置こそそれぞれ違えど、電車(線路)は中央線の高円寺~吉祥寺あたりの街と違い地上を走っているので、駅前には踏切がある。

その踏切を隔てて、北側にも南側にも商店街が伸びているのが、野方や都立家政の似たところだと思う(東京の他の地域では片側だけ賑やかな商店街で、一方は閑散としているところもある中で)。

 

この野方には以前の連載で登場したMelancholiaの原さんがかつて住んでいたりと、旧バンドメンバーとよく食べ歩きなどをした想い出の場所だ。

 
野方の商店街は常に賑やかだ。魅力的なお店も多い。ラーメン好きなら誰もが知る味噌ラーメンの名店・味噌麺処 花道や、国産小麦を使ったずっしり密度の濃い食パン専門店・一本堂、軒先で焼き鳥や揚げ物、中華弁当を売る惣菜店など、とにかく歩いていて飽きない。

 
そんな愉しい商店街を北に向かって歩いた外れ、新青梅街道に差し掛かると、『野方餃子』という店がある。

 

 

今までに何度もこの店の前を通ったが、これまでの連載を読んで頂いても分かる通り、僕はあまりお洒落な飲食店に縁がない。この野方餃子は、全面ガラス張り、内装や案内文も無駄なものがなく至ってシンプルかつシックで、なんだかハイソな方が集う雰囲気だ。ごちゃごちゃして薄茶けたメニューがいっぱい貼ってあり、若干油っぽい床の昔ながらの中華料理屋の雰囲気が好きな僕には、料理は食べてみたいけど中々入り辛かった。

 
ただし、2016年は蒲田餃子(皮が分厚く最高)をはじめ、一部で人気のホワイト餃子、後輩に教えてもらった東中野の餃子や獅丸(羊肉棒餃子と黒胡麻担々麺が非常に美味い)など、色々な餃子を食べてきたので、もはや躊躇ってはいられなかった。

 
先日、意を決して入ると、何のことはない、店員さんも丁寧かつ親切で、充分落ち着ける場所だった。そして餃子の方はというと、小ぶりだが肉・野菜の旨みもちゃんと感じられる、一本芯の通ったものだった。店員さんが事前に説明してくれる、たっぷりの酢に胡椒を三振りかけた酢胡椒たれにつけて食べる方法だと、なお餃子そのものの味がよく分かる。煎餅のような四角い羽も見た目、食感ともに心地よい。

 


※右端に見える小皿が酢胡椒たれ。

 

 

追加で頼んだ麻辣水餃子も、タレの味が濃く辛く、白ご飯が進む中毒性がある味だ。また今回、タイトルに「定食」と入れたのには訳がある。付け合わせのお味噌汁、漬物がここは本当に美味しいのだ。全く手が抜かれておらず、ちょっと感動してしまった。

 

 

付け合わせを食べてみるだけでも、充分来る価値があると思います。暖かくなった頃この店に来て、新青梅街道の風景が春らしく変わっていく様子を見ながら餃子を味わいたい。

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次回は、「大山・ハッピーロード商店街のパインクレープ」をお送りします。

 

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お知らせ

コラム『食漂譚~バンドマン東京グルメ紀行~』は、毎月15日をめどに更新する予定です。

 

告知

以前『第十一食 芝浦・焼肉はるみのセンマイ刺し』の回に登場した大学の先輩で鈴木企画・主催のタナカさんが、「つながりっぱなしの世界」というタイトルの、誰でも参加型のお茶会をやります。

 

つながりっぱなしの世界

 
日程:2017年2月25日(土)
時間:15:00開始
会場:喫茶室ルノアール 新宿大ガード店
住所:東京都新宿区西新宿7-1-1 新宿カレイドビル2F
※新宿駅西口より徒歩3分
主催・企画:鈴木企画

[予約]
rentaro0421inukoro@gmail.com(淋梅毒)

 
概要
携帯電話の登場・普及・進化により、我々の生活がどのように変わったのか、そして我々自身がどのように変わったのか、を考える会を開催致します。持ってこなくてはいけないものや、読んでこなくてはいけないものは特にありません。テーマに関し、何かを“話してみよう”、または“聞いてみよう”という気持ちがあれば、それが参加の資格となります。

 
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僕もケータイが大手3社になった頃から使用していて思うところがあるので、プレゼンしに行こうと思います。怪しい会ではないので、ぜひ警戒せず、気軽に遊びに来て下さい!(淋梅毒)

 

umezawa

淋梅毒(りん・ばいどく)
1986年富山県生まれ。Super ganbari goal keepersのドラマーとして活動中。
本年より自身のバンド「蜃気楼」を本格始動させるための準備に取り掛かっている。
学生時代はドキュメンタリー監督・森達也の元で4年間メディア・リテラシーを学ぶ。
https://twitter.com/officeRBD

 

SGGK

 
Super Ganbari Goal Keepers(スーパーガンバリゴールキーパーズ)
2011年に結成。略称SGGKとして都内で活動中。
アルバム「Cang Gang Pops(宦官ポップス)」が流通盤として、各レコード店で販売中。草食系にすら食われてしまう、植物系ロックバンドとして、音楽雑誌「SGGKマガジン」を作ったり、SODクリエイトの人気AV「しゃぶりながらシリーズ」に楽曲が採用されたりと、独自の活動を続けている。

現在OTOTOYで両A面シングル「レコードコレクターズ / 世界は俺を中心に終わっている」の配信と、特設サイト「SGGKメンバーが影響を受けた50枚」を公開している。

 
SGGK 公式サイト:
http://sggkeep.flavors.me/

twitter:
https://twitter.com/sggk_ganbari



SGGK代表曲「植物人間系男子」PV





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