第五食『明大前・もみじ屋の二郎系ラーメン』| 食漂譚~バンドマン東京グルメ紀行~
第五食『明大前・もみじ屋の二郎系ラーメン』
text & photo by 淋梅毒(Super Ganbari Goal Keepers)
明大前駅から歩いて10分、僕が大学在学中の2010年9月頃にその店はオープンした。やはりそこは男子学生、味にインパクトがありボリュームもある二郎系ラーメンを好きな人は結構いたので、「最近明大前にも二郎系出来たらしいぞ!?」なんてすぐに話題になった。
二郎系ラーメンの特徴や、その特異さにも関わらずメジャーな食事になってしまった経緯や理由などについては多くのラーメンブロガーが書いているので、ここでは記事のリンクを紹介するに留める。この連載では割愛する。
Cooking Maniac【二郎はなぜうまいのか?】
http://cookingmaniac.net/archives/24889182.html
3、4年生になってから移る御茶ノ水キャンパスには近くにラーメン二郎・神保町店があったり、その真向かいへ09年に用心棒というインスパイア系がオープンしたりと、割りかしガッツリ系ラーメンや、「まんてん」という大盛りカツカレーの老舗、ライス大盛りを食べきれば大盛代50円はサービスしてくれる「天丼 いもや」「とんかつ いもや」など有名な店が多かったが、明大前の方はそもそもラーメン屋自体もほとんどなければ、早稲田エリアのようにバラエティに富んだ学生メシ屋群に恵まれているわけでもなかった。
そうこうしている内に、周りの人たちがどんどん「この前もみじ屋行って来た」と言うようになる。結局、店が出来て2ヶ月後位に初めて行った。
明大和泉キャンパス右脇の、自転車でひしめく細路地を通ってゆく。
この曲がり角を曲がると、すぐに店だ。この位置で既に二郎系ラーメン店特有の匂いが漂う。
メニューは二郎系ラーメンのみというシンプルなもの。二郎と名の付くところは結構行ったが、ここはその中でも味のランクを付けるとしたら上の方だ。
他の二郎系の店と比べての特徴を挙げるならば、スープがやや甘じょっぱく、柔らか目に煮たヤサイと合わさってトータルとして丸みがある味で、食べ進め易い。
キャベツの緑で鮮やかな見た目の二郎もよく見かけるが、この店の一杯はほぼ茶色一色といった感じである。
店内では、同じバンドの3、4曲がずっとループで流れていた。店主の知り合いアマチュアバンドだろうか。
ちなみに味も良いし、大学が近くにあるのにもかかわらず、ここで行列ができているのを見たことがない。春日部「ジャンプ」や川口「桐龍」みたいな郊外型二郎インスパイアの店でさえ、かなり人が並んでいるというのに。誰かに焦らせられることなく二郎系ラーメンが食べられる、穴場かもしれない。
スーパーガンバリゴールキーパーズはギターの神宮司氏とベースの渡辺君が割と二郎系が好きで、練習がある時でも平気でニンニクトッピングを食べた後で来る。それを僕が「どこかで二郎食べたでしょ?」と機材をセッティングしながら問い正すのが恒例となっている。僕は次の日人と会う可能性のある時は絶対ニンニクは入れない。刻んだ生のニンニクは、想像以上に強烈な臭いだ。
加えて、「二郎系ラーメン」という食事自体、20代前半に比べて情熱を持って欲しなくなった。一か月に一度食べようか食べまいか、と逡巡を経てやっとのれんをくぐる程度だ。
油分や量というよりかは、完全にタレの濃さのせいだ。「カラメ」じゃなくてもしょっぱすぎる。注文するときは必ず味薄めの事前コールは近年は必須だ。
食事の趣向が、自分の年齢や体調に即して変わった最近の例だ。和食中心の、健康なおっさんバンドマンって、どうだろう?
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次回は、「恵比寿・リキッドルームに行く途中の海鮮丼屋」をお送りします。
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2011年に結成。略称SGGKとして都内で活動中。 現在OTOTOYで両A面シングル「レコードコレクターズ / 世界は俺を中心に終わっている」の配信と、特設サイト「SGGKメンバーが影響を受けた50枚」を公開している。 twitter: SGGK代表曲「植物人間系男子」PV |
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