shamanriyoインタビュー。音楽とサイケデリックスの親和性を見出す一夜
スウィートでドリーミーな音像と予測不能かつアグレッシブな展開を併せ持った唯一無二のロックバンド、Koochewsen。そのフロントマンとして活動しているriyo(Vo/Gt)さんが、なにやら最近いろんなソロ活動をしているぞ??
shamanriyoという名義での音楽活動はもちろん、タロット占いをやっていたり、はたまたYouTuberとしての顔を持っていたり……。
なかでもYouTubeは、合法トリップを題材に合法的にサイケデリックス(幻覚剤)を摂取してレビューをする”サイケ食べてみた”シリーズが好評を博しているよう。
実際に動画を見てみたところ、なんだかよく分からない危ないものという既存のイメージとは裏腹に、サイケデリックスの魅力を危険性も含めたうえで真摯に伝えている姿がそこにありました。
このインタビューのきっかけはサイケデリックスへの純粋な興味に加え、動画内でのひたむきな姿に惹かれて実現したものでした。
サイケデリックスって危ないものじゃないの?なんでそんな活動をしているの?音楽とどんな関係性があるの?そもそもshamanriyoって何者なの?と気になることだらけ!
そのため今回は音楽メディアとしては異例のYouTubeでの活動に焦点を当てた内容となっています。
そして今回はさらに体験レポートもあります!
riyoさんが不定期で開催しているセッション(体験会)をセッティングしてくださったので、UROROS編集長のフニャさんとサイケデリックスを体験させていただく機会をいただけましたので、そちらも合わせて公開させていただきます。
めくるめくサイケデリックスの世界へ、ようこそ!
interview by ふじーよしたか
photo by Shiho Aketagawa
まず始めにriyoさんのソロプロジェクト、shamanriyoとはどのような活動をしているものでしょう。
shamanriyo(以下riyo) 文字通りシャーマン活動を全身全霊でやっています。シャーマンっていうのは媒介という意味で、メディアみたいなものです。メディアの本来の意味が媒介という意味なんですよね。
自分にしか見えていないものを具現化して人に伝えるという、宇宙と社会の橋渡しになるのがシャーマンなんです。
音楽活動も一種のシャーマニズムだと思っていて、インスピレーションをかたちにするという意味では、全人類がシャーマンなんじゃないかと。
音楽活動というと、Koochewsenは現在夏休み中とのことで。
riyo 今見ている現実世界は幻想であるとか歌にして伝えてきたつもりだったんですけど、コロナ禍が進むことによって世の中のバッドバイブスを目にして、音楽だけやってても世界は変わらないなと。
俺は本気で人が変わるところを見たいと思って音楽を作ってたんですが、何も出来ていなかった。
だからもっと直接お客さんと関わりたかったんです。コロナ禍になってライブ活動が出来ない状況で始めたのがタロット占いでした。
確かにライブ活動からタロットという流れは、より個に寄り添った感覚があります。
riyo ライブハウスのステージの上って神格化されてる感じがありますよね。俺はずっと真実を歌っていたつもりだったのに、額縁の中のようなフィクションとしての作り物みたいに思われたりして。
もちろん今は音楽は素晴らしいものだと思っているんですが、占いを始めたことによって一対一で人生と深く関わることができてとても嬉しいです。
そして今はYouTubeでサイケデリックスについて扱っていて。
riyo もともと大学で勉強していたりペルーの現地で実際に体験したりというアカデミックな背景があるので、学問としてしっかり研究されているんだっていうことを含めて世に出していかなきゃいけないと思っていたんです。
20歳くらいの頃からサイケデリックスオタクで、この「サイケデリック・ドラッグ」という本がバイブルなんです。
しっかりボロボロになってますね!
riyo そうなんですよ(笑)。
これがサイケデリックスに関しては一番ちゃんとしている本だと思います。大学時代はこの本を元にして明治大学で研究をしていて。
実は合法的に手に入れられるサイケデリックスってめちゃくちゃいっぱいあるんですよ。
そうらしいですね。でもそんなイメージ全くなかったんです。
riyo もちろんいきなりそういうことを発信してもジャンキーが頭おかしくなっちゃったんじゃないかと思われると思ったので、最初は精神世界的な話をしたり幸福論の話から、徐々にサイケデリックスの話をしてみたらすごく反応が良くて。
アヤワスカの話(ペルーのシャーマンが儀式の際に用いる強烈な幻覚作用のあるお茶)と、アサガオの種を食べた話(幻覚作用が含まれている)をしたときが最初に伸びたきっかけで、やっぱり需要があるんだと感じたんです。
そこで改めて方向性が定まったというか。
riyo そう。そんなことやってるやつもいないですし。
いたとしても、危ないことをやって注目を集めるみたいなアプローチをされてしまうと思うので、俺が「サイケデリックス食べてみた」系をやるときにはちゃんと説明を挟むんです。
動画内ではすごく丁寧に説明されてますよね。
riyo 使用するサイケデリックスの背景や注意喚起を話したり、真似されても良いように量を抑えめにしたりと、セキュリティには心がけて発信してます。
サイケデリックスを摂取するということに対しての偏見ってすごいですよね。だからこそ絶対に俺が手本にならなきゃいけないと思っていて。
例えば大麻が合法化されている国も、それが違法だった頃にやっていた人がたくさんいたことによって、大麻は良いものだとかLSDは大きな気付きを与えてくれるものだと広まっていったからこそ合法化されたんです。
日本では良い側面を知らない人が多いし、摂取する機会が無いだけで合法的にトリップできるのであればしたいっていう人もいっぱいいると思うんです。そこで俺が「これを食ったらこうなります」と動画で見せていれば一番分かりやすいじゃないですか。
インターネット上のサイケ辞典になれば良いなと思っていて。本当に必要な人に伝わればいいなっていうモチベーションでやっています。
riyoさんの音楽にそういったサイケデリックスたちはどのように影響しているんでしょうか。
riyo 全てですね。
サイケデリックスをやってなかったら、「mystery」っていう曲で言っているような全部幻想だとか一分一秒が奇跡だとかそういう風には思わなかったと思います。
歌詞もサウンドも全てにサイケデリックスが影響していると思います。
今度は逆の立場として、リスナーがサイケデリックスを摂取して音楽を聴くとするとどういう風に作用するんでしょうか。
riyo まず、聴こえかたが全然違ってきます。
そもそもサイケデリックってどういう言葉かと言うと、サイケが潜在意識で、デリックが表れるっていう意味なんです。
俺たちが普段使っている意識って顕在意識って言われていて、これが全体の5%くらいなんですよね。それだけで我々はコミュニケーションを取って生きているんです。
それがサイケデリックスによって潜在意識が認知できるレベルまで広がってくるので、音に対して敏感になるし、これまで5%でしか感じとれなかったものがもっと大きくなる。感じ方もより深いものに変わってくるし、気付きをいっぱい与えてくれると思います。
曲の中を旅するように、視覚情報が音として聴こえたり音が映像として見えてきたりっていうのがあると思います。
合法のサイケデリックスがより広まるようになり摂取できる環境が整ったとしたら、日本の音楽はどのように変わっていくと思いますか?
riyo そんなに変わらないんじゃないかと思います。というかすでにサイケなんじゃないかなと。笑
メインストリームで活躍しているようなアーティストもサイケデリックスを体験している人は多いと思うんですよね。
サイケデリックスを広めるような活動をしていますけど、サイケデリックスはあくまできっかけの一つに過ぎないというか、摂取しなくても潜在意識を表現できる人ももちろんいますし。
riyoさんのサイケデリックスのごく一部。カエルの分泌物にも幻覚作用があるらしく、試してみるために現在育てているそう。もちろん全て法律で規制されていない物です
これからのリヨさんのソロプロジェクトはご自身にとって、リスナーにとってどういう存在になっていきますか。
riyo 音楽ではもうギンギンにやっていきたいんです。容赦のないものを作ってこれでもかと言わんばかりにshamanriyoを炸裂させていく。
存在そのものがサイケデリックという(笑)。
riyo 俺がshamanriyoじゃなかったら誰がshamanriyoだと(笑)!
せっかくなのでこの夏に出そうと思っているMV「DMT cosmic」をお見せしますね。
ぶちかましたいという意味が分かった気がします。攻撃的な激しい打ち込みと映像に、自分が現実世界だと思っているもののすぐ側に真実があると言われているような印象です。
riyo まさにそうなんですよ!
DMTっていうのは地球最強のドラッグなんです。精神の分子とも言われているんですけど、なにがヤバいって人間の脳にすでに内在していることなんです。瞑想するときや夢を見たりするのもこのDMTが関わっていると言われていて、すごくスピリチュアルな分子なんです。
YouTubeに関してはいかがでしょう。
riyo YouTubeに関しては、合法的に摂取できるものがまだまだあるので出来るだけ全部試してサイケ辞典にしたいんです。
これから試してみたいという人がいたら試せるような環境を作っておきたい。YouTubeで検索してくれたら、どういうものか説明しててどういう環境で使ったらいいかの予習になると思いますし。
変な状況でやったら怖い思いもするし、もちろん手放しで世に出回ってはいいものではないと思ってもいます。
毒性があるものもありますが、そもそもLSDは様々な精神病やトラウマを治療する可能性があるものであるとか、大麻は安全なもので、致死量なんて2時間で400kgぐらい食べないと死ねないものであるとか、そういったことを知らずに「スリルを味わうために……」みたいなセットでやると効いてきたときに「薬物=危ないもの、怖いもの」という刷り込まれたイメージが出てしまうんですよね。それでパニックになって飛び降りちゃったり救急車を呼んじゃったりするんです。
俺も元々大麻って怖いものだと思っていたし、ちゃんとした知識がないと真っ先に出てくるのって保健体育の知識なんです。廃人になって人生終わっちゃうみたいな。
なのでもっとイメージを変えていかなきゃいけない。という意識をYouTubeでは発信していきたいです。
まあBANされないように……ですかね。笑
インタビューは以上となりまして、いよいよここからセッションの開始です。
どきどきの体験レポートも合わせてどうぞ!
体感!実感!shamanriyoのサイケデリックスヒーリングセッション、体験レポート
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