2021-08-20 20:00 Fuhito Kitahara

Nami Sato、無観客オンラインパフォーマンスを8月22日に仙台市荒浜のスケートパークCDPで開催

Pocket

Nami Satoが、無観客オンラインライブパフォーマンスを8月22日(日)に仙台市荒浜のスケートパークCDPで開催する。

 
Nami Satoは仙台を拠点に活動するサウンドアーティストで、アナログシンセサイザー、フィールドレコーディング、アンビエント、ストリングスなどのサウンドを取り入れた楽曲を制作。

 
今年3月11日にはDOMMUNEの「開沼博『選別と解釈と饒舌さの共生』リリース記念DOMMUNE special program」でフルライブセットを披露し話題を呼んだが、新型コロナウイルスの流行拡大の影響によりライブ活動を自粛していた。

 
今回のオンラインイベントは、今年3月31日にリリースした最新アルバム『World Sketch Monologue』を記念して開催。同じく仙台出身で、今年からは活動の場を東京にも広げる新進気鋭のイラストレーター:亀井桃によるライブペイントも行われる。

 
ライブ会場となるのは、2011年の東日本大震災の津波の影響で人の居住が許可されない災害危険区域となった荒浜に震災後すぐオープンしたスケートボードパーク:CDP。オーナーの貴田慎二が津波で流された自宅跡地の住宅基礎を利用し、自らやローカルの仲間たちの手によって全てがつくられた究極のDIYパークだ。

 
2016年の夏からは「CDPの夏祭り」がスタートし、地域における「Park = 公園」としての役割も果たしてきたが、コロナウイルス感染拡大の影響により2020年は夏祭りの開催を断念。フィジカルに人が集うことに未だ懸念のある状況下で、今夏はNami Sato のオンラインリリースパーティとして夏祭りを継承する。

 
Nami Satoによるステートメントも発表された(イベント情報と共に下に掲載)。

 
なお、2018年にRed Bull Japanによって制作され、Red Bull Music Academyの終了に伴い視聴ができなくなっていたNami Satoのドキュメンタリーショートムービーが英字幕つきで再公開されている。映像には2018年の「CDPの夏祭り」でのライブの様子が収められており、Nami Satoのアーティストストーリーと共に4年前の荒浜、そしてCDPの姿が窺えるのでチェックしよう。

 

オフィシャルからのお知らせ
秋雨前線の発達に伴いイベント当日の荒天が予想されるため、ライブ配信日を当初告知していた8月14日(土)から8月22日(日)に延期致しました。

 
 


‘Time and Place’ – Interview with Nami Sato

 



 
Nami Sato World Sketch Monologu online release party in CDP

 
日程:2021年8月22日(日)
時間:18:00から
会場:CDP Skatepark & Playground(無観客)
料金:視聴無料
https://www.twitch.tv/o0nami0o
※荒天により延期の可能性あり

 

イベントステートメント by Nami Sato

2016年の夏、スケートパークCDPの当時のスタッフの「夏の夕方のCDPで、なみちゃんのライブが見たい」という一声で『CDPの夏祭り』がスタートしました。

仙台市若林区荒浜集落は、2011年の東日本大震災で人が半永久的に住めなくなった土地です。当時の荒浜には今よりずっと何もありませんでした。
厳密に言うと、ここにはもう何もないと捉える人がほとんどでした。

そんな土地にCDPは在りました。そして今日も在ります。
オーナーの貴田さんが津波で流された自宅跡地の基礎を利用し、大きな資本に頼らず、スケーターの仲間たちや自らの手によってつくられたのがCDPです。
世界中どこを見渡しても、こんなスケートパークはどこにもありません。

CDP、ひいてはその土地で新たなコミュニティ、場、作品をつくろうとする全ての行為は「何もないところから何かをみつけだす、何かをつくりだす」営みであり、それは資本主義が世界を覆うずっとずっと前から続いてきた、人間と風土との対話です。

都心から一歩外に出る時、あるいは自分がどこかの土地に対して作品をつくったりパフォーマンスをするとき、わたしにはある考えが浮かびます。
それは、その土地に人が住んだときからはじまり、今この瞬間まで続く、人間と風土とが対話によって結んだある種の「契約」のようなものについてです。

盆の入り、かつての荒浜集落の古い家々には、地域の木材を利用した「高灯籠」という柱がそれぞれの家の庭につくられました。
その柱には木の葉の飾りがつけられ、風と共に亡くなった人が帰ってくると考えられていました。

この世界からいなくなった人たちがその土地の風土の一部になると考えるとき、高灯籠や灯篭流し、そして夏祭りといった盆の風習は、契約によって、その時とその場を超えた先にある大きなコミュニティの姿を浮かび上がらせることを可能にするように感じられます。

2021年の夏、震災後にはじまった夏祭りから6回目の夏。
現実に人が集う夏祭りを催すのが難しいコロナ禍の中で、わたしたちはわたしたちに今ある能力で、わたしたちができることをしようと決めました。

かつて、祭りを始めた人たちがそうであったように。

人の在る場所、人の無い場所、オンライン、形や名前は変わっても、ここから先の未来でも、契約が実行され続けることを祈って。

 
 

 
Nami Sato『World Sketch Monologue』

発売:2021年3月31日
価格:1,600円
仕様:デジタル

Amazonでみる

 



 
Nami Sato

1990年生まれ。サウンドアーティスト。宮城県仙台市荒浜にて育つ。
活動拠点を仙台に置き、アナログシンセサイザー、フィールドレコーディング、アンビエント、ストリングスなどのサウンドを取り入れた楽曲を制作している。
東日本大震災をきっかけに音楽制作を本格的にはじめる。
2013年、震災で失われた故郷の再構築を試みたアルバム “ARAHAMA callings” を配信リリース。
2015年3月11日から毎年、母校である震災遺構荒浜小学校での「HOPE FOR project」にて會田茂一、恒岡章
(Hi-STANDARD)、HUNGER(GAGLE)らとライブセッションを継続している。
2018年 “Red Bull Music Academy 2018 Berlin” に日本代表として選出。
2019年、ロンドンを拠点とするレーベルTHE AMBIENT ZONEよりEP “OUR MAP HERE” をリリース、BBC等多くの海外メディアに取り上げられる。
2021年3月31日、最新フルアルバム “World Sketch Monologue” をリリース。

https://twitter.com/o0nami0o

 



 
亀井桃

亀井桃
イラストレーター
宮城県出身。
ポップアートから繊細なタッチのイラストまで幅広く描いている。
イラスト、ロゴデザイン、グッズ販売等を自身で行っており、フリーのイラストレーター
としてクライアントワークも意欲的に活動中。

https://momo-kamei-1.jimdosite.com/

 

CDP

2011年3月11日の東日本大震災で津波被害にあったオーナーの貴田家跡地に作られた、SkateparkとPlayground(バスケットコート)。
CARPE DIEM(今を楽しむ)パーク、基礎しか残ってないこの場所を有効活用し、何もなくなったこの地域での今を楽しむことをテーマに、2011年から運営を継続している。

https://www.facebook.com/CDP.CarpeDiemPark/


インフォメーション

タイトル
開催日時
開催場所
料金
アクト
連絡先
WEBサイト Nami Sato Instagram
WEBサイト Nami Sato Soundcloud
twitter https://twitter.com/o0nami0o
facebook https://www.facebook.com/NamiSatoJP
この記事の画像

タグ: /

関連記事:
こちらのニュースもどうぞ: