KlapYaHandzのアーカイブシリーズ第1弾、12月27日発売決定。カンボジアの真にオリジナルな”クメールヒップホップ”最初の10年を精選
カンボジアのヒップホップレーベル・KlapYaHandzのアーカイブシリーズ第1弾『KlapYaHandz Vol.1: The Cream of the Crop, 2001-2011』が、12月27日(金)にリリースされることになった。
KlapYaHandzは、2001年の設立当初からアメリカンの単なるコピーではない、カンボジアのオリジナルなヒップホップ(通称「クメール・ヒップホップ」)の創作しているレーベル。
創設者のSok Visal氏は、懐メロ化していた黄金時代のクメール歌謡やクメール・ロック(70-80年代を通じてポル・ポトによってレコードが焼き払われ歌手達は虐殺された)を積極的にサンプリングする方法でクメール・オリジナル・ヒップホップを創出。サンプリングはトラックの構成に使われただけでなく、そこに土着固有のリズムや音色や歌の節回しを見つけだし、ヒップホップのフォーマットへと落とし込んでいる。
今作はJuu & G. Jee『ニュー・ルークトゥン』に続き、OMK+エム+空族+STUDIO VOICE(アジア特集)が贈る新たなアジアンミュージック作品で、KlapYaHandzの最初の10年を記録。
カンボジアを代表するレーベルに発展する前の初期の代表的作品を精選した、どれを聴いても「これぞクメール・オリジナル・ヒップホップ」なコレクションが完成した。
空族の富田克也氏、編集者の川田洋平氏によるコメントが公開された。
空族 富田克也
ラッパーたちはみんな自由で、Sok Visalはずっと笑っている。若いスタッフたちは忙しなく肉を焼いていて、Sreyleakは妹にすごく優しい──トゥオル・コークの夜、僕はこの最高の音楽を語る術をもちあわせていない。知ったような顔をしない、もっともらしい言葉を探さない。それが一番、難しい。
川田洋平(編集者)
V.A.『KlapYaHandz Vol.1: The Cream of the Crop, 2001-2011』
発売:2019年12月27日(金)
価格:2,750円(税込)
品番:EM1189CD
制作発売元:エム・レコード(EM Records)
仕様:CD(ワイドケース、40ページブックレット封入、日本語・英語解説、訳詞掲載)
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収録曲:
1. Rin – Hip Hop [2001]
2. Phnom Penh Playaz – Ride with Us [2002]
3. Aping – Ereva Chanoy [2005]
4. Aping – Sangsa Lek 1 (feat. Dina) [2005]
5. Khmer Rap Boyz – Berk Chak [2007]
6. Kelly – K. E. L. L. Y. [2007]
7. Pou Khlaing – Yeak (feat. Adda) [2008]
8. Yungsterz – Luk Ko Luk Krobey [2008]
9. Khmer Kid – Laut Doch Besdoung (feat. Lisha) [2010]
10. Lisha – Srok Sre [2008]
11. Nen Tum – Dey Srok Khmer [2011]
12. Yungsterz – A Yap [2011]
(c) KlapYaHandz Records
(p) 2019 EM Records
選曲・解説(#1):Sok “Cream” Visal
解説(#2):Sorany Var
マスタリング・選曲協力:Young-G (OMK/stillichimiya)
装丁:高木紳介 (Soi48/OMK/EM Records)
Special thanks: 空族、佐藤雄彦(俚謡山脈)、STUDIO VOICE、Be-Wave
作品解説 現代カンボジア・レペゼンにまで駆け上がったKYHだが、本作『KYH Vol.1: The Cream of the Crop, 2001-2011』はブレイクするまでの前史、創設者のソック “Cream” ヴィサルとその仲間が徒手空拳で生み出した初期作品を厳選したものだ。ここにあるのはかつて70年代パンク・ムーヴメントや90年代テクノにあったような「やってやろう!自分のやり方で!」というポップ・ミュージックを更新してきた尊い瞬間に他ならない。 ポル・ポトから逃れたヴィサルは80年代に亡命先のパリでヒップホップに遭遇し、次に移住したアメリカでヒップホップの爆発を体験。その後、故郷プノンペンに帰還した彼が取り組んだのはUS産の単なるコピーではなく、かつて隆盛を誇ったクメール・ロックなどのカンボジア音楽を取り入れた<クメール・ヒップホップ>の創作だった。ヴィサルは「親世代がノスタルジーとして聴くもの」だったシン・シサモットやロ・セレイソティアといった歌手をあえてサンプリングすることで戦火で断絶した世代ギャップを飛び越し、再び命を吹き込んだ(しかし当初はクメール音楽への冒涜だと非難もされた)。 本作を聴いていると<クメール・ロック>のイメージも変わってくる。数あるコンピレーションを聞くと主に<西洋音楽の追随>に着目されていることに気付かされ、洋楽のカンボジア・ヴァージョンと見なされがちだが実はそうではない。カンボジアの伝統楽器を使いローカル・ヴァイブスを洋楽コンボ編成に落とし込んだ、タイでいうルークトゥン的なチューンも数多く存在するのだ(というかそっちの方が多い)。ヴィサルはむしろそんな<ありふれた>曲から土着固有のリズムや音色や歌の節回しを見つけ出し、今度はそれをヒップホップのフォーマットへと落とし込んでいる。過去を引用してフレッシュなものを生み出すヒップホップの手法をここまでダイナミックに実現した例は世界でも珍しいのではないだろうか?その点でいえばJuuとYoung-Gの『ニュー・ルークトゥン』とも親和性が高いといえる。 リン「Hip Hop」に始まるこのコンピには、プノンペン・プレイヤーズ、クメール・ラップ・ボーイズ、ヤングスターズや今も影響力を持つラッパー、リーシャといった現在の2010s世代にとってのレジェンド達が顔を揃え、クメール・ヒップホップ第一世代が存在した証が示されている。そして本作はKYHの立ち上げメンバーだった故アピンに捧げられている。 |
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インフォメーション
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WEBサイト | : | KlapYaHandz 公式サイト |
WEBサイト | : | KlapYaHandz Instagram |
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: | https://www.facebook.com/KlapYaHandzMusic |
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