2015-08-08 12:30

ライブイベントナビアプリ『OTONOTO』の金本代表にインタビュー(OTONOTO特集後篇)

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通勤通学の電車の中やお昼休みなどのわずかな時間に、スマホでささっとライブ情報をチェックできるとても便利なアプリ『OTONOTO』。特集前篇では、アプリのセッティングと基本的な使い方を紹介した。特集後篇の今回は、開発者にして合同会社OTONOTOの代表である金本聖也さんにお話しを伺った。

 

特集前篇はこちら
ライブイベントナビアプリ『OTONOTO』を使ってみた(OTONOTO特集前篇)

 

text by  Fuhito Kitahara

 
 

| スマホもアプリもあまり好きじゃなかった

 

——本日はよろしくお願いします。まずは、金本さんの簡単な自己紹介をお願いします。

 

金本聖也(以下、金本) アプリ『OTONOTO』を運営している合同会社OTONOTO代表の金本聖也です。エンジニアでもあり、6birds barked in the park(注1)というバンドでドラムの担当もしてます。6birds barked in the parkは、嫁でもあるキーボードボーカルの横川との2人組のデュオユニットで、「気楽に楽しく自由に」というテーマで、かなり真面目にダラダラやってますね。

 

——OTONOTOアプリの簡単な紹介をお願いします。

 

金本 日本全国のライブ情報が簡単に見れるということを目標に作ったアプリで、現在沖縄をのぞく西日本と、東京エリアで展開しています。アプリをひらくと自分が選んだ県のライブ情報がずらっと載っていて、出演者の名前などをタップすると簡単に動画が見れたり、イベントをお気に入りに登録しておいて後でチェックができたりとか、そんなライブに行きやすくなるようなアプリを作ってます。

 

——アプリを開発しようと思ったキッカケを教えてください。

 

金本 大学時代からずっとライブ活動をしていて、ライブハウスで出会った人達や音楽関係のところで人間関係を築けてきたなあと思っていました。それで、もっとライブハウスが身近になって、いろんな人と知り合えるようになったら、もっとみんな楽しくなるんじゃないかなと思って、ライブ情報を簡単に見れるアプリを作りたいなと思ったんですよ。

 

——会社はいつごろ立ち上げたんですか?

 

金本 2013年の2月に岡山ではじめました。僕は東日本大震災の時に会社をやめたんです。ちょうどそのタイミングで僕の実家のオヤジが体を悪くしたりもして、今の生活を考え直したときに、もっと違う生活がいいなと思って。自分でなにかできることをやりたい、後悔しないようにしたいと思って。それで自分がエンジニアとしてできることを考えたときに、さっき言ったみたいなことで貢献できたらなあと思って会社をやめました。

 

——アプリの開発って難しいと思うんですけど、プログラミングとかそういう知識や技術はお持ちだったんですか?

 

金本 もともと僕は「組み込み」(注2)と呼ばれる、ロボットを動かしたり、機械を動かすようなエンジニアだったんですけど、WEBとかアプリとかは全然やったことがなくて、働きながらが仕事の後に勉強していました。

 

——1から勉強されたんですね。

 

金本 大学は情報関係だったんですけど、畑が全然違ったんで。

 

——そうですよね。ロボットを動かすのとは全然違いますよね。

 

金本 そうなんですよね。アプリのプログラミングは、はじめはなんだこりゃって思いましたね(笑)。元々は僕はスマートフォンが出た時も全然使ってなかったんですよ。アプリとかも全然興味なくて、食事中とか電車の中でもみんなスマートフォンを見てるじゃないですか。それよりも人と直接繋がってたりする方がいいなあと思ってたんで、あんまり好きじゃなかったんです。でも、YOUTUBEの登場で音楽を聞く環境も変わってきてたじゃないですか。結局そういう時代になってきたんだと思って、スマートフォンを買いに走りましたね(笑)。

 

——スマートフォンの登場で、社会の構造もわりと変わってきたと思います。

 

金本 僕はハッとさせられたことがあったんですけど、アプリを開発しているgloopsという会社の社長さんとお話しする機会があってですね、その時に一緒に同席してた人が「スマートフォン全然わからないんですよ〜」みたいな話しをした時に、社長さんが「パソコンが昔出た時に誰が使うかって思ってたんですよ。でも、今はもうみんな使ってますよね。それと一緒ですよ。それだったら早めに使ってた方がいいですよ」って言っていて。すごいシンプルなことなんですけど、それはそうだなあと思って。それだったらスマフォを使っていかに自分のやりたいことをやれるを考える方がいいなと、反発するよりそれを使って人が出会えるもを作りたいと思いました。

 
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| ITはどこの場所でもできる。であれば、自分のいる場所から始めたい

 

——OTONOTOは金本さんと奥様の横川さんで開発しているとお聞きしましたが、どのような役割分担なんですか?

 

金本 僕がシステムを作ったりプログラムをしているのに対して、アプリのイメージの作成やロゴやWEBデザインをだいたいやってもらっていますね。僕以外にももうひとりエンジニアがいて、その人と僕とふたりでアプリとWEBと作って、デザイン関係は横川にやってもらっていますね。

 

——今現在、合同会社OTONOTOは3名ということですか?

 

金本 もう1人、相談役みたいな人がいるんですけど、「どうしましょうか」とか言って相談したりいろいろしてくれる人もいます。あとはアルバイトさんにもお願いしています。アルバイトというよりは同じ想いを持ってやってくれているのでOTONOTOの一員ですね。今まで8万以上のライブ情報を掲載してきたので、みんながいないとOTONOTOの中身が空っぽになっちゃいます(笑)。

 

——掲載されるイベント情報を集めたりするのはアルバイトさんがされているんですか?

 

金本 僕たちとアルバイトさんでやってますね。情報の更新もやってもらってます。

 

——情報はライブハウスから送ってもらっているのですか?

 

金本 いえ、自分たちでその情報を取得できるようにしないといけないと思ったので、1個1個の会場ごとにシステム組んでですね、情報を自動的に取ってこれるようにしています。

 

——凄いですね。ライブハウスのホームページから自動的に情報を引っ張ってくると。

 

金本 そうです。ただ、チケット料金などお金の情報もあるので、最後は人によるチェックが必要なので結構大変なんですよ。

 

——そうですよね、間違った情報を配信してしまうと困っちゃいますもんね。アプリを作ってみて、反響はどうですか?

 

金本 はじめは地元の岡山から始めたんですけど、バンドマンとかお客さんに「こういうの作りましたー」って言ったら、「これはすごい便利だ」ってみんな喜んでくれて、その反響がよかったので全国いけるなと思いました。まず地元で駄目だったら駄目だろうなとは思っていたんですけど(笑)。

 

——地元から始めるというのがいいですよね。人口規模とかライブハウスの多さでいったら東京や大阪からだと思うんですが、岡山からっていうのいいですね。

 

金本 ITはどこの場所でもできるじゃないですか。であれば、自分のいる場所から始めたいなと思って。東京にわざわざ行ってやらなくてもと思うところがあって、岡山から始めたんですけど、でもやっぱり東京の人数の多さは凄いので、東京から始めればよかったかなーって(笑)。地元の人から受け入れてもらってよかったです。

 

——エリアを広げてみた反響はどうですか?

 

金本 繋がりがない分、地元に比べて広がりが遅くて難しいなと思ったんですけど、1回広がってくると、特に大阪がそうなんですけど、バンドマンとかが横に広げていってくれて、アプリはほぼ口コミで広がっている状態なので凄く嬉しいですね。以前は大阪で「こういアプリを作りました」とか言っても「ああ、便利そうだねえ」みたいな感じだったんですけど、1年ちょっとくらいしてから「OTONOTOというアプリを作ってるんですよ」って言ったら、「OTONOTOを作ってるんですか!使ってます!」みたいな反応をしてもらえるようになって、広がってきた実感がありますね。嬉しいです。

 
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6birds barked in the park

 
 

| OTONOTOのWEBバージョン『OTONOTO.events』始まります

 

——OTONOTOの今後の拡大予定と展望を教えてください。

 

金本 今後、対応エリアを全国に広げようと思っています。また、情報を発信するだけではなくて、もっと人と音楽が繋がっていけるようなサービスですよね。例えば、お気に入りに入れた情報をカレンダーアプリと同期させたり、「このアーティストが好きだったらこのイベントがオススメだよ」みたいなものだったり、お客さんがもっとライブに行きたくなるフックを増やしていきたいと思ってますね。

 

——カレンダーとの同期はすごく便利そうですね。「明日ライブがあるよ」ってスマフォがお知らせしてくれたら、行きたかったライブを逃して「あちゃー、わすれてたー」みたいなことが減りますね。

 

金本 ほんとにありますよね。「昨日まで気にしとったのにー」みたいな(笑)。

 

——ほんと、ぜひ欲しい機能です(笑)。

 

金本 あと、もう少ししたらOTONOTOのWEBバージョンを始めようと思っています。WEBでは、アプリにイベントの投稿をできるようにしようと思っているので、みんなで作るカタチにできたらいいなと思っていますね。

 

——ある意味、ソーシャルメディア的な感じですか?

 

金本 そうですね。イベントはいろんな場所でやっていて僕らだけでは情報を集めきれないこともあるので、そういう情報をみんなで共有してみんなで見れる場所にできたらなあと。

 

——それは、例えばライブハウス以外で開催されるフェスやイベントなども投稿できますか?

 

金本 全部載せていきたいと思っています。いろんな人の情報が入ってくれば、どこまででも広がるなと思っています。

 

——それはものすごく楽しみですね。

 

金本 8月中か9月には始めようと思ってます。もうすぐです。OTONOTO.eventsという名前になります。早めに始めるんで楽しみに待っていてください。

 

特集前篇はこちら
ライブイベントナビアプリ『OTONOTO』を使ってみた(OTONOTO特集前篇)

 
 
App Storeでアプリの紹介ページを見る(iPhone)
https://itunes.apple.com/us/app/raibuibento-nabi-otonoto/id602028599

Google playでアプリの紹介ページを見る(ANDROID)
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.otonoto.livenavi

 

おわりに

本文の通り、8月か9月にはWEB版の『OTONOTO.event』がオープンします。誰でもイベントを登録できるとのことで、OTONOTOアプリが更に便利になりそうです。また、オフレコとのことでお伝えできないのが非常に残念なのですが、金本さん達は更におもしろいことを計画中ですよ!今後もOTONOTOから目が離せません。バンド6birds barked in the parkは、8月以降ライブを少しお休みして音源制作に入るそうです。こちらも楽しみです!

 

編集部注

 

6birds barked in the park
よこかわひろみ(Pf,Vo)と、かねもとまさや(Dr,Cho)からなる2人のユニット。岡山と山口ので育った2人が学生の頃に出会い、しばらくそれぞれの音楽活動の後、2007年に結成。細野晴臣、レイハラカミ、高木正勝、フィッシュマンズ、矢野顕子、54-71、Aphex Twin、など様々な音楽に影響を受けたその音楽性は多彩で、唄のある曲だけでなくインストゥルメンタル曲も非常に多い。CMソング・テーマソングの制作なども行っている。(6birds barked in the parkの公式サイトより抜粋)
http://6tori.com

 

組み込み(システム)
組み込みシステムとは、特定の機能を実現するために家電製品や機械等に組み込まれるコンピュータシステムのこと。家庭用機器、産業用機器、医療用機器等、電子制御を必要とするほとんどの製品に用いられている。2010年の時点で、身の回りにある機械(機器)の多くは、組み込みシステムが内蔵されている。(Wikipediaより抜粋)
https://ja.wikipedia.org/wiki/組み込みシステム




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