2023-06-01 13:00 Fuhito Kitahara

山中タクト、1stアルバム『Masterpiece』リリース。ビートルズの遺伝子を継ぐSSW

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山中タクトが、1stアルバム『Masterpiece』をリリースした。

 
山中タクトはビートルズの遺伝子を受け継ぐシンガーソングライター。5人組バンド:Bluems(現・生活の設計)脱退後は“ラント”名義でソロ活動を開始し、今年2023年3月に名義を“山中タクト”へと変更している。

 
今作は、never young beachの鈴木健人(dr.)、カネコアヤノのバンドセットで活躍する林宏敏(g.)、sorayaなど多方面で注目を集めるジャズ・ピアニストの壷阪健登、元バンドメイトでもある生活の設計の辻本秀太郎(b.)、大塚薫平(dr.)ら総勢8名のゲストミュージシャンが参加。

 
ビートルズやビートルズ各メンバーのソロ作品を中心とした60〜70年代ロックからの影響を色濃く受けたサウンドが2023年の日本語ロックとして鳴らさられる、デビュー作にして会心の1作に仕上がった。

 
録音&ミックスは、hmc studioの池田洋氏、ジャケット撮影は渡邉光平氏によるもの。

 
なお、今作は辻本秀太郎氏が主宰する新レーベル:DBLR Recordsからのリリースで、デジタルの他にクリア・ヴァイナル仕様のアナログレコードも販売される(限定100枚)。

 
セルフライナーノーツも発表した(下に掲載)。

 
 

 

 

 
 

 
山中タクト『Masterpiece』

発売:2023年5月31日
価格:デジタル 2,000円
レーベル:DBLR Records
仕様:Digital/Limited Color Vinyl

Amazonでみる(デジタル)
配信サイト一覧

収録曲:
1. キャラバン
2. タイニーダンサー
3. Almost Blue
4. フィルム
5. メイ
6. 港の見える丘で
7. Hello Hello
8. 電話をかけたら

 
Vocal, Guitar, Piano, Electric Piano, Mandolin, Organ, Mellotron, Ukulele : Takuto Yamanaka
Guitar, Guitar Tech:Hirotoshi Hayashi(A2, B3)
Piano:Kento Tsubosaka(A3, B2)
Bass : Shutaro Tsujimoto(A1, A2, A4, B1, B3, B4)
Double Bass : Riku Takahashi(A3, B2)
Drums : Gaku Ouchi(A1, B1)/ Kento Suzuki(A2, B3)/ Shohei Nishimura(A3, B2)/ Kumpei Otsuka(A4, B4)

 
LP取扱店舗
ディスクユニオン
・ココナッツディスク吉祥寺店(東京)
・FLAKE RECORDS(大阪)

 

山中タクトによるアルバム『Masterpiece』セルフライナーノーツ

 
アルバムのコンセプトについて
 アルバム・タイトル『Masterpiece』は、ボブ・ディランの楽曲「When I Paint My Masterpiece」から取っています。過去から現在まで僕が好きな音楽を詰め込んだ“傑作”になって欲しいという思いで『Masterpiece』と名付けました。また、中村一義がファースト・アルバムに『金字塔』と名付けたことへのオマージュにもなっています。
 『Masterpiece』の収録曲は、僕がかつてバンドのギタリストだった頃に作った曲、1人で宅録を始めた頃の曲、アルバムのレコーディングが決まってから作った曲などで構成されています。宅録で作ったデモをもとに、僕が尊敬するミュージシャンたちと共に、リアレンジ・レコーディングを行いました。

 
レコーディングについて
 レコーディングおよびミックスはhmc studioの池田洋さんが担当しています。踊ってばかりの国、never young beach、DYGLなどhmc studioで生み出された作品から、僕自身十代の頃から大きな影響を受けていています。実際に上記バンド作品で演奏しているミュージシャンにも、レコーディングに参加してもらいました。

 
レコーディング・メンバーについて
 「タイニーダンサー」「Hello Hello」ではドラムに鈴木健人さん(never young beach、SAMOEDO、DYGLサポートメンバー等)、ギターに林宏敏さん(カネコアヤノ、ex.踊ってばかりの国)が参加しています。林さん所有のギターと僕のギターをミックス・ルームに並べ、各フレーズごとに取っ替え引っ替えしながら収録をしました。このメンバーではタイト感とノイジーさ、ヴィンテージとモダンを行き来するサウンドを作りました。
 「キャラバン」「メイ」ではドラムに大内岳さん(Glimpse Group、AKOGARE、Burgundy、LAIKA DAY DREAM、The 9Oz、ex.OLD JOE)が参加しています。様々なバンドに引っ張りだこのドラマーで、ルーツ・ミュージックその他幅広い音楽愛に裏付けされた迫力あるドラミングが魅力的です。
 「フィルム」「電話をかけたら」ではドラムに大塚薫平(生活の設計)が参加しています。中学生からの幼馴染で、Bluems(現・生活の設計)では共にバンド活動をしていた旧友です。昔から僕の音楽や人間性を良く知る人物で、独自のタイム感とフィルで楽曲を彩ってくれています。
 「Almost Blue」「港の見える丘で」ではドラムに西村匠平さん(.Pushリーダー、ほか多数楽曲/ライブに参加)、ウッド・ベースに高橋陸(ex. .Push、ほか多数の楽曲/ライブに参加)さん、ピアノに壷阪健登さん(soraya、ほか多数の楽曲/ライブに参加)が参加しています。バークリー音楽院卒業後、めざましい活躍でジャズ界を賑わせ、sorayaとしてポップスの世界とも往来する壷阪さんをはじめ、素晴らしいジャズ・ミュージシャンたちに集まってもらいました。
 「Almost Blue」「港の見える丘で」以外の全楽曲のベースは、アルバム共同プロデューサー兼、今作をリリースするDBLR(読み:ダブルアール)レーベル代表の辻本秀太郎さん(生活の設計、水いらず)が参加しています。ベーシストとしてだけでなく音楽雑誌の編集者としても活躍する、その膨大な音楽知識に基づいて楽曲のプロデュースをしてもらいました。
 その他特記されていないギター、マンドリン、ピアノ、オルガン等の楽器は、山中タクト自身が演奏しています。

 
各楽曲について
「キャラバン」
 ドラマーの大内岳さんから“ジャクソン・ブラウンがイーグルスを歌ってるような曲”と言われていました。イントロはイーグルスへのオマージュです。遠い時代のアメリカで、砂漠を歩いているような気分で作りました。
「タイニーダンサー」
 ジョン・レノンとニール・ヤングを組み合わせたような曲にしたいと言いながらレコーディングしました。アウトロのギターソロは林宏敏さんと僕が交互に演奏しています。2人のギターをNeveのコンソールに直挿し、過大入力させて、ファズのように歪ませて録音しました。誰もが孤独を抱える時代にも凛々しく立っていたいというサウンドです。
「Almost Blue」
 チェット・ベイカーへの愛を込めて曲を書きました。元々ピアノで弾いてもらっていましたが、壷阪さんに試しにRhodesを弾いてもらったところ、かわいらしい音色で「My Ideal」ぽくなったので“これもいいな”とそのテイクを採用しました。
「フィルム」
 この曲がアルバムで最も古い曲で、Bluems時代から演奏していた曲です。あえて“もう終わり?”と思わせる構成で作りました。レコーディングスタジオに置きっぱなしになっていたエレキ・シタールを弾いて、隠し味的に入れています。”大人になる”ということをテーマにした歌詞です。
「メイ」
 ビートルズのゲット・バック・セッションのサウンドを目指しました。ドラムトラックは一度アナログテープに録音・再度書き出し、そのサチュレーションでドラムを歪ませています。アルバムで一番アナログヴィンテージ感がある曲です。
「港の見える丘で」
 昔ハワイで購入したウクレレを弾きながら作った曲です。イントロはジョージ・ハリスンの演奏する「Between The Devil & The Deep Blue Sea」へのオマージュです。ピアノは深いリバーブサウンドで1920年代に録音されたような雰囲気になりました。
「Hello Hello」
 アルバムの中で最後にレコーディングした曲です。ビートルズのサウンドが散りばめられています。この曲に限らずですが、レコーディングの際に提示したリファレンス作品がほぼビートルズと各ソロ作品になってしまいました。幼い頃の自分を含め、これからの未来を生きる子供たちに捧げる曲になっています。
「電話をかけたら」
 締めくくりは飄々としていたいということでアルバムの最後に選曲しました。ギターはミックス時にコンプを過剰にかけて歪ませて「Nowhere Man」のようなサウンドにしています。ポップで明るい曲が出来たので、悲しい歌詞を乗せようと思って作った曲です。

 
制作時に影響を受けた作品
『Rubber Soul』/ The Beatles
『The Beatles(White Album) 』 / The Beatles
『Let It Be』/ The Beatles
『John Lennon』 / John Lennon
『On the Beach』 / Neil Young
『Chet Baker Sing』s / Chet Baker
『球体の奏でる音楽』 / 小沢健二
『Cahoots』 / The Band
『Let Love Rule』 / Lenny Kravitz
『火の玉ボーイ』 / 鈴木慶一とムーンライダーズ

 
さいごに
 宅録部屋から飛び出して、素晴らしいスタジオで素晴らしいミュージシャンたちと作り上げたアルバムです。僕にとってのマスターピースとなりました。皆さんもぜひ楽しんでいただけたらと思います。

 

山中タクト

1995年、東京都生まれ。中学生の頃にThe Beatlesの影響でギターや作曲を始める。恋する円盤のサポート・ギタリストを経て、2016年に同バンドのメンバーらと5人組バンドBluems(現・生活の設計)を結成。同年夏にはSUMMER SONICへの出演も果たした。2018年のバンド脱退後は“ラント”名義でのソロ活動を開始し、全ての楽器を自ら手がけた宅録アルバムを2019年から2年連続で発表。2023年3月、名義を“山中タクト”へと変更し、先行シングル「タイニーダンサー」をリリース、5月31日には1stフル・アルバム『Masterpiece』を発表した。


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