2022-08-22 18:00 Fuhito Kitahara

OKI DUB AINU BAND、新曲「Etonimah」を含む12インチ『EAST OF KUNASHIRI』10月5日発売決定

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OKI DUB AINU BAND、新曲「Etonimah」を含む12インチ『EAST OF KUNASHIRI』10月5日(水)発売決定

 
OKI DUB AINU BANDは樺太アイヌの伝統弦楽器トンコリを現代に復活させたOKIが率いるAINU ROOTSバンド。OKIが今年1月にリリースした『Tonkori in the moonlight』(Amazon / タワレコ)は、海外メディアでも取り上げられ世界でも注目を集めている。

 
表題曲「East of Kunashiri」は、アルバム『OKI DUB AINU BAND』(2006/現在は廃盤)収録曲で、ファンからのリクエストが多い同曲を現在のバンドメンバーの演奏によりライブさながらの臨場感を持って蘇らせている。

 
B1「Etonimah」は、今年6月にレコーディングしたOKI DUBの新たな一面が感じられる最新楽曲。B2「‘Ankisma kaa ka」はアルバム『UTARHYTHM』(2016)収録曲に歌とホーンをオーバーダビングしたニューバージョン。マルチ管楽器プレイヤーのYOKANと白老にあるアイヌ国立博物館の歌い手たちが参加した。

 
ジャケットはOKIによる描き下ろし。

 
アイヌの伝統と精神を現代に継承しながら、レゲエ、ダブ、ジャズ、ワールドミュージックなど世界のルーツ音楽を取り入れ進化し続けるOKI DUBのサウンドが体感できる必聴の1枚が完成した。

 
 

 
OKI DUB AINU BAND『EAST OF KUNASHIRI』

発売:2022年10月5日(水)
定価:2,546円+税
品番:TBV-0039
レーベル:Chikar Studio / TUFF VINYL
仕様:12”

 
予約/購入
レーベル予約
TOWER RECORDS ONLINE

 
収録曲:
A1. East of Kunashiri
B1. Etonimah
B2. ‘Ankisma kaa ka

 

OKIによる作品解説

 
East of Kunashiri

北海道の東の果て知床半島に立てば国後島が知床と根室、二つの半島に半島に突き刺すように見える。
距離は数キロほどだがロシア領であるこの島に日本から行くルートはない。
なぜかというと日本もまた国後を含む南クリル四島の領有権を主張しているからだ。
その一般人が渡航するのが難しい国後島に行く機会があった。

日本から直接渡航できないので一度サハリン島のコルサコフに行きサハリン島のクリル州の役所でヴィサの発行手続きをした。
このことがのちに問題になり国後に行った者のパスポートは没収しろというコラムが新聞に載った。
ロシアのヴィサをもらって島に行くことはすなわち島の領有権はロシアにあると認めてしまうことになるからだ。
アイヌである俺にはそんなことは知ったことじゃない。俺はかつて先祖の住んでいた島に行くだけだ。
夜の帳が降りる頃コルサコフの港から夏の静かな海に向かってそろりと出航した。 右舷の北海道の街の明かりをかすかに見ながら船は南下する。

ふと目を覚まし甲板に出ると左舷は熾火のように真っ赤に染まった朝焼けをバックに漆黒の択捉の島影、 右舷は国後島の爺爺岳の二重カルデラ火山がまだ薄暗い夜の空に姿を表す。
ここクリル諸島は北海道で居場所のなくなったアイヌの神様たちが住むところなのだという思いが頭をよぎった。時空は歪み俺は永遠を感じた。

上陸した国後島はワイルドだった。hurukamapの港には何艘もの赤く錆びた沈没船が座礁していた。
数年前に起きた地震の津波で役場は廃墟となっていた。それでも役場前の広場は多くのロシア人で賑わっていた。
俺は背の高いがっしりした漁師に会った。
漁師はこれは君の先祖のものだろ?と言って黒曜石の鏃を渡された。

 
Etonimah

樺太の西海岸エストルの歌。熊をあと二、三日で送るという時にうたう歌のようだ。歌はタイムマシン。
歌うことで昔を少しでも自分に近づけるのだ。

 
‘Ankisma kaa ka

カラフト(サハリン)アイヌ浅井タケさんの残したtuytah(昔話)
タケさんは幼い頃失明したが語り部としてたくさんの話を後世に残した。

この曲はタケさんのSitu’us(スキー)の話からインスピレーションを得た。

ある婆さんが3人の娘を育てていたとさ。スキーの練習をさせていて娘たちはスキーがうまかった。その噂を聞いて3人の男がやってきた。
婆さんは男たちにスキーがうまく滑れたら娘をやろうと言った、、、、、  

‘Ankisma kaa ka kiitun kiitun 紐をつかんで 
kiitun kiitun ’oorii nii suhtonke poka kema suye wa
高い山は真ん中(中腹) を滑れ
‘oran nii kiitaike poka kema suye wa 
低い山は上(頂上)を滑れ
taskoro moysay cokokohko 紐が切れて落ちちゃった。

白老のアイヌ国立博物館に勤務する歌い手たちによる歌は白老地方に伝わるIyomante(熊送り)の時にうたわれるもの。
曲の終わりの語りは aynu puri anake yaykurukata ciki rusuy アイヌ文化は (自分ですべきことは他人でさせないで)自分たちで進めて行きたい
iteki ese nankonna 決して服従するな。

 
ジャケットについて

千島列島の一つウシシル島
千島アイヌの神様 カンナカムイ雷神が作った島とされている。
千島アイヌは危機が迫った時に多数のイナウ(御幣)を作りカンナカムイに祈ったと言われている。

 



 
OKI DUB AINU BAND

樺太アイヌの伝統弦楽器『トンコリ』を現代に復活させたOKIが率いるAINU ROOTS バンド。電化したトンコリをベースとドラムで強靭に補強したヘヴィなライブサウンドに、アイヌに歌い継がれるウポポ (歌) やリムセ(踊り)にアフログルーヴ、レゲエ、ロック等が混在した越境DUBサウンドで人気を博す。主に海外フェスでのライブ実績を重ね、アルバム「OKI DUB AINU BAND」(06年)のリリースを機に日本上陸。 これまで世界最大規模のワールドミュージック・フェスティバルとして知られる”WOMAD” の出演をはじめ、アジア、欧米、アフリカなど10ヵ 国以上で公演を果たし、いずれも高い評価を得ている。国内でもFUJI ROCK FESTIVAL、橋の下世界音楽祭などジャンルを超えた様々なフェスティバルやイベントに出演する。唯一無二な存在としてワールドワ イドに活躍中!

 
メンバー:
OKI (Vocal/Tonkori)
居壁太 (Vocal/Tonkori)
沼澤尚 (Drums)
中条卓 (Bass)、
HAKASE-SUN (Keyboards)
内田直之 (Recording&Mixing)


インフォメーション

タイトル
開催日時
開催場所
料金
アクト
連絡先
WEBサイト OKI DUB AINU BAND / Chikar Studio 公式サイト
WEBサイト OKI DUB AINU BAND Instagram
twitter https://twitter.com/ChikarStudio
facebook https://www.facebook.com/okidubainu
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