FRIENDSHIP.レビュー

 
CONGLATURATIONS、シネマ辻さんのレーベル”LIKE A FOOL RECORDS”の7周年を記念する自身初の音源集となる作品のリリースです。
フィジカルではLPとしてのリリースになります。

FIXEDでも活動するギタリスト魚頭圭(Gu.)、FLUIDの貝本菜穂(Vo/Ba)、POWER/XALU/UNPRODUCTSの根本歩(Dr)と、Zなど往年のジャパニーズオルタナティブを牽引してきたメンバーによって結成されており、その流れを汲む骨太で漢気すらも感じることができるサウンドメイクになっています。
何よりも魚頭さんにしか出せないどこかアンダーグラウンドでありロック/パンク/オルタナティブを横断するギターサウンドが本当に病みつきになりそうです。FIXEDの時よりはギターの歪みは抑えられ、むしろかなりクリーントーンなギターサウンドも往年のリスナーからすれば垂涎な仕上がりになっていると思います。
ギターテックに興味ある人は、音楽的にもかなり面白いサウンドのアプローチになっている気がします。
サウンド面に関しては、本当に流石としか言いようがないくらいのハイレベルなオルタナティブサウンドとなっており、手数こそは多くないものの渋くバンドサウンドとしてのまとまりを司るドラム(タムの音のテンション感がとても良いです)、ウネリながら不穏な雰囲気を倍増させるベース。叙情的に単語単語が連なり、CONGLATURATIONSの世界観を忠実に妖艶に表現しているボーカル。オーバーグラウンドのようなポップさや聴きやすさというものはないのですが、圧倒的な存在感、その秘めたる熱量は計り知れないほど込められており、オルタナティブが好きなリスナーにとっては間違いなく刺さる仕上がりになっています。

今作のリードトラックとなっているM4「BOYS BE」は、不穏で暗さをヒシヒシと感じさせるギターアルペジオ、妖しげに紡がれるボーカルが、曲中に失望感・喪失感・羨望など様々な感情が詰め込まれており、そういったエモーショナルな側面が聴いた人の深層心理をくすぐり、自然とこの楽曲に合わせて身体が動いてしまうのではないでしょうか。
toeなどにもよくある、なんとも言えない・表現できない感情が急速に湧き上がってくる感覚を強く覚える1曲です。
さすがです。素晴らしいです。