Schuwa Schuwa『Are You Schuwa?』作品解説

 
渡邉光平と紺世晃子による男女デュオ Schuwa Schuwa のデビュー作。
それぞれの自宅で緻密に練り上げられた現代のハイブリッド・ポップミュージック。
現役のフォトグラファー／映像作家として活躍する渡邉光平の視覚の世界観と、フランス文学などから影響を受けた紺世晃子の作る世界観がSchuwa Schuwa 独自の物語性を創り上げている。

一部楽曲のアレンジ／ミックスで WONK の荒田洸、井上幹、リミックスでSeiho、XL Middleton、マスタリングでは山崎翼（Flugel Mastering）が参加。

最初のシングルとなった「Uzu」は、ヒップホップ的なループを使ったトラックに紺世のラップがのるSchuwa Schuwa流のヒップホップ楽曲。紺世が書いた詩とデモトラックに、渡邉がサンプリングやギターフレーズを重ねるようにして完成していった。SF漫画「九龍ジェネリックロマンス」からインスピレーションを受けた揺れ動くような内省的な感情について歌った曲となっている。アレンジ／ミックスで WONK の荒田洸が参加している。

 
続く「WEEKEND」は、Schuwa Schuwa としてはじめて作った曲。渡邉が弾いたピアノフレーズをサンプリングして分解し、再構成していった結果が骨となるフレーズとなっている。誰もが持つ個人的で、少し不安定で、いたずらな好奇心のような気持ちが込められており、ジャン＝リュック・ゴダールの同題名の映画から受けたインスピレーションも盛り 込まれている。また、「WEEKEND」のリミックスをSeihoが担当、原曲の雰囲気を保ちつつもゴージャスなパーティー 感も増した楽しい週末に変貌を遂げている。

 
「METRO」は、大林宣彦監督の映画「時をかける少女」にインスパイアされた曲で、少女の戸惑いや、不思議な初恋、匂いを感じられるような情景描写を詰め込んだ楽曲。飛び回るようなシンセや充満する音がその世界観を強調している、何処かノスタルジックな曲。「METRO」のリミックスは、LA の G ファンク・アーティストで、ブギやファンクのレーベルMoFunkの代表も務めるXL Middleton が担当。原曲とは全く異なるグルーヴィなコズミックファンクに生まれ変わっている。

 
そして「Paradis」は、17歳の少女をテーマにした楽曲。少女の少し憂鬱な日常と、引き出しの中に隠している自分だけの秘密について書いている。楽曲の前半と後半が大きく変わる構成が印象的で、少女の変化の物語性が表現されている。後半のシンセによるパートはディストピアをイメージ。

 
Schuwa Schuwa

1989年生まれの静岡県沼津市出身の渡邉光平と1995年生まれの東京都品川区出身の紺世晃子による男女デュオ。
楽曲からアートワークの制作に至るまで2人によるセルフプロデュースで行う。
2019年11月結成。楽曲制作は共に行い、歌詞は紺世、サウンドプロデュース／ミックス／MV／アートワークは渡邉が担当。
2022年3月にデビューEP「Are You Schuwa?」をリリース予定。一部楽曲のアレンジ／ミックスでWONKの荒田洸と井上幹が参加。
渡邉は、銀行勤務を経て桑沢デザイン研究所卒、現在はフォトグラファー／映像作家として活動。Princeをはじめとするブラックミュージックに傾倒。
紺世は、6歳からピアノを習い、学生時代は軽音楽部に触れ、この頃から作曲をスタートさせている。大学ではフランス文学を学び、フランス映画／音楽に出会い、フレンチポップ、エレクトロの世界に傾倒していた。
共に慶應義塾大学卒。