3月20日に茨城県結城市で開催される街なか音楽祭『結いのおと』。主催団体「結いプロジェクト」事務局の野口純一氏にインタビュー
3月20日(日)に茨城県結城市で開催される街なか音楽祭『結いのおと』。このフェスは、アートフェス『結い市』も手がける結いプロジェクトが主催して開催される。
今回、結いプロジェクトの野口純一さんにインタビューすることができた。結いプロジェクトの結成秘話から、結城市の魅力まで大いに語ってもらった。
interview & edit by Fuhito Kitahara
| だんだん自分の中でスイッチ入ってきた
自己紹介をお願いします。
野口純一(以下、野口) 野口純一と申します。結いプロジェクトの代表ではなくて、事務局をやっています。私は本業が商工会議所の職員なんですよ。商工会議所というのは、街づくりだとか、地域活性化も職務のひとつなんですが、その中にはいわゆる「街づくり会社」がありまして、市役所と商工会議所と地元の商店街の人達がお金を出し合って、半分民間企業で半分行政が関わっている「TMO結城」という街づくり会社の事務局を担当しています。
まさか商工会議所の人だとは思ってなかったので、面食らってしまいました(笑)
野口 良く言われるんですよ。商工会議所の人らしくないねって(笑)。元々が、アパレルをやっていまして、洋服屋で働いていたんですけど、労働環境的にちょっとキツくなっちゃって。それで単純に、お役所仕事だったら毎日定時で帰れるかなって(笑)。イベントの企画とか、そういったことも商工会議所の職務のひとつなので、自分の趣味の部分を活かせるかなと(笑)。
結いプロジェクトはどうやってはじまったのですか?
野口 自分が商工会議所に入った時に、どうせやるんだったら結城の街でオモシロイことがやりたいなというのがあって、ちょうどそこに「町おこしにもの申したい」みたいな感じで一級建築士の方が来たんですね。その彼が、結いプロジェクトの代表になる飯野くんだったんです。
それで話しを聞いてたところ、たまたま歳も一緒だったし、おもしろい話しもできたので、「じゃあお互いにプレゼンして、上の人たちに内容をだしてみようか」って始めたのが「結い市」なんです。
そうなんですね。それで結い市が始まったと。
野口 そうです。結い市は毎年10月に開催しているアートフェスなんですけど、イベントをやってみたいんですとうちらのお偉いさんたちにプレゼンしたところ、「とりあえずやってみていいよ」と言ってもらえて。
でも2人じゃ出来ないから、友達のグラフィックデザイナーとか、若手の行政職員とか、結城紬の老舗の卸問屋で働いている若い子とか、それぞれ2人でいろんな人を連れて来て。もともと「結い市」をやるためにできたのが「結いプロジェクト」なんですよ。
ただのマルシェ的なイベントだけでは面白くないんで、色々なカテゴリーのコンテンツを入れて色々な人達が楽しめるようなイベントにしたいなってことで、絵とかクラフトとか、音楽とか食べ物だって自己表現のひとつなんで、そういったものを散りばめたアートフェスをやったんですね。
はじめは神社だけのちっちゃいエリアだったんですけど、街のなかの空き店舗だったり空き地を使って、街中を回遊できるような、結城の地域資源をうまく活用したイベントにしたいなというのもあったんで、徐々に内容とともにエリアも広がっていって、それに伴ってオモシロイ人達が集まってきて。
結い市には当初から音楽ライブはあったんですか?
野口 はい。もともと自分はすごく音楽が好きだったんで、それで結い市のメイン会場の神社の神楽殿でライブをやったら面白いなと思って。最初は自分の友達とかを呼んでいました。続けていくうちに、だんだん自分の中でスイッチ入ってきちゃって(笑)、よくライブを観にいくアーティストの方なんかに物販で話したりしながら徐々にネットワークが広がっていったというところですね。
| 公共的な事業には無い色を生み出せるのが自分の良さ
音楽フェス「結いのおと」が始まったのはどのような経緯からなのでしょうか?
野口 自分の中でもっと音楽コンテンツを色濃くだしたイベントをやってみたいという気持ちがあったんですけど、結い市はアートフェスというお題目があって、そのへんのバランスも考えなくてはならなくて。結い市だけだと自分の中の色んな引き出しを発散できないっていうのがあって(笑)。
それで3月のひな祭りの時期に、ほんとに音楽に特化したイベントをやろうと企画書を作ったのが「結いのおと」なんです。今まで結い市を5回やってきたなかで培ったネットワークとか、そういったものをうまく活用して1回目をやったのが2014年ですね。
地方公共団体が関わってるフェスって、誰でも名前を知っているような超有名な方しか出演されないようなイメージなのですが、「結い市」も「結いのおと」も、ライブハウスに足しげく通うようなコアな音楽ファンからしても「おっ」と思わせるラインナップなんじゃないかなと。
野口 言ってみれば自分のカラーが強いというか、自分の趣味趣向が強いんですけど、逆にいうと、公共的な事業には無い色を生み出せるのが自分の良さでもあるかなと思ってるんです。
どうしても結城のようなローカルなエリアは、若い人が街に対して魅力を感じないんですよ。だけど、若い人だったりとか、アンテナが高い人たちにも結城っていう街を注目してもらいたくてこういうブッキングになっています。
出演アーティストのブッキッグは野口さんがされているんですか?
野口 完璧に僕の独断と偏見で(笑)。もちろん、いろいろな話しを聞きながら、上手く意見も吸い上げながらやりますけど、最終的には自分の裁量で決めさせてもらっていますね。
☞ 次のページに続く
関連記事: