ニューアルバム『Hello, NEW WORLD』をリリースしたMuffの田口将之氏にインタビュー
| フジロック出演
2014年はフジロックに出演されましたね。
田口 さすがは日本一のフェスという、規模の大きさにやられました。グリーンステージの迫力には感動しましたね。そして、人の多さ。あと、ステージとステージの距離がありすぎて移動が疲れました。それにとってもクリーンでしたね。初日から会場入りして、奇跡の晴天続きってものあり、演奏以外でもしっかり遊びまくって全力でビッグフェスを堪能させてもらいました。
出演されたステージは?
田口 ジプシーアバロンです。
フジロック出演はいかがでしたか?
田口 出演できたのは数あるステージの中でも小さめのステージですが、なんだかんだ最終的にはフロアもいっぱいになってくれて。全体で考えたら、Muffのことを知っている来場者は少数だと思うんですけど、良い音出して、フロアが盛り上がっていれば、そこにお客さんがどんどんどんどん混ざってきて、連鎖的にみんなが遊びだすっていうのかな、それがこっち系のバンドの良さでもあり、強みでもあると思います。自分でも「やっててよかった」って噛み締められるポイントはそこにありますね。フジロックに限らず野外は大小関係なく気持ちがいいですね。
ひとつ悔しかったのが、Muffの出演時間とGreatful Deadのベースのフィル・レッシュ&テラピン・ファミリー・バンドと時間が被ってしまっていた点です。全体のタイムテーブルを知ったときはなかなかショックでしたよ。フィルの来日を楽しみにしていたのに、見に行けないという悔しさが大きかったです。「神様のいじわる!」って感じです(笑)。その年のフジロックにはたくさんの友人が来ていたんですが、みんなフィルにもっていかれました(笑)。僕もMuffのライブが終わって撤収を済ませ、猛ダッシュでヘブンに行って30分ぐらいは拝むことができましたけど。
Muffのフジロック出演の模様はコチラから。
フジロックレポート(FUJIROCK EXPRESS 2014)
| 平和のリズム
田口さんは下北沢で「Rhythm9」という雑貨のお店をやってらっしゃるお聞きしました。どのようなお店ですか?
田口 この店は下北にオープンしてもう6年目になるんですけど、海外を周ってひとつひとつ探してきたものや、ヘンプ素材の衣類、ハンドクラフト作家の作品を置いています。フェスに遊びに行ったり出演したりしているといろんな作家さんと出会うんですね。そういったきちんと関係性のある作家さんたちの作品を取り扱っています。自分たちの周りにいるバンドのCDも置いていますね。フェスに出店したりもしています。
お店を始められたキッカケは?
田口 音楽と一緒でヒッピーカルチャーだったり、物作りのカルチャーが好きで、海外にある雑貨だったりとかアクセサリーとか服なんかを自分で仕入れに行きたいと思っていて、そういうものを全部をひとくくりにして仕事として生きていけるのは何なんだろうと考えたのがキッカケですね。
フェスってマーケットがいっぱいあって、音楽が自由に鳴ってて、カラフルなものやナチュラルなものに溢れてたりするあの空気感がたまらないじゃないですか?「あの非現実的な空間に触れながら毎日を過ごすにはどうしたらいいんだろう?」と考えて出した答えです。土日平日関係なく毎日が遊びであり、毎日が仕事である方が充実の日々なんじゃないかなってことで始めたんです。当初は不安は全くなく簡単に考えてたんですけどね。実際始めてみるとそれはそれで大変なことだらけでしたね。もちろん今でも(笑)。
あと、作家さんたちってせっかく良いものを作っているのに、売る労力に時間を割けないというのがあるので、じゃあ僕達がもっと販路を広げていろんなお客さんに知ってもらえたらと思って始めたという感じですね。
作品を探しに海外を周るというのは、前のお仕事などで経験があったんですか?
田口 経験は全くないです。やり始めの頃はバッタバタですし、何が正解で何が間違いなのかよくわからない状態であーだこーだとチャレンジしながら今に至ってます。
経験がない状態で始められたとのことですが、雑貨や作家さんの作品が好きだったということでしょうか?
田口 特別それらがピンポイントで好きっていうよりは、その背景にあるカルチャーが好きなんですね。音楽と密接な関係にある雑貨やアクセサリー、衣類っていうのがこの世界にはたくさんあって、それらを自分の目で、足で直接セレクトするっていう環境に憧れがありました。
お店にCDも置いてあるということですが、どういう方のCDがありますか?
田口 今は100%つながりがある方のCDを扱っています。お店は僕だけじゃなくて、店舗に立ってもらっている2人を含め3人でやっていて、3人が知り合ってきたアーティストさんのCDをお預かりしています。バンドでもDJでもジャンルは全く関係なく。っといっても僕たちの近い所にいるアーティストさんのCDが多いので、インストバンドや、クラブミュージックのCDが多いですけどね。
知り合いじゃなくてもCDを置いてもらうことってできますか?
田口 そうですね。相談してもらえば、CDを預かることもできます。うちの店長はDJをやっているので、クラブミュージックの方面でもどんどん売り込みをして欲しいです。
もちろんある程度、店の色に合ったジャンルでお願いすることになりますが。自分たちの交友関係だけだと限界もあるし、身内感が出ちゃうので、もうちょっと幅広く展開したいという気持ちはあります。個人的にはMIX CDとか好きなんで置きたいんですけど、今の時代、公的に売りづらくなっているのが残念です。
お店に行けば、格好良い音楽を教えてもらえたりもしますか?
田口 こういう感じの探してるんですけどって声をかけていただければ、お店で取り扱っているCDを流してアドバイスすることはできますよ。
最後に今後の展望、野望を教えてください。
田口 店に関してはやはり商売なので、気を抜かずにしっかりと運営していかないといけなんですが、バンドはもっとリラックスして、柔軟に音楽を、演奏を楽しんで行ければと考えています。
一番は、「最近よくないね」とか「よくない時代だね」みたいなものに巻き込まれないで、マイペースに生きていきたい。「昔は良かった」ってよくいうじゃないですか。それっていつまでいうんだろうなって。多分、昔の人も「昔は良かった」って言っていたと思うんですよ。時代、時代のネガティブな思想でアップダウンすることなく楽しいを貫いて遊び続けたいと思います。
下北沢・南側にある雑貨・HEMP/フェスファッションのセレクトショップ。日常をちょっとだけデコレートできるよアイテムがギュっと集まっている。プレゼント探しにもオススメだ。お店の名前の由来は、音楽の「リズム」と、平和憲法の「9条」の2つを足したもの。「平和のリズム」という意味になる。 |
関連記事: