2016-07-16 12:00

2nd EP+PHOTOZINE『Sweet Sorrow.』を7月20日にリリースするharinekoにインタビュー

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2016年7月20日(水)に2nd EP+PHOTOZINE『Sweet Sorrow.』をリリースするharineko。これまでのポップかつアバンギャルドな作品とは一線を画すキャッチーでナチュラルな作品となっています。インタビューでは、作品に対する想いから、全曲解説、さらにはレコーディングメンバーの紹介まで行ってくれていますよ。

 

art work by Mayu Murota
photo & text by Shiho Aketagawa
interview & edit by Fuhito Kitahara

 
 
 

| いびつな変調子とかヘンテコなノイズとかも大好きなんだけど、それだけじゃないところでちゃんと曲を作りたい

 

   まずは自己紹介をお願いします。

 

SaChi シンガソングライターのSaChiです。harinekoは私のソロプロジェクトで、いろいろな編成でライブをしています。

 

   今作『Sweet Sorrow.』はどんな作品ですか?

 

SaChi 今回は、みんなが生きている日常の中の景色感とか「想い」をカタチにしました。その上で、POPSにもう一回寄り添うというか、今までやっていたいびつな変調子とかヘンテコなノイズとかも大好きなんだけど、それだけじゃないところでちゃんと曲を作りたいと思って作り上げた作品です。

 

   POPSに寄り添うというのは?

 

SaChi あえてPOPSを「ちゃんとやる」ということですね。POPSは大好きだけど、今までなんとなく避けてきたところだったから…。

 

   どうして避けていたんでしょうか?

 

SaChi 昔はいっぱいPOPSも歌ものも聴いてたのに、急にはずかしいというか、POPSが格好悪いみたいに思っちゃって…。なんならリズムだけで聴けるものに突き詰めていこうと思っちゃったんですよね。でも元々のコアな部分はPOPSだったり童謡だったりする。それをちゃんとフォーカスしたいなと。

 
 

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   そこで気になるのがSaChiさんの音楽遍歴ですが。

 

SaChi 元々は、3歳くらいからクラシックピアノをやっていて、いい線いってたんですけど、小学生の時にみんなが楽しそうにバスケやってるのを見てバスケ部に入っちゃって、先生がっかりみたいな(苦笑)。小・中・高校生の頃は、宇多田ヒカル、椎名林檎、Cocco、ドリカム、B’Z、チャゲアス、マッキー、ブリトニー、マライア、ビートルズ、カーペンターズ、Oasis、Jamiroquai、マイケルジャクソン、Radiohead、クイーン…流行っていたものやいわゆる名曲なんかを聴いてました。

それが、13歳位の時に、音楽好きなのを知ったおじさんがマイルス・ディビスとかジョン・コルトレーンのフリージャズをごそっとくれて。最初はわからないんだけど、聴いているうちに…フリージャズの空気感とかにリンクしちゃって面白くなっちゃったんです。くるり、ゆらゆら帝国も大好きで聴いてたし、ライブもよく行きました。あとはそうだな…、Fiona Apple、The Music Tapes、ジャニス・ジョプリン、CHOCOLATE USA、Mary J Blige、Lauryn Hill、パティ・スミス…エレクトロニカやテープコラージュ、R&Bなどなど。大学のころはハウスもテクノもディスコも聴いたりしていました。すすめられたものは何でも聴いてて、吉田美奈子とか松田聖子もユーミンも聴いたし、特に はっぴいえんど はかなり聴きこんでました。成長していくにつれて、もうごちゃまぜ状態でした(笑)

 

   なるほど。だからなのか、SaChiさんのメロディセンスは独特ですよね。聴くとわかる。

 

SaChi よく言われます。今回の2曲目「ダイヤナイト」も、弾いてるコードとメロディがとんでもないことになってるそうですし(笑)コードに対して音が取りにくいらしいんですけど、出てきてるものだからいいやって(笑)。

 
 

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| 全曲解説&レコーディングメンバー紹介

 

   ところで、今作はCDの他にPHOTOZINEもセットになってますが、どうしてこのような仕様にしようと思ったのでしょうか?

 

SaChi 音楽だけじゃないものを作ってみたい、いろんなアーティストのセンスを取り入れたいって思って。それに、楽曲の世界観を目で見ても楽しめるようにしたかった。それで、EP、PHOTOZINE、ミュージックビデオは、一貫性のあるものを作ろうと。

今回のミュージックビデオは奥田君(奥田侑史)が作ってくれてるんですけど、撮影・構成・スタイリング担当の齋藤一平君が作り上げたPHOTOZINEの世界観をそのままに取り入れながら、奥田君の世界もしっかり統合されてます。主演は女優・モデルの夏目志乃ちゃんで、彼女のかわいらしくもセクシーでちょっと切なさもある表情が本当に素敵なんです。

 

   1曲ずつ解説をお願いしてもいいですか。

SaChi 1曲目の「mornin.」は、この作品のキーですね。しょげてたり凹んでる朝に、外から聞こえてくる子供達の声や生活の音にちょっと助けられるみたいな。「みんな始まっているんだなぁ」って。周りに助けられて、自分が明るく前向きになれるって曲にしたくて。この曲は、外に向いてると思います。

2曲目の「ダイヤナイト」は、ライブにいつも来てくれるおしゃれな女の子がいて、彼女に踊ってほしいなと思って作りました。夢の世界で、夜景をオープンカーで走って、デートして、パーティーみたいな曲。でもそんなのありえないから、夢のお話で「ダイヤナイト」。

3曲目の「行きた日」は、自分の歩いてきた軌跡とか、これからの不安もあるんだけど、「帰る場所がある」「いろんなことを許していいんだ」っていう詞にしたくて。曲は、最初にリフを考えてそこから出来上がりました。この作品の中では唯一コードが多くてキメも変わってて、今までのharinekoのテイストを盛り込んでますね。楽曲の構造として面白くて、演奏しがいがあるんだけど、さらっと聴けるようなものを目指しました。

4曲目は、夜眠る寸前、今日一日あったことを回想して、終わっていくことと明日の不安や期待を込めて「return.」。1・2曲目はキャッチーに、3曲目はPOPSで、だから4曲目はみんな好きなことをしていいよと。でも、心地よさを表現したかったんです。寝ながら聴ける曲を作りました。

 

   作品を聴かせていただいて、サウンドがめちゃくちゃ格好良い!って思いました。収録メンバーについて、教えてください。

 

SaChi ドラムは前作に引き続き、とがし君(とがしひろき)です。とがし君はサンガツというバンドで「ドラムなの?」ってことをやったり、ジャズをやったり、いろんな音楽を経験していて、多様性のある優れたドラマーですね。harinekoの次の作品も、とがし君だと思うんですけど、どんな注文もリズムアレンジも受け取ってもらえるなと思っています。

ベースの右田さん(右田眞)は、技巧派なんだけど、POPS魂もあって。歩きながらイヤホンで聴いた時でも、歌とかリズムの他にベースが効いてくるっていうか、ところどころでベースが変なことしてるぞ、と。4曲目にベースソロがあるんですけど、味があって…これからも一緒にやっていきたいと思っています。

ギターのケンジ君(畠山健嗣)は、サイケな華やかなギターを弾く人で、バンドの主役になってくれてますね。一回セッションした時に、とがし君がベタ惚れして、私も一緒にやりたいなと。コード譜を見るより聞いて弾く方が早いくらい、キャッチアップが早くて、めちゃくちゃ優秀です。POPに寄ってるんだけど、ケンジ君のギターが、面白くも華やかにもしてくれて、そして一緒に歌えるのも大きかったです。

あと、sajjanuの森川君が、実はとても優秀なアレンジマスターで、スタジオに入っている時に「あ、これいいんじゃない?」「それ採用!」って感じで、より聴きやすくしてくれました。今回は「行きた日」のサビ・ブリッジ・後奏のリハーモナイズでの参加になったんですけど、メロや展開が活き活きしてきて、演奏していても凄く楽しくなりました。なので、ミュージシャンは5人って感じです。

それから、今回はマスタリングをHajime-studioのはじめさんにお願いしました。私のやりたいことを汲み上げてくれて、ドンピシャにマスタリングを仕上げてくれました。

 
 

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   ありがとうございました。最後に、今後のharinekoの展開を聞かせてください。

 

SaChi まずは、7月29日のリリースパーティーにたくさんの方に来て欲しいです。当日はKONCOS 、Takeshi Iwamoto、 ELMERと、すばらしいバンドやミュージシャンが共演してくださいます。私自身も楽しみだし、音楽が好きな方も絶対満足してくれるラインナップだと思います!harinekoはこの日限りの5人編成でのライブです。今回はツインギター。とってもレアなのでぜひ観ていただきたいですね。

次に、8月のアフターパーティー。PHOTOZINEに出演してくれたモデルの夏目志乃ちゃんと、PHOTOZINEのディレクション・スタイリング・撮影を担当してくれた写真家の斎藤一平君、MV監督の奥田侑史君にトークセッションをやってもらいます。この日は三軒茶屋のjam caféで行うのですが、『Sweet Sorrow.』の特別メニューも出るんですよ。harinekoのアコースティックセットでのライブもあるので、見応えたっぷりなアフターパーティーだと思います!

そして、新しいアルバムも作りたいですね。日常に寄り添ったアルバムを作りたい。harinekoのいろんな世界観を見せていきたいですね。

 
 

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harineko『Sweet Sorrow.』

発売:2016年7月20日(水)
価格:2,000円 (税別)
品番:HRK-002
仕様:CD+PHOTOZINE

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TOWER RECORDS ONLINEで見る

 
収録曲:
01. mornin.
02. ダイヤナイト
03. 行きた日
04. return.

 
[PHOTOZINE]
構成・撮影:齋藤一平
グラフィック・エディトリアルデザイン:宮崎希沙
ヘアメイク:DAIKI氏(OOO YY)
出演:夏目志乃

 
 


harineko – mornin.

 

harineko 2nd EP+PHOTOZINE『Sweet Sorrow.』 Release Party

 
日程:2016年7月29日(金)
時間:open18:30 / start19:00
会場:下北沢SHELTER(東京都世田谷区北沢2-6-10仙田ビルB1)
料金:前売り2,500円 / 当日3,000円(共に+1drink)

出演:harineko / KONCOS / Takeshi Iwamoto (band set) / ELMER

 
harineko ライブメンバー:
-vo.key SaChi
-gt 畠山健嗣(H mountains)
-gt 松坂勇介(QUATTRO/Lowtide)
-b フクシマヂロウ(オワリズム弁慶/peno/無敵キャンディ)
-ds とがしひろき(サンガツ/ELMER)

 
[前売り予約]
http://harineko.com/2016729sweet-sorrow-release-party/

 


harineko_artist

 
harineko

2013年からシンガーソングライターSaChiのソロプロジェクトとして始動。

様々な要素を含む「ポップミュージック」を展望し、彼女自身が作詞、作曲、編曲も行う。
奇想天外な楽曲構成や純粋なポップスなどその楽曲は幅広く、これまでに数多くのミュージシャンをバックメンバーに集い活動を行ってきた。

2013年に1st mini album「とうきょう」、同年にはテニスコーツの植野隆司を迎え1st ep「ハローさよなら」を、2014年には豪華メンバー参加のFull Album「roOt.」を発表。

2015年は活動の幅を広げるべく、SaChi個人としても各方面で作曲・作詞活動、ヴォーカルレコーディング、キーボードプレイヤー、ライブ活動に注力し、2015年後期から『Sweet Sorrow.』の企画・構成・制作に着手。満をじして2016年にリリースされる。

今作は「誰もが過ごす1日の始まりから終わり、その中で映し出される様々な景色や心情」を投影した4曲を収録し、これをもとにPHOTOZINEが作成された。バンドメンバーには、Gt畠山健嗣(H Mountains)、B 右田眞(nenem、ayutthaya)、ds とがしひろき(サンガツ、ELMER)が参加。PHOTOZINEでは、写真家 齋藤一平、女優・モデル 夏目志乃、ヘアメイク DAIKI (OOO YY)が参加。ミュージックビデオでは Lowland jazz、毛玉 のMVも手掛けた奥田侑史が担当し、PHOTOZINEの空気感を投影した見事な映像世界を作り出している。

日常の情景や気持ちを想い描きながら、harinekoと若きアーティストたちの世界に寄り添える新作『Sweet Sorrow.』では、また新たなharinekoの魅力と作風が存分に表現されている。




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