2021-05-31 12:00

Esolagotoの新作アルバム『Ephemeral』リリース記念インタビュー | 特別寄稿

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Esolagotoの新作アルバム『Ephemeral』が、イギリス・マンチェスターのレーベル「beatsupply」からリリースされました。

 
Esolagotは2016年より本格的に活動を開始したアーティストで、2019年には坂本龍一氏のラジオ番組「Radio坂本」のオーディションコーナーにて、楽曲「f l o w .」が優秀作品として取り上げられています。

 
アルバム『Ephemeral』は、これまでEsolagotoが培ってきたambient、experimental、Electronicaの技術や要素をlofi hiphopにブレンドした作品です。

 
今回、beatsupplyの公式サイトに掲載されたインタビューの日本語版を特別寄稿としてUROROSでも掲載する形となりました。

 

Interviewed by Dominic Caudr / IOM.

 
 

   何よりもまず、ニューアルバムとカセットテープのリリース「エフェメラル」をおめでとうございます。まだあなたのことを知らない人のために、簡単に自己紹介してください。

 

Esolagoto ありがとうございます!まずはbeatsupplyのお陰で自身初のlofi hip hop&カセットテープ作品をリリースできる事になったのでこの場合を借りてお礼を言わせて下さい!本当に感謝してます。特にDomには色々親切にしてもらったので感謝してもしきれないです

こんにちは!
日本の東京を拠点にアーティスト活動をしてるEsolagotoです。日本出身です。

Beatmakeは勿論コードやファンクション、メロディから音色作り、質感、ミキシング、音響処理などを自分好みに作り音楽を制作しています。

 
 

   「エフェメラル」は、あなた自身の音の世界へ大きなフィールドトリップのように感じる傑出したアルバムです。あなたはどのようにアルバム作りに取り組んでいるのか教えてください。テーマを設定して、それに沿って作品作りをするのですか。それとも、ただ思いついた作品をまとめてアルバムにしているのですか。

 

Esolagoto 普段は思いつきで曲を作ることが多いのですがEphemeralに関しては、「自分なりのlofi hiphopとlofi beatsを作る」をテーマにして制作しました。

元々ambientやelectronicaを作ってきたのでその時に培った音色作りや質感作り、小節使いを意識的にアレンジに組み込み制作にのぞみました。

また同じ曲調を量産しないように心がけたつもりなので、比較的被る曲は少ないと思うのですがその部分が伝わってフィールドトリップの様に感じられるのかもしれません。

 
 

   Esolagotoはあなたの最初の音楽プロジェクトですか。それとも過去に、別の名前で音楽をプロデュースしたことがありますか。また、Esolagotoというあなたの名前は、何かを表していますか。

 

Esolagoto はいEsolagotoは最初のプロジェクトで2016年からアーティスト活動をしています。Esolagotoとは漢字で書くと「絵空事」となるのですが日本語で現実的では無いことを意味します。

アーティスト活動を始めた時点で社会的に見ればある程度良い年齢だったので、商用作家を育成する音楽の専門学校を商用作家になれずに卒業してしまったこともあり。そんな人間がこれからアーティスト活動なんて絵空事だと言う意味合いでこの言葉がしっくりきたので使用しています。

 
 

   何、または誰があなたを音楽制作に夢中にさせたのですか。

 

Esolagoto 亡くなった叔父がギタリストだったこともあり幼少期から音楽に接している事が当たり前だったのでギターやピアノ、DJをしていた時期を経てわりと自然に音楽を作りたくなってから夢中になり今にいたります。

夢中になる直接的な要因ではないのですが特に影響を受けた音楽家は坂本龍一さんametsubさんです。ametsubさんの名前を出すのは少し躊躇があったのですが事実なのであえて記載します。

 
 

   日本、特に東京のビート&ミュージックシーンについてどう思いますか。コロナ禍以前に行っていたお気に入りのイベント、ショップ、クラブなどについて教えてください。

 

Esolagoto まずコロナ以前は渋谷のwombやcircus、vision、liquidroomというクラブに好きなアーティストが来る時に良く行ってました。あとは北千住にあるjuicebarrocketというjuicebarで友達とイベントを開催した事があります。

音楽シーン全体について思うことは昔に比べて音楽を作り配信すること自体が安価になりつつあるので個人的な作風が増えていくと思います。あと映像も作れる事も当たり前になりつつあるので、その2点を踏まえてニッチを見つけれる目がある人が生き残っていく気がします。

東京のシーンについては良いインディーレーベルがあったとしても数年後には活動維持をしているケースが少ないと思うので良質なレーベルがもっとアーティストに対価を還元できる形で増えていくと良い気がします。

 
 

   たくさんのビートメーカーがこの記事を読むので、もう少し踏み込んだ内容について、例えば、お気に入りのアナログギア、vstプラグイン、またはその他のあなたが共有したいものがあれば教えてください。あなたはどのようにして、特別なlagotoソースを作っているのでしょうか。

 

Esolagoto アナログギアはTascamのcassettetape MTRとBossのDr sample sp 303を所持していますが、Ephemeralに関しては「アナログ機材を使わずにlofiを再現する」がコンセプトだったのでそれらは使用していません。

Plug inはwavesのAphex aural exiterとL3 Multimaximaizer以外ableton 8の既存pluginのみを使用しています。

今回はlowpass を掛けたトラックをoverdriveを挿したsendtrackに送って歪みだけでHI成分の質感や輪郭作りをリソースしたのが一番多く行った作業だったと思います(今までやらなかった試みです)。

 
 

   ソースといえば、家で料理するときの得意料理は何ですか。不思議なことに、多くのミュージシャンは料理に熱心だと感じます。おそらく、それはトラックのミキシングにすごく似ていますよね。

 

Esolagoto コロナ以降良くパスタを作ります。特にエビのラグートマトソースというのが好きで良く作ります。

後はyoutubeを見ながら色々挑戦してます。確かに具材を入れる順番や素材に見合った塩分などの調整を逆算して作るのでミキシングに類似してますね笑

 
 

   あなたが音楽制作をしていないときはどのような感じですか。

 

Esolagoto お酒のんでamazon primeで映画みたり。
のら猫に餌あげたり。
最近だと週に二回短い時間走ったり。
彼女と会ったり。

 
 

   あなたに与えられた最も役に立つアドバイスは何ですか。または、あなたはどのようなアドバイスをしますか。そして最後に、あなたは人々の心に何を残したいと思っていますか。

 

Esolagoto 「カッコ良さに+毒を盛り込む」が僕にとって生涯一番のametsub さんから頂いたアドバイスです。

僕からのアドバイスは。
「理想を語る前に実行する」ですかね?
自分にも言えることなので製作中の座右の銘でもありますが。

心にという事じゃないと思いますが、僕の曲を聴いて何か映像喚起してくれれば嬉しいです。その人の過去のワンシーンでも、いつか見た景色でも、なんでもです。ふと脳内に過ぎって頂ければと。
音を見て欲しい気がします。

 
 

   貴重なお時間をありがとうございました。

 
 


Esolagoto & 3branches – clatter
Tokyo Rooftop Session / 24.04.2021 / Photo by Sayuki

 
 


Esolagoto – Ephemeral [full album]

 
 

 
Esolagoto『Ephemeral』

発売:2021/4/29
価格:デジタル 700円 / カセット 1,230円
レーベル:beatsupply
仕様:デジタル / カセットテープ

※カセットは5月17日発送開始。5月下旬〜6上旬到着予定
※カセットテープのみボーナストラック1曲収録

 
販売:
Amazonでみる(デジタル)
beatsupply WEB SHOP(カセット)
中目黒Waltz(カセット)

 



 
Esolagoto

2016年より本格的にアーティスト活動を開始
2018年fumin.レーベルよりスプリットEp「panacea」をリリース。
2019年坂本龍一氏のラジオ番組「Radio坂本」のオーディションコーナーにて「panacea」収録曲「f l o w .」が優秀作品として取り上げられた。
同番組常連のアーティスト「3branches」とのコラボレーション曲「wan-od」を同年にリリース。

2021年自身のスタイルをlofi hiphopに落とし込んだ作品「Ephemeral」をイギリスのレーベル「beatsupply」からリリース。

 

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