BimBamBoomメンバー5人UROROS初インタビュー 。xiangyuとのコラボシングル「そぼろ弁当」配信リリース | 特別寄稿
女性ドラマーの草分け的存在とも言える山口美代子率いる「嵐を呼ぶ女性5人組」オルタナティブファンクバンド・BimBamBoom(ビンバンブーン)が、今年2月22日に女性アーティスト・xiangyu(シャンユー)とのコラボ配信シングル「そぼろ弁当」をリリースした。
なんとも興味をそそるタイトル、実力には定評あるバンドが初のコラボ作品を出すに至った経緯は?そして個性的なタイトル、個性的なMVができた理由は?UROROS初のメンバーインタビューが実現した。
インタビュアー:ポール豆口
| ボーカリストを迎えてという企画をいつかはやりたいなって思ってました。
リリースおめでとうございます
一同 ありがとうございます。
UROROS初インタビューということで簡単に自己紹介とアピールポイントを読者にわかりやすくお願いします。
山口美代子(以下:山) ドラムの山口美代子です。アピールポイントは体力です!
田中歩(以下:田) キーボード田中歩です。手の指の第1関節だけ曲げられます。
矢元美沙樹(以下:矢) テナーサックス矢元美沙樹です。唐揚げ好きです。
マリーヌ(以下:マ) ベースのマリーヌです。チャームポイントと言われている口元のホクロがマスクでいま意味ないです。
岡愛子(以下:岡) ギターの岡愛子です。アピールポイントなんてない人生を歩んでます。
はい、非常にわかりやすい自己紹介ありがとうございます。w。さて今回は女性アーティストとのコラボ作品ということですが、今までもこうしてコラボ作品を出されたことありますか?
山 音源では初めてですね!イベントやライブでは何回かコラボはやりましたが、例えば久和田佳代さん、うつみようこさん、TRI4THの織田さん、OKAMOTO’Sのショウくんととか・・・
そしてxiangyuさんともシェルターで一緒にライブしましたね。
山 そうです。xiangyuさんとは一昨年、BimBamBoomプロデューサー・s-ken(エスケン)さんといとうせいこうさんのイベントで一緒になったのがきっかけで、それから下北沢SHELTERのイベントにもお誘いして2マンライブが実現して・・・。その2マンライブで、どうせならxiangyuさんと最後に1曲共作で新曲を作ってライブで披露しよう!ってなって作ったのがこの「そぼろ弁当」なんです。そのとき配信のみのライブだったんですけど、実際に最後にこの曲を披露したら見てくれたお客さんやスタッフからすごく良い反響もらえまして。これはリリースしたいね!って流れになってレコーディングすることにしたんです。
私もネットで拝見しましたが、あの日は2組がそれぞれ自分たちのライブをしつつ、xiangyuさんの曲を途中ビンバンブーンの生演奏で披露したり、とても濃いイベントでしたよね。
山 ありがとうございます。xiangyuさんと出会えたことも大きいし、元々、インストバンドにボーカリストを迎えてという企画をいつかはやりたいなって思ってました。オリジナル作品3枚出せて自分たちのスタイルも少し確立できたんじゃないかなってタイミングで、いつもと違うエッセンスを取り入れようと思ってこのコラボ企画をスタートさせたんです。
岡 いい曲だったんでライブだけではもったいないなと・・。
| 強い女性像って自分にとって「母親」。
共作とのことですが、曲作りはどんな感じで進めていったんですか?
マ もともと何曲かデモテープがあって、それをxiangyuさんに聞いてもらって選んでもらって。そこから歌詞を考えてもらったんです。
田 仮タイトルはその時は「GQOM」でした。s-kenさんもGQOM音楽にはまってて・・・。
じゃあ作詞はxiangyuさんにお任せ?
山 ある程度は「こんな方向性、内容で」と提案したんですけど、そこからはお任せで。
ちなみにどんな方向性を伝えたんですか?言える範囲で構いませんので。
山 「強い女性像」みたいな。笑。ざっくりなんですけど、BimBamBoomのライブも激しくて強いステージングなので、媚びない女性、かっこいい女性の内容にしてほしかった。
そのオーダーで「そぼろ弁当」って来たわけですか?笑。
マ めっちゃインパクトあるな!って。笑。
山 何がくるんだろう?って期待もしてたけど、そうくるか!って。
一同 さすが!って。
山 xiangyuさん曰く、強い女性像って自分にとって「母親」だって思ったようで、それで毎日同じ弁当を作ってくる母ちゃんの歌になったって。笑。
| あ、音価です。
曲と歌詞が出揃ったわけですが、ここからライブ、レコーディングするにあたって、各々アレンジにこだわった所や苦労した所あります?ドラムの山口さんから。
山 GQOMってリズムを1曲通して叩くってとても大変で・・・リズムの核をどうするか?に苦労してて・・・ようは4つ打ちは4つ打ちだけど、スネアのポイントが1拍目と3拍目の16分音符のポイントがどこまで跳ねるか?ストレートにするかとか?あとその2拍目と4拍目を普通に裏に入るところのポイントの置き方とか、どう「どっしり」させるか?に苦労しました。けっこうライブが先だったから、ライブのノリでやるとコロコロ転がって行っちゃうんで、もっと「どっしり」させたかったんで。・・・・え?こんな詳しい話していいの??笑
オッケーです。ベースもいきましょう!
マ どこで盛り上げようか?って考えたけど、こういう曲調っていい意味で「ずっと一緒」っていうのが肝だし、それでいかに気持ちいいかを追求しなきゃって思ってたんで、みよちゃんと2人でけっこうスタジオ入ったりしました。
ほお〜そんなことしてたんですね!じゃあキーボードは?
田 いまの2人の話を聞いて思ったんですが、その2人の「どっしり」の上にただ乗っかった。ていうだけですね。笑。どっしりと「伸ばす」部分と細かくリズムに合わせて「刻む」部分はストーリーを気にして差別化してみました。
ソロもカッコいいですよね!ハモンドが刻んでいて気持ちいいです。さてギターは?
岡 xiangyuさんと初めて一緒にスタジオ入った時、s-kenさんも来てくれて、「もっと愛子っぽく弾いてほしい」って言われて、で、ギターソロを自分らしくしてみました。
あのギターソロも印象的ですよね。
岡 ありがとうございます。あと後半の「効果音」的な空間系部分などはより面白い広がりができたのでよかったです。
サックスは?
矢 特に考えたのはオンカが何がいいのか?は気にしましたね。
オンカってなんですか??
矢 あ、音価です。音を伸ばす所、音符1つ1つの長さのことです。フレーズの切る場所、ちょっと伸ばす所をどこにするか?をかなり気にしましたね。レコーディングではいちおうソロをあらかじめ考えてきてはいたんですけど、1個も披露できませんでした。笑。結果その場のアドリブになりました。
それって世のミュージシャンあるあるですよね?
矢 そうそう!そんなもんなんですよね・・・考えてきたことや用意してきたことが本番にその半分以下しかできないとか・・・でも用意は大事!笑
| もう臨場感ハンパなくて、なんかすぐ泣いてしまったんです・・・
なるほど、そんなこんなで、できあがったわけですね!今回はなんとMV(ミュージックビデオ)もメンバー、ギターの岡愛子さんが監督脚本撮影編集すべて担当して作ったとのことですが、、、
山 去年コロナ禍のなかで、メンバーの中でライブができなかったから映像をたくさん作ろうってなって。その流れで、じゃあMVも作っちゃおう!ってなりまして。
岡 わりと制作時間がなかったので、どうしようかって悩んだんですけど、時間がないから「演奏シーン」ってのが真っ先に浮かんだんですけど私あんまり「演奏シーンだけ」のMVってやりたくなくて。さらに面白いことできないかって考えて、歌詞をかなりみて「母への感謝」とか「親子愛」とかそんなことを表現できないかと思ってました。
そうなんですね。
岡 最初、ドキュメンタリーを作ろうと思ってたんですけどね。笑。いろいろブラッシュアップしたりして、絵コンテを描いていきました。出演者には参考になる映像を切り取ってまとめたものを事前に渡したり。お母さん役に実際主婦をしている友達にお願いしたり。
山 絵コンテと参考映像もらって絶対面白くなるって思いました。
田 親子の戦闘(喧嘩)シーンとかあって・・・笑
岡 そぼろ弁当を作る料理シーンと演奏シーンだけだと個々に別々になっちゃうんで戦闘シーンとか入れて繋げてみたんです。
山 xiangyuさんが娘役で、親子をちゃんと出すって発想、喧嘩にまで発展してBimBamBoomがちゃんと絡んでいて、すごいなって思いました。そうそう、それで映像に「そぼろ弁当」が必要になって、お母さん役の方に作ってもらって・・・
え?あの出てるお母さん役の方が作ったんですか?
山 そうです。それでその「そぼろ弁当」をジャケットにも使えないか?ってデザイナーさんに話して急遽ジャケットに採用したり。笑
すごいポンポン進んで行ったんですね!撮影はどんな感じだったんですか?
岡 カメラ1台でやりました。笑
え?すごいですね。
岡 当日の時間も限られていたし、アー写撮影もしなきゃいけないので、分刻みでどんどん撮っていきました。演出に関しては、当日みんなに助けられましたね。エンディングのジャンプするシーンも実際何回かやって揃わなかったんですけど、メンバーが大きな声でカウントしてくれて。
マ あれって三脚でカメラを置いてあいこちゃんがスタートボタン押して、メンバーに混ざってジャンプして、カメラに戻って行って映像チェックして「揃ってなかった!もう一回!」ってやってて。笑。
岡 ほんと時間なかったので撮った絵を確認する時間もなかったので、正直1、2シーン撮り損ねた所あります。カメラ回ってなかった。笑。
演技のシーンもありましたね?
岡 私自身、演技のシーンを撮影するのが初めてだったんで色々参考映像を用意して準備はしてたんですけど、xiangyuさんとかお母さん役の方に逆に助けられました。いろいろ本人から「どういう感じで倒れればいいですか?」とか聞いてきてくれて。それをちゃんと汲んでくれて演技してくれたんで。で、BimBamBoomのメンバーも演技シーンあったんですけど、最初そんなにメンバーに演技力を求めてなくて「茶番」でもいいと思ってたんですけど、いざ「スタート」するとちゃんとみんな演技してくれてて、本当予想以上のものが撮れてよかったです。
結果、時間通りに進んだんですか?
岡 10分くらいおしたくらいです、笑。あと撮影の時、寒かったから、みんなに苦労かけました。
一同 いやいやぜんぜん!!
途中にある、あの戦闘シーンはどういう意図で?
岡 いや、単純に戦闘シーン撮りたかったんです。笑。なんか歌詞を見ても、普段は素直になれない2人、でも本当はお互いを想っているっていうことを戦闘シーンにして表現してみました。
5人の演奏シーンもありますが自分のシーンは誰が撮ったんですか?
矢 あれは私が撮りました。笑。撮るときの足の動きとかあいこさんに教わって。本当あいこさんの撮り方すごいですよね??あの足の動きむずいっす。笑。
山 そうそう、あのシーンを撮影してるとき、あいこ泣いてたよね。。。
岡 そうなんです。。。最後にxiangyuさんにお弁当箱をあけて笑顔になるシーンがあるんですけど、そのときも「どういう気持ちで開ければいいんですか?」と聞かれて、「いったんお弁当をなにかわからないけど開けてみたら、そぼろ弁当だったって気づいて、それで嬉しい、ありがとうって気持ちでこっち向いて笑ってほしい。。」て言ったら、それを一発で理解してやってくれて、しかもそれをカメラで直で彼女の表情の動きをすごい高画質で見るわけじゃないですか、、もう臨場感ハンパなくて、なんかすぐ泣いてしまったんです。。。初体験でした、カメラ越しに泣くって。笑
山 そうそう!!「はい!OK!」って言いながらあいこ泣いてるから〜〜。。
矢 印象的だった〜
マ あの表情撮れてすごいって思います
いろんな意味ですごいMVができましたね。結果とても良かったんじゃないかと。
BimBamBoom feat.xiangyu “そぼろ弁当”(Official Music Video)
岡 そうそう、あとBimBamBoomのみのMVも作ったんですよ。
え??さらに???
岡 はい。まったく関連性のないものより少しでも関連性のあるものを作ろうと思って、xiangyuさんとのMVは、そぼろ弁当を作る過程になっているから、メンバーは「そぼろ弁当」という「曲」を作る過程を撮りたいって思って、レコーディング風景をドキュメンタリー風にしてみました。そしたらリンクするって思ったんで。
こちらも見応えありますね!よく短時間で2つも。。って思いました。今後もこのコラボ企画が続く予定とのことで、次はどんなアーティストとどんな曲ができて、そしてどんなMVができるのか楽しみにしてます。
一同 ありがとうございます。もう次を作り始めているんで楽しみにしててください!!
BimBamBoom “そぼろ弁当” (Official Music Video)
BimBamBoom × xiangyu『そぼろ弁当』
発売:2021年2月22日(月)
価格:500円
仕様:デジタル
収録曲:
1. そぼろ弁当(feat.xiangyu)
2. そぼろ弁当(BimBamBoom ver.)
Photo By Takayuki Sasaki リーダーの山口美代子のもとに、田中歩(key)、Maryne(Ba)、岡愛子(Gt)、矢元美沙樹(T.Sax)と若き精鋭たちが集結。「ファンク・ミーツ・パンク」と称されるユニークなサウンドが特徴。技術と経験に裏打ちされたリズム隊の骨太なグルーブの上に、軽やかなキーボードとアグレッシブなギターが疾走し、テナーサックスがリードする。ジャンルの壁を自由に飛び越え、見るものを引き込み踊らせていく先鋭的なパフォーマンスで注目を集めてきたインストゥルメンタルバンド。
ニューオリンズ、メンフィス、フィラデルフィアなどのR&B、ファンクミュージックのルーツを徹底的に吸収し、ジェームス・チャンス、リップ・リグ・アンド・パニックなどのニューウェイブやコーラス・ワークをブレンドして独自のオルタナティブファンクサウンドを確立。
xiangyu 2018年9月からライブ活動開始。 日本の女性ソロアーティスト。
読み方はシャンユー。 名前は本名が由来となっている。
南アフリカの新世代ハウスミュージック、GQOM(ゴム)のエスニックなビートと等身大のリリックをベースにした楽曲で関東を中心に勢力的にライブ活動を行なっている。 |
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