整骨院が主催の音楽フェス!『林整骨院音楽祭2018』ライブレポート&フォトが到着。”みんな優勝!”で大盛況の中終了
2018年11月4日(日)に開催された音楽フェス『林整骨院音楽祭2018』のオフィシャルライブレポート&ライブフォトが到着した。
林整骨院音楽祭は、その名のとおり栃木県真岡市の整骨院「林整骨院」が主催する異色の音楽フェス。
今回は昨年2017年に続き2回目の開催で、宇都宮HEAVEN’S ROCK VJ-2を舞台に、UNDER SOCKS / VOGOS / Limited Express(has gone?) / 水中、それは苦しい / NINGEN OK / あらかじめ決められた恋人たちへの6組が出演した。
2回目の開催となった“林整骨院音楽祭2018”
“みんな優勝!”で大盛況の中終了
text by Mami.T
photo by kontroller
昨年異色のフェス開催が話題を呼んだ『林整骨院音楽祭』が、今年も宇都宮に帰ってきた!
栃木県真岡市にある林整骨院の副院長 林世詩成(よしなり)氏が、昨年から立ち上げたこのイベント。「ローカルに根付く整骨院とローカルに鳴らされる音楽が、地元の音楽シーンに一石を投じる気満々です。」とSNSで所信表明といえる発信をした林氏。
第2回目となる今回の開催は、イベントを通じてどのような景色を見られるのか。
以下、「林整骨院音楽祭2018」出演の6アーティストのレポート。
UNDER SOCKS
主催の林氏に『この強力な県外のバンドたちに立ち向かえるのはこのバンドしかいない!』と言わせた、栃木県鹿沼市出身”UNDER SOCK”が登場。
今日が久々のステージとなる彼らは少しの緊張感を持ちつつ、それを音楽にぶつけるようにこの日のライブをスタートさせる。
ザクザクと刻まれるギターリフとドラムのリズムに、体を揺らし始める観客。
先月発売のアルバムから多くの楽曲を披露する彼らから緊張感が次第に抜けてくると、不思議と観客も拳をあげはじめフロアに一体感が生まれてくる。
地元栃木のバンドとして出演した彼らはトップバッターとしてふさわしい存在感を示し、UNDER SOCKSのライブは終了した。
VOGOS
続いての登場は、”VOGOS”。
ライブスタートの最初の1音目が始まると同時に、今か今かと待ちわびていた観客の熱が見えるように爆発。フロアの熱を上げに上げまくるサウンドは、観客の熱に呼応するようにより疾走感を増すばかり。この疾走感を待っていたと言わんばかりに拳をあげる観客、渦巻くフロア。とどまることを知らない。
最終的には主催の林氏がフロアで胴上げされ、熱狂の中VOGOSのステージが終了した。
15分のライブが終わった後、フロアで熱狂の渦に揉まれていた観客が思わず”最高”と呟いていた、あの横顔が忘れられない。
Limited Express(has gone?)
VOGOSの余韻をフロアに残しつつ、続いての登場するのは”Limited Express(has gone?)”だ。
YUKARI(Vo)のシャウトと共に変幻自在のリズムが縦横無尽にフロアに駆け巡り、観客の熱に再び火をつける。印象的なギターリフと思わず体を縦に揺らしてしまうドラムのリズムの「MOTHER FUCKER」から、YUKARIの「林先生、いくぞー!!」の掛け声から始まった「Discommunication」と観客が息をつく暇を与えず熱狂の渦をまく。VOGOSアザミ(ba)に担がれたYUKARIがフロアの熱をさらに押し上げる「ギャーギャー騒げ」、マイクをベースに持ち替えたYUKARIと谷ぐちが入れ替わり披露された「useless」、さらには新曲まで披露され、熱は最高潮に達する。
ラストを飾る「This world is too small for me」では、三脚をフロアへ運んだYUKARIを中心にサークルモッシュが渦を巻く。最後には谷ぐちがフロアに降り、モッシュをしていた観客と共に林氏を本日2回目の胴上げ。
怒涛の音の波に乗せられた30分間。観客はもちろん、この日を楽しみにしていると発信していたYUKARIのパワー溢れる姿が忘れられないものとなった。
水中、それは苦しい
ここから林整骨院音楽祭2018も後半に突入。アコースティックギター、ヴァイオリン、ドラムからなる”水中、それは苦しい”がステージに登場する。
挨拶がわりに「農業、校長、そして手品」からスタート。疾走感のあるサウンドに体を委ねていると、一転センチメンタルなメロディーに早変わり。続く「安めぐみのテーマ」から「おっと!オトタケ」で、メロディーと歌詞のキャッチーさで完全に観客の心をガッチリ掴む。目の前で繰り広げられる”水中、それは苦しい”の世界に、ステージの方へ引きずりこまれる。
そしてまた早いビートを刻むドラムと掻き立てられるヴァイオリンの音が見事な調和の「じゆうけんきゅうのめがみ」「仕上げはおじいさん」。言葉のチョイスに目が行きがちだが、メロディーのかっこよさをストイックなまでに追い求められている。
最後は、哀愁感ある「芸人の墓」を披露して、”水中、それは苦しい”のライブは終了した。
観客を引きつけてやまない”水中、それは苦しい”の世界は、40分という時間があっという間に感じるほどだった。
NINGEN OK
林整骨院音楽祭がスタートして、もう間も無く3時間が経とうとしている。続いては、林氏が実際にライブハウスで知り合った人達に”あらかじめ決められた恋人たちへ”と対バンで見たいライブは何かとリサーチした中で、名前が多く上がった”NINGEN OK”が登場する。
幕が開き、NINGEN OKはすでにステージの上。観客は一斉にステージに目を向けるが、すぐには演奏が始まらない。どのくらいその状態が続いただろうか。集中力を限界まで高め、静まり返った空気を切り裂くかのようにドラムの音が鳴り響く。切り裂かれた空気の中に、爆音のギター、駆り立てるようにタイトなリズムを刻むドラム、そして彩りあるキーボード。1音1音聞くたびこの先どんな音楽が待ち構えているのか、引き込まれる展開に体が自然と動き出す。
最後の曲ではありったけの熱を放出させるかのようなライブアクトに、観客の感情を昂ぶらせていく。
見るものに確かな炎を焚きつけて、ステージを後にした。
あらかじめ決められた恋人たちへ
ついに、この時が来た。
林整骨院音楽祭は、あるアーティストの出演を心待ちにしていた。
本日最後のアクトを飾る”あらかじめ決められた恋人たちへ”が、ついに栃木県で初めてのライブを行う。
幕が開き、ステージには池永、GOTO、劔の3人。暗がりの中で響く重低音、せり上がってくるリズムに自然と体が動き出す。ステージにあらかじめ決められた恋人たちへのメンバー全員が揃い、池永が手を振り上げるのを合図に、迫り来る轟音が響きわたる。妖艶なテルミンの音色、体が弾むダブのリズム、洪水のように体に押し寄せるギターノイズ、エモーショナルなサウンドが観客の熱気を上げて行く。
ダークな世界の中で蠢くサウンドから一転「back」が始まると、待っていたとばかりに歓声が上がる。多幸感のあるメロディに乗せられ、観客の熱気も最高潮。躍動感のある”前日”から、このイベント本編をしめくくるのは、「Calling」。まるでイベントのエンドロールを見ているかのような、感傷的な感覚に陥る。
観客の拍手に促され、行われたアンコールに選ばれた楽曲は「ラセン」。
会場にいる者すべてを高揚させる圧倒的なライブパフォーマンスに対し、観客から惜しみない拍手が注がれた。
番外編
転換時のBGMには前回林整骨院音楽祭に出演したバンドの楽曲の他、主催の林氏が最近ライブに足を運び感情を動かされたアーティストの楽曲などが流れていた。
また今回からバックドロップやフラッグが掲げられ、イベント会場に華を添えた。
ライブパフォーマンスの他に、今年もHEAVEN’S ROCK 宇都宮 1FロビーではFOODと整体が展開。人気ラーメン店ジラフがこの日のために販売する台湾ご飯と代々木公園伊藤整体整骨院ブースには、常に人で溢れかえっていた。
昨年に引き続き、開催2回目。昨年の初開催で感じた喜び悔しさすべて、林氏は今回のイベントにぶつけてきた。その結果が観客の熱い反応に現れていたし、出演アーティストもその思いに答える様な素晴らしいステージであった。
”自分周辺の環境を、自分の居心地のいいものに変えていこう”、そのメッセージをダイレクトに肌で感じたイベントだった。
林整骨院音楽祭2018 |
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