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今年4月にリリースした5年ぶりのオリジナル・ニューアルバム「ゴマサバと夕顔と空心菜」がロングセールスを続け、6-7月にはNHK「みんなのうた」で佐藤徳之丞（ひばり児童合唱団）とのデュエットソング「ウェイクアップ！パパ！」がオンエアされるなど精力的に活動中のHARCO。

 
全国弾き語りツアーが続く中、40歳の誕生日・2015年10月16日（金）に初のバースデー＆リクエストライブ『HARCO with PIANO 2015 – 40th Birthday Special – Request Night !!!』を下北沢WORKSHOP LOUNGE “SEED SHIP”にて行った。

photo by オグロエリ

 
同会場では「HARCO with PIANO」というタイトルのピアノ弾き語りライブを以前から不定期に行っているが、今回はスペシャルな企画ということもあり、チケットは早々にSOLD OUT。開演前から超満員の会場は熱気に包まれていた。

 
そんな中、お馴染みの会場ということもあり、気負いのない雰囲気で登場したHARCO。ライブは「ピアニストの恋ごころ」からスタートした。ピアノ弾き語りライブという状況とぴったりマッチする楽曲で会場の空気をぐっとつかむパフォーマンスをみせる。この日のライブは、ライブ予約時に受付けたリクエスト曲からの選曲となり、かなりスペシャルな内容になる予感。2曲目「ジャングルクルーズ」後、「今日で僕は40歳になりました！」とバースデー宣言を朗らかに。リクエスト曲が78曲に上ったことや、17歳でバンドのドラマーとしてデビューしてから23年の時が流れたことなどを、HARCOらしくコメントしていた。

 
「今日はこのピアノを船に例えて、40代という海に漕ぎ出します！」というトーク後、波の音のSEと共に歌いだされた「江ノ島ラプソディ」からGOING UNDER GOUNDのカヴァー「ハミングライフ」を含むノンストップ5曲コーナー。バンドサウンドのギターソロまでもピアノ弾き語りで再現したBLUE BOY「言葉にできなくて」。「時間を巻き戻します！」と「巻き戻す時間」からの14曲メドレーなど、未発表曲や懐かしい曲などイベントライブではなかなか聴けないセットリストの中、MCでは楽曲にまつわるトークで客席とのコミュニケーションをとりながら、HARCOの歴史を会場のみんなで振り返るような温かいムードでライブが進んでいく。

photo by オグロエリ

 
終盤はリクエスト数の多かった名曲が続々と。同率5位の「メニュー」「お引越し」でぐっと聴かせ、4位「winter sport rainbow」のサビの合唱でほっこりと盛り上がる。3位「Two Tone」と2位「Night Hike」のパフォーマンスでは心地よいリズムに観客も自然と体が揺れて、一体感を感じるステージに。

 
そして、「かつて一番スランプだった時にできた歌で、この曲があれば”いつでも這い上がれる”と信じている曲です。堂々の1位！」との紹介から演奏された「1分の1の地図」。HARCOのポップワールドに会場が飲み込まれた本編ラスト曲であった。

 
熱いアンコールの拍手に迎えられ、ステージに戻ったHARCOにサプライズが。「Happy Birthday to You」の歌と共に、料理創作ユニット・Gomaの中村亮子さんがスペシャルなバースデーケーキを持って登場。驚きながらも4本のローソクを勢いよく吹き消したHARCO。中村さんの「ポップ職人のHARCOさんなので、40歳にしては可愛いケーキと思いながら敢えてポップに仕上げました」という説明に照れながらも「本当にありがとう！」と中村さんをステージから送りだした後、「ペンを置いたって」を丁寧にパフォーマンスしてほっと安堵の表情でステージを後に。

photo by オグロエリ

 
しかし、スペシャルなライブの終わりを惜しむ客席からの拍手は鳴り止まない。「では、本当に最後の1曲を」と悩んだ末に選んだ「風力発電の街」で、全22曲（メドレーを入れると全36曲）の2時間を超える初のバースデー＆リクエストのピアノ弾き語りライブは幕を閉じた。ポップ・マエストロHARCOの乗った船は順調に40代の海原へと漕ぎ出したのだった。

 
この日はシンプルにピアノと歌でHARCOワールドを構築したライブだったが、次回ワンマンは12月24日（木）吉祥寺スターパインズ・カフェでのクリスマス・ライブ。また違った魅力満載のステージになるであろうバンド編成でのワンマンライブが、今から待ち遠しい。

photo by オグロエリ