第十五食『大山・ハッピーロード商店街のパインクレープ』| 食漂譚~バンドマン東京グルメ紀行~
第十五食『大山・ハッピーロード商店街のパインクレープ』
text & photo by 淋梅毒(Super Ganbari Goal Keepers)
この連載で何度か、大学時代はJR線池袋駅・大塚駅・東武東上線北池袋駅の3駅を線で結んだ真ん中ら辺に住んでいたと書いた。その当時、東武東上線沿いに中・高・大それぞれの友人が何人か住んでいたので、大山駅・上板橋駅・東武練馬駅にはよく行った。
その中でも、大山駅の商店街「ハッピーロード」には度肝を抜かれた。マイナーな駅なのに、とにかく人が多い・活気がある・距離が長いの3拍子で、初めて訪れたときは「なぜこんなところにこんな場所が!?」とびっくりするくらいの賑わいだった。
ハッピーロード大山 ~貴重映像でつづるその歴史とルーツ~
平日休日問わず終始地域住民が闊歩しており、しかも、商店街の終点の店が川越街道とぶつかるところのジーンズメイト大山店なのだが、駅からそのジーンズメイトに至るまでがとにかく長い。店々も昔ながらの和菓子屋さんやお茶屋さん、惣菜屋、チェーンの飲食店、パチンコ屋など充実している。
今回訪ねたのはハッピーロードのほぼ中間点にあるクレープの店・ピエロ。
僕はショートケーキやフルーツサンドなど生クリームものが大好きなので、もちろんクレープも言わずもがななのだが、一つ世間に問いたいことがある。
「パイナップルのクレープがある店が少なすぎる!!!」
イチゴは仕方ない。これはもう王様であり女王だ。生クリームと合わせた時の相性も他の果物の比じゃない。甘みと酸味のバランスや、紅色の美しさ。イチゴはケーキでもフルーツサンドでもクレープでも全てにおいて一位のタネで構わない。ただ、それと同じくらいクレープにおける「バナナ&チョコソース」が定番なのは、昔からずっと「?」だ。大体甘いクリームにもっと甘ったるいものを合わせてどうするんだ。もたれてしょうがないじゃないか。相当ラインナップが充実したクレープ店でないとパインのクレープはなく、いつも淋しい思いをする。吉祥寺の老舗・クレープハウスサーカスにはちゃんとあった。原宿は沢山クレープ店があるが、そんなにパインのはなかった。
イチゴには及ばないものの、パインの酸味はクレープ生地と生クリームとの調和がいいバランスで成り立っていると思うんだが、読んでいる人は共感してくれるだろうか。
さて、このピエロのクレープは生地はしっとり柔らかく、パインの量とクリームのバランスも申し分ない。店の前は家族連れで賑わっており、小さい子供に親がクレープを食べさせてあげている光景が微笑ましかった。
…… 二十代前半の当時に戻れるなら、ここに住むのもアリだったかな。
================
次回は、「秋津・春駒のピーマン焼き」をお送りします。
過去の記事はこちらから
お知らせ
コラム『食漂譚~バンドマン東京グルメ紀行~』は、毎月15日をめどに更新する予定です。
淋梅毒(りん・ばいどく)
現在OTOTOYで両A面シングル「レコードコレクターズ / 世界は俺を中心に終わっている」の配信と、特設サイト「SGGKメンバーが影響を受けた50枚」を公開している。 twitter: SGGK代表曲「植物人間系男子」PV |
関連記事: