2016-02-02 19:00

第十食『大塚・実弟と行った北大塚ラーメン』| 食漂譚~バンドマン東京グルメ紀行~

食漂譚-第10食

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第十食『大塚・実弟と行った北大塚ラーメン』

 

text & photo by 淋梅毒(Super Ganbari Goal Keepers)

 

僕には二つ年下の弟がいる。外見も性格も、まったく似ていない兄弟だ。今は実家の富山で働いている。おおざっぱでO型の僕に比べて、弟はB型で几帳面、部屋は常にきっちり整理整頓されている。幼い頃スーパーファミコンのストⅡをやるときも、僕がリュウを選んだら弟はケン、ザンギを選んだらE.本田と、必ず同タイプのキャラクターを選択してくるという徹底ぶりだった(あんまり関係ないか)。

唯一共通点があるとすれば、弟も僕もスーパーに買い物に行く前に事前にリストを作ったり、今月やるべきことや今後欲しいものを箇条書きにして壁に貼ったりiPhoneにメモするところが似ている。しかし僕はそのメモや携帯を家に置き忘れることが多い。

 
弟も大学時代は東京におり、下宿は大塚だった。富山の実家にいた頃は上京してお互い都内に住むとは微塵も思っていなかったので、不思議なものだ。一ヶ月に一回は池袋や大塚で夕飯を食べたり、必要なものを借りに弟の部屋を訪ねたりしていた。ちなみに今使っているテレキャスターは弟のものだ。

 
兄弟姉妹がいる友人に話を聞くと、あくまで自分の周りだけかもしれないが、弟が今なにやってるか全く知らないとか、アメリカだったら射殺しているくらい姉が嫌いとか、正月帰省しても一言も喋っていないとか、何やら胸中穏やかじゃなく、絶縁・疎遠状態の人が多い。リア充の弟のtwitterをこっそり監視しているなんて人もいたな。とにかく、何だかマイナスイメージというか、積極的に兄弟のことを話そうとする友人も少ない。強いて言えば自分の周りだと友人同士のように仲が良いのはショウヘイマン兄妹くらいじゃないだろうか。

 
僕の場合は、至って適度な兄弟関係だ。毎日顔を合わせていると性格が全然違うのでお互いにしんどくなってくるかもしれないが、たまに会うくらいならちょうどいい。だがしかし、中高生の頃に同級生がよく言っていた、「兄ちゃんにAV借りてさあ~」とか「エロ本買える本屋教えてもらってさ~」みたいな会話は、絶対無理だ。家族間で性や異性の話をするのは、今後も一生絶対にないだろうし、弟も同じように思っているはずだ。だから、そういう会話を普通に出来たり、年末のガキ使を家族揃って楽しく観ている話を周りから聞くと、やっぱり家庭によって文化も距離感も全然違うんだなあと感慨深い。(ダウンタウンの番組は親に見つからないようにこっそり観ていた)

 
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写真1

 

弟と行った店で特に記憶に残っているのは、大塚駅近くにある北大塚ラーメンという店だ。上澄み油が多めで正油味のスタンダードなスープに、中ストレート麺、トッピングには半分に切った固ゆで卵と、四角く切ったチャーシューがびっしりと丼に並ぶ、目玉商品のチャーシュー麺をこの時は頼んだはずだ。外は寒く、店に入った瞬間湯気が凄くてメガネが一瞬で曇ったのをはっきりと覚えている。どちらかというと呑みのシメに一杯といった感じのラーメンなのだが、弟は「美味いね!」と今まで行った店の中でも特に気に入ってくれたようだった。あの後一人で行ったりしたのだろうか。

 

食漂譚-第10食
↑今回は普通のラーメンを頼んだ。
チャーシュー麺や「激辛」と名の付くメニューの方をお勧めしたい。

 

今回久しぶりに店を訪れたのだが、行列こそないがひっきりなしに客が回転していて、なおかつ店に入らないまでも赤いちょうちんの前で脚を止めて、食べようか食べまいかラーメンの誘惑に逡巡しているホステスとおっさんの二人組などもいたりと、中々に支持されている店なんだなと思った。

 
 

ここ大塚は結構なラーメン激戦区で、「鳴龍」、「夢あかり」、ちょっと離れるが「志奈そば 田なか」などの実力派から、それこそ駅を出てすぐに「ホープ軒」「長浜ラーメン ぼたん」など、お酒と相性の良い店もある。女性客も多い「太陽のトマト麺」もある。まだ未訪だが、「煮干そば 暁」という人気店もできたようだ。そういった競合店がひしめくエリアにあって、駅から少々歩く、人気のない裏路地にあるこじんまりとしたこの店に人々が集っているのは、興味深い光景だ。

 

写真4

写真5

 
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そういえば弟と僕の共通点がもう一つあった。働くおっさん劇場という深夜番組がお互い大好きなところだ。弟はその働くおっさんの中の一人、野見さん主演の映画を横浜に観に行き、たった一人で舞台挨拶をしていた野見さんにサインをしてもらったようで、北大塚ラーメンを食べた後僕が部屋に寄ったときに嬉々とその色紙を見せてくれたことを今思い出した。

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次回は「芝浦・焼肉はるみのセンマイ刺し」をお送りします。

 

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お知らせ

コラム『食漂譚~バンドマン東京グルメ紀行~』は、毎月1日と15日をめどに更新する予定です。

 

umezawa

淋梅毒(りん・ばいどく)
1986年富山県生まれ。Super Ganbari Goal Keepersのドラマーとして活動中。
学生時代はドキュメンタリー監督・森達也の元で4年間メディア・リテラシーを学ぶ。
https://twitter.com/officeRBD

 

SGGK

 
Super Ganbari Goal Keepers(スーパーガンバリゴールキーパーズ)
2011年に結成。略称SGGKとして都内で活動中。
アルバム「Cang Gang Pops(宦官ポップス)」が流通盤として、各レコード店で販売中。草食系にすら食われてしまう、植物系ロックバンドとして、音楽雑誌「SGGKマガジン」を作ったり、SODクリエイトの人気AV「しゃぶりながらシリーズ」に楽曲が採用されたりと、独自の活動を続けている。

現在OTOTOYで両A面シングル「レコードコレクターズ / 世界は俺を中心に終わっている」の配信と、特設サイト「SGGKメンバーが影響を受けた50枚」を公開している。

 
SGGK 公式サイト:
http://sggkeep.flavors.me/

twitter:
https://twitter.com/sggk_ganbari



SGGK代表曲「植物人間系男子」PV

 

SGGK ライブスケジュール

 
LADY FLASH企画『シムシティvol.2』

日時:2016年2月6日(土)
会場:渋谷RUBY ROOM
時間:open18:00 / start18:30
料金:未定

出演;
LADY FLASH
花泥棒
NAISHO
alicetales
Super Ganbari Goal Keepers

 
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Muffin Pillow企画『banana shake,fish bowl』

日時:2016年2月20日(土)
会場:高円寺スタジオDOM
時間:open17:30 / start18:00
料金:door ¥1000

出演:
Closh
Muffin Pillow
Super Ganbari Goal Keepers
TEENAGE SLANG SESSION
クラーク内藤
脱妄ズ
and more

DJ:ショーン
food:らくがッキー

*Super Ganbari Goal Keepersは、この日よりリードギター休業につき三人編成となります





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