噂のカオスパーティーが4年振りに復活!廃病院パーティーの魅力に迫るフニャ院長独占インタビュー
2019年1月19日(土)に文化祭型音楽フェス『廃病院パーティーVOL.4』の開催が決定しました。
東京・初台の廃病院を舞台に、音楽を中心にあらゆる”面白いこと”を詰め込んだこのイベントは、他メディアからカオスパーティーと称されることも。
今回の開催は4年ぶりとのことなので、廃病院パーティーの魅力や”面白いこと”について、代表のフニャ院長こと、きたはらふひとさんにお話を伺いました。
それではよろしくお願いします!
まず、廃病院パーティーを、立ち上げたきっかけからお聞かせいただけますか?
廃病院パーティーを始める前に、さいたまスタジアムで行われていたとあるフェスの主催者を代理で1年だけやったんです。そのときに箱庭の室内楽のハシダ(カズマ)くんがお客さんとして遊びに来てくれて、「新しいフェスを何かやりたいんだよね」っていう話をハシダくんにしたら、「良い場所があるよ」って教えてくれて。それで玉井病院を一緒に見に行ったんです。
ハシダさんとタッグを組んで始めたところからだったんですね。
さいたまスタジアムでやったフェスは結構規模が大きかったんですけど、その前に「廃校フェス」っていう廃校を使ったフェスにも参加したことがあって、それが今の廃病院パーティーに近い感じなんです。教室ごとに出し物があったり体育館でライブをやったりしていたフェスで、そっちの方が規模的に自分には向いているんじゃないかなって。
お客さん一人一人に対して、この前フライヤー渡した人来てくれたんだ!とか、このお客さん楽しんでる!と分かる規模の方が僕は好きで。それは多くても500人くらいまでなんじゃいかなと思ってます。もちろ1000人とかもっといっぱいのお客さんが集まってくれて、わーってやるのも楽しくていいんですけど、主催者からすると考える時間もなく忙しくて。
うーん、お客さんの数がすごいですしね。
廃病院パーティーの第1回目は僕も遊んじゃって。「主催者が見つからない!トイレの紙切れたんだけど!」みたいなこともあって……。笑
大変だ。笑
反省して2回目以降は本部にいたりしたんだけど、出演者もスタッフも遊べちゃうくらいの規模が良くて。スタッフも、大きいフェスだと仕事みたいになっちゃうと思うんですよね。
たしかにそういうイメージはありますね…。
どのフェスもボランティアスタッフさんに参加してもらってると思うんですけど、お給料を支払ってる訳でもないのにずーっと駐車場の担当だとか外で何かしてもらってたりだとか、そういうの本当に可哀想だなって。
だから「廃病院では遊んで!」って言ってます。仮装してくれてもいいし、交代でスタッフやりつつ好きなライブも観に行こうよと。実現出来てるかと言われれば難しい部分もあるんですけどね。
ちょうどボランティアスタッフの宣伝にもなりますね。笑
ほんとだ!ありがとうございます!笑 ぜひご参加いただきたい!楽しいんで!
廃病院パーティー院長のきたはらふひとさん。ダイエットには何度も成功し、そして何度も失敗しているそうです
| 面白いところがあったら紹介してください!
第1回が終わったあと、次回を開催するのってハードルがすごく高かったんじゃないかなって思うんです。
僕が主体的に続けようって思った気持ちはもちろんあるんですけど、それよりもスタッフのみんなが後押ししてくれた感じです。打ち上げをやったときにみんなで、「楽しかったね、今年もう一回やろうよ!」って話になって。笑
グルーヴが生まれちゃって。笑
なので、第1回を2013年の6月にやった後、第2回を同年の12月にすぐやったんですよ。
だから自分の中でやるハードルは全然高くなくて。5cmくらいのハードルをスタッフに押されて飛び越えたみたいな。笑
そこから第3回で一度ファイナルと銘打った後、今回は4年空いて復活となったわけですよね。復活できた理由というのはなんだったのでしょう?
ファイナル(第3回)は2014年の9月だったんですが、会場との諸々の事情があって最終回になるってことが事前に分かってたんです。何か悪いことやったわけじゃないですよ。笑
第3回はチケットも売り切れてお客さんもいっぱい来てくれました。そのあとは、次の会場を探したんですけど全然見つからなくて。
それはやっぱり病院にこだわったんですか?
いや、全然!それこそ廃校フェスをやった場所にも行ったし、倉庫やキャンプ場とか警察署を模して作った撮影スタジオとか色々見てに行って。
4年も経つと流石に当時のスタッフさんにも声をかけづらくて一人で下見に行ったりとかしていて。
どこか面白いところでやりたいという気持ちがずーっとあって。
そうそう。この4年の間にUROROSというニュースサイトも始めたんですけど、やっぱり僕はフェスをやりたいっていう気持ちがあったんだと思う。
そんなときに、4年も経ったし廃病院パーティーの会場だった玉井病院をまた使わせてもらえるんじゃないかなって思って、試しに電話してみたら「いいですよ」って。笑 それであれよあれよと開催が決まって。
いやぁ、本当に復活おめでとうございます。
ありがとうございます!面白い場所を見つけようと思ったんですけど、東京は条件が揃うところがなかなかなくて…。廃病院パーティーのインタビューなのに申し訳ないんだけど、どこか面白いところがあったら紹介してください!笑
今まで場所ありきでフェスを考えてきたんですよ。サッカースタジアムだから、廃病院だから、こういうことをやろうとか。 だから色々やってみたいんですよね。廃ビルとか……浄水場とか?笑 すごいうるさそうだけどね。笑
インタビューを受けている態の写真。実際は子供の頃に見たという謎の光について話しています
| 場所だけでもエンターテイメントが始まってる
その点で言うと、廃病院パーティーだから面白くしたい部分ってどんなところがありますか?
例えば過去は【仮装コンテスト】をやったりとか。イベントの一環としてタイムテーブルに組み込んじゃって。笑
出演者でもスタッフでもお客さんでも誰でも出演していいコンテストなんですけど、一回目はスタッフが投票で優勝しちゃって、ディズニーランドのチケットかっさらっていきましたよ。笑
今回も期待ですね!笑
第二回からは【プレゼント交換会】ってのもはじめました。1500〜2000円くらいの物を持ち寄ってもらって。音楽が止まるまで隣に回していって、自分の物になったプレゼントをその場で開けて発表していってもらうっていうのが結構面白くて!
これ実は目玉イベントなんじゃないかなって。笑
面白そう!
音楽イベントという前提はもちろんあるんだけど、それとは別に音楽以外のことも充実させたいんですよね。例えば全バンド知らなくても、たとえ音楽が嫌いな人でも楽しめるようにしたい。
各病室でお医者さんごっこをやってたり、落語があったり授業があったりとか。
第2回ではお化け屋敷を作るプロの方々にお化け屋敷を作ってもらったりしたこともありました。
あの場所だから文化祭みたいに出来るじゃん!って思って。文化祭って音楽だけじゃないですからね。
ちなみに廃病院の中にはどんな場所があるんですか?
実際に14〜5年くらい前まで病院として使われていた場所なので、病室はもちろん、手術室や診察室やナースステーションもあるし、ICU(集中治療室)なんかもあったりするんです。……霊安室とかもあったり。
霊安室……。
あと、なぜか教室もあるんですよ。狭いですけどね。そこで授業をやってもらったりとか。
その隣には美術室があったりします。
よく分からなくなってきました。笑 ライブステージがその中にいくつかあるんですよね。
そうですね。地下にドラムが置けるステージがあって、地下の別の場所ではバーがあったりして。
今度はバー!笑
わけわかんないですよね。笑
第1弾発表で言うと、バーステージにはおやすみホログラムさんやVチューバーのミソシタさんとかに出演していただく予定です!1階には病室をふたつぶち抜いたような部屋があって、そこではアコースティックっぽいライブをお願いしようと。
あと、集中治療室ステージにはPURRE GOOHNさんというレコードレーベルにキュレーターをお願いしています。なので現状は4つのステージがありますね。
(第1弾発表のアーティストを見ながら)想像が膨らんでしまいますね。
そう!だから僕、計20回くらい下見に行ってるんですよ。笑
それだけ念入りに見てるんですけど、毎回わくわくしちゃって面白いんですよね。場所だけでもエンターテイメントが始まってるのに、さらにこんなところでライブやるの?っていう。
うんうん。それをぜひ一人でも多くの方に体験しに来ていただいて。
13時に始まって21時に終わる一日中のイベントなので正直長いと思うんです。でも飽きないと思うんですよね。
もちろん好きなバンドを目当てに来てもらいつつ、それを見たら後は出会いの時間!いろいろ楽しめると思います。
こちらもインタビューを受けている態の写真。実際は宇宙の終焉について話しています
| 場のカオス感がすごいですよ。笑
ちょうど今、病室使用団体を募集しておりますけれども、ジャンル問わずなんでも歓迎みたいなところがありますよね。(注:病室使用団体の募集は終わりました)
病室を好きに使ってほしくて。とにかく面白いこと、とんでもないことをやってくれと。笑
お客さんにも楽しんでもらいつつ、こんなことやってる人たちもいるんだよ!って紹介をしたいんですよね。それにチームの宣伝としても使ってほしいんです。そのチームがいろんなところでイベントとかをやれるようになったら嬉しいじゃないですか。
そして今回も病室使用団体とは別のくくりでパフォーマーをお呼びしていて。
パフォーマーって言ったら大道芸的なイメージが普通あるかと思うんですけど、廃病院パーティーではそれとは違っていて。出演者としてホームページには載ってるんだけど、何も役割はないんです。笑
犬のマスクとかすごく凝った衣装を着ている人たちがただ会場にいて、なんか楽しんでくれているだけっていう。笑
ライブ見てくれたりとか、ふざけてたりとか、お客さんと写真撮ってたりとか。
いいですね。笑 マスコットキャラみたいに、スタンプラリー的な感覚で見つけたら写真撮ってもらったりして。
そうそう!気安く応じてくれると思います。いるだけでもう場のカオス感が面白いですよ!お客さんも仮装して来てくれたりとかしますし。笑
もはや音楽イベントと言っていいのかわからないくらいです。笑
お呼びしているアーティストを見ても廃病院パーティーっぽさのようなものがあるような気がしていて。
ブッキングは僕だけじゃなくブッキング班を作って担当してもらってるんですが、毎回夜中から朝までスカイプ会議をしているんです。
自分たちが見たい/お客さんに見てもらいたいアーティストという前提がありつつ、一年後とか二年後とかに「あのときの廃病院パーティーのメンツ凄かったね」って言ってもらえるようなアーティストを呼ぼうよって話はしています。前回(第3回)の出演者を見ると、こんな人たちがよく出てくれたな!って思うんですよね。こんな貧乏パーティーなのに……。笑
だから今回も知らないバンドやアーティストもいると思うんですよ。大きいフェスでもそうじゃないですか。でもフェスって出会いの場だと思うので、「こんなカッコいいバンドいたんだ!」とか「こんな音楽があったんだ!」って思ってもらえるブッキングをしているつもりです。
その話は病室使用団体とも重なりますよね。
こんな面白いことをしている人たちがいるんだ!っていう発見がありそうなところが。
例えば、ジャンルを絞ったほうがもしかしたらお客さんはいっぱい来てくれるかも知れないけど、そもそもそういうことは考えてないというか……俺が馬鹿だから!笑
アーティストのラインナップを見ると、ジャンルレスながら廃病院でやるっていう面白さが通じているところがあるかと思うんです。過去の開催で、印象的だったライブはありますか?
本当に毎回面白いんですけど、第1回目にはおとぎ話さんがトリで出てくれたんです。
お客さんが全員座って見てくれて、すごく和気あいあいとしていて……。
その風景を見て廃病院パーティー成功したんだなって思って。良いライブをやっていただいたんですよ。
現段階ではありますけど、今回の見どころを挙げるとすればなんでしょう?
繰り返しになりますけど、僕たち自身がすごく見たい、そしてお客さんに見てもらいたというブッキングをしてるつもりなので、たとえ今は知らないアーティストがいても、ライブを見てもらえばすごく好きになってもらえると思います。それが見どころですかね……?
廃病院でライブを見られる!っていう楽しみもありますよね。
そう!もちろんそういう選び方もしてます。
それに、病室使用団体で言えば、今回も【覆面マッサージ】をやってくれるS-KEEP PROMOTIONさんが参加してくれます。S-KEEPさんは海外のプロレラーやレーサーのマッサージとかを行なっているすごい人たちなんですけど、廃病院ではなぜか覆面を被ってマッサージしてくれるっていう。笑
謎ですね。笑
みなさんプロの格闘家とかトレーナーだったりするので、やっぱりすっごい力があって。正直痛いんですけど、終わったあとは身体がめちゃくちゃ軽くなるんですよ。だからライブとライブの間にはぜひマッサージを受けてもらいたいですね。
白衣のボタンがいつハジケ飛ぶかハラハラしていて、インタビューどころじゃないと密かに思っている写真
| 気の弱い僕たちの為のちょっと悪ふざけパーティー
廃病院パーティーのサブタイトルは、第1回目から「気の弱い僕たちのためのちょっと悪ふざけパーティー」なんですよね?
僕は気が弱くて、こんなことやって怒られないかな…?とか毎回心配なんです。
だけどこのパーティーだけはちょっとだけ悪ふざけしちゃってもいいんじゃないかなって。
病院っていう場所柄、毎回「不謹慎だ」っていう声もあったりするんですけど、あの場所だからこそ気の弱い僕たちもちょっと解放されちゃうというか、「いっそちょっと怒られちゃうくらいのことやろうよ」って感じで。笑
そうですね、一年に一度くらいは。笑
廃病院パーティーって名前にしても、「フェス」とは付けてないんですよ。
フェスって特別な祝祭感があるイメージで、イベントは普段仕事帰りにライブハウスによったりとか日常の延長のイメージなんですけど、パーティーがその中間なのかなって。後付けですけどね。笑
面白そうなことを集めたホームパーティーの規模を大きくしたイメージが湧きます。
そう、ホームパーティー!だから気負わなくても気負ってくれてもどっちでもいいよっていう。笑
サンダルで来てもいいし、超おしゃれしてきてくれてもいいし。それぞれの楽しみ方をしてくれればいいかなって思います。
一人でも友達とか家族と一緒でも絶対面白いと思うし、意外かもしれないですが赤ちゃんや子供と一緒に来てくれる人も結構多いんですよ。エレベーターもありますし。
もし一人で来るのが怖かったりしたらスタッフになってくれてもいいし。 もちろん忙しくはなると思うけど、見に行きたいライブはなるべく見に行かせてあげたい。 全部の希望は叶えられないと思うけど、ぜひ応募してほしいですね。
そうですね、ちょうど募集の宣伝もはさみつつ。笑
ちなみに、気が早いかもしれませんが、廃病院パーティーは今後も続けていかれるんですか?
次回のこととかは全く考えてないですね。もしかしたらこれでまた最終回になってしまう可能性も…。東京のド真ん中でこういうことやるのはすごく難しくて。これで最後のつもりで楽しいパーティーを作り上げたいと思っているので、ぜひぜひ遊びに来ていただきたいです。
ありがとうございました!これにてインタビューを終了したいと思います。
最後に一言いいですか?打ち上げは台湾でやろうって話をしてます。日時と集合場所だけ決めて、自費で来れるやつだけ来いっていう。笑
……俺だけだったらどうしよう!!笑
何を食べても飲んでも美味しいですが、焼き野菜のポークカレー、和風タコライス、かぼちゃのチーズケーキ、そして自家製ジンジャエールが絶品とのことです(院長・談)
廃病院パーティーVOL.4
[ラインナップ(※第2弾発表時点)] ライブアクト and more |
過去の写真
スタッフも思い思いに仮装している。公式サイトではボランティアスタッフさん募集中ですよ
病室では落語も
プロの格闘家やトイレナーによるマッサージも(なぜかみんな覆面)
今回は兵庫の野外フェス『ONE MUSIC CAMP』主催チームによる「野外フェスの作り方」の授業も行われる(写真は前回授業をやってくれたゆーきゃんさん)
特に波風も立てず猫と犬と平穏に暮らしている廃病院パーティーの院長(代表)。人間的に終わっているが、それを他人に指摘されると怒る。最近、新しいスピーカーを買って音楽っていいなあと再認識しているらしい。読んでも読んでも終わらない長編小説が好き(ロードオブザリング、ハリーポッター、新平家物語、私説太平記とか)。UROROSという音楽情報サイトの運営も行なっている。自分でも音楽を作ってみたいと思っているとかいないとか。 https://twitter.com/kitaharafuhito
邦楽インディーズレコメンドブログ「音楽八分目」とデイリーレコメンドタンブラー「Ongaku Wankosoba」を使って、レビューやインタビューやライブイベントをなんやかんやしています。 http://hachibunme.doorblog.jp(音楽八分目) |
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