2018-11-04 10:00 Fuhito Kitahara

小説×音楽プロジェクト『奇跡と退屈』第2弾で、長嶋有の小説「パラレル」のエンディングソングをあら恋の池永正二が制作

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小説×音楽プロジェクト『奇跡と退屈』の第2弾が公開された。

 
このプロジェクトは「小説にエンドロールを」をテーマに掲げ、アーティストが小説のエンディングソングを毎月発表していくというもの。小説を読んだ後に楽曲をプレイすることで小説の余韻をさらに広げる、新しい小説の読み方・音楽の聴き方を推奨している。

 
第2作となる今回は、池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)による楽曲「パラレル」が10月31日に配信リリースされた。

 
この楽曲は、長嶋有氏の小説『パラレル』のエンディングソングという設定で、小説の世界観を詰め込んで生まれた楽曲だ。

 
小説を読み終えた後に聴いてみよう。

 

奇跡と退屈 Book.2 「パラレル」
http://kiseki-taikutsu.com/library/library002.html

 

池永正二によるコメントが発表された。

生きているということは死んでいないということで、
死ぬまでずっと日々は続いていく。
「パラレル」はずっと続く日々の中、朝昼夜が繰り返し廻っているようで、
その半径は時に小さくなったり大きく逸れたり、
元の場所に戻ってきたように思っても違う場所だったり、
違うところに辿り着いたと思ったら同じ場所だったり、
何かあったような、なかったような、
結構ほんとに辛かったんだけど、
なんとか日々は日々のまま、積み重なり、
おはよう、おやすみ、こんにちわ、さようなら、
そんな小説だから、エンディング曲はずっと続いていく曲にしたかった。

小説「パラレル」最後の一行終わりから一間空けて黒味、
この物語の象徴的にフィードバックから始まり、いろんな楽器がゆっくり入ってきて、
次の展開(Aメロ、Bメロ等)に進む度にその直前に一瞬ブレイク(立ち止まり)、
歩く速度ですこし盛り上がったらまた一瞬立ち止まって(ブレイク)、
始まりの温度感に戻って歩く速度で、
終わりそうで終わらない、
始まりそうで始まらない、
でも確実に始まっていて、
確実に終わっていく、
死なない限り生きている、日々はずっと続いていく、
続きは続きを続けていこう。

池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)

 

 
池永正二「パラレル」

発売:2018年10月31日(水)
価格:200円

Amazonでみる

収録曲:
1. パラレル

 
 

 
長嶋有・著『パラレル』

発売:2007/6/10
価格:540円(Kindle版)
出版社:文藝春秋

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妻の浮気が先か、それとも僕の失職が原因か?ともあれ僕は、会社を辞め離婚した。顔面至上主義のプレイボーイ津田と、別れてもなお連絡が来る元妻、そして新しい恋人…。錯綜する人間関係と、男と女の行き違いを絶妙な距離感で描く長嶋有初の長篇。斬新な構成と思わず書きとめたくなる名言満載の野心作。

 



 
池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)

1976年大阪生まれ。トラックメーカー、コンポーザー、鍵盤ハーモニカ奏者。
叙情派シネマティック・ダブ・バンド“あらかじめ決められた恋人たちへ”を1997年スタート。
これまでに7枚のアルバムを発表。フジロック等、幾多の大型フェスに出演。
2017年、リアレンジ・新録音したベスト盤「20th BEST」をリリース。リキッドルームにて20周年記念特別企画興行を開催。
鍵盤ハーモニカ&テルミンによるセンチメンタルなメロディとベースミュージックを通過した踊れるバンドグルーブ、叙情的でシネマティックなサウンドが特徴。
また映像的なセンスを持った音楽性が高く評価され、テレビ『宮本から君へ』(監督:真利子哲也)、映画『武曲MUKOKU』(監督:熊切和嘉)、『モヒカン故郷に帰る』(監督・沖田修一)、『味園ユニバース』(監督:山下敦弘)の劇伴、山下達郎「REBORN」(映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』主題歌)の門脇麦Ver.のアレンジ、舞台「パンク侍、斬られて候」(原作:町田 康 / 脚本・演出:山内圭哉)の音楽等を担当。

 

長嶋有(ながしま・ゆう)

1972年生まれ。2001年、「サイドカーに犬」で文學界新人賞を受賞し、小説家デビュー。同作で芥川賞候補となる。02年、「猛スピードで母は」で芥川賞受賞。07年、『夕子ちゃんの近道』で大江健三郎賞受賞。16年、『三の隣は五号室』で谷崎潤一郎賞受賞。『タンノイのエジンバラ』『パラレル』『泣かない女はいない』『ジャージの二人』『佐渡の三人』『問いのない答え』『愛のようだ』『フキンシンちゃん』など著書多数。

 

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