5月20日・21日開催!『青空camp2017』緊急対談。世界で一番小さな野外フェス、その魅力を語る
5月20日(土)・21日(日)に静岡県のハートランド・朝霧で開催される自称・世界で一番小さな野外フェス『青空camp2017』。2012年にスタートして今年で6回目の開催を迎えるにあたり、代表のマサキさん、SARATOGAのテツヤさん、SAIRUのKoheiさんに集まってもらい、これまでの歴史を振り返りつつその魅力を存分に語ってもらいました。
text by Tomomitsu Iwasaki
text,photo by Shiho Aketagawa
interview,edit by Fuhito Kitahara
interview at kitchen & bar MORIS
| いつからか、SAIRUにだけは負けられないってなって
きたはら(司会) 本日はよろしくお願いします。まず自己紹介をお願いします。
マサキ 青空camp代表のマサキと申します。
Kohei SAIRUのKoheiと申します。バンドではガットギターとサンプリングをやっています。
テツヤ SARATOGAのテツヤです。ディジュリドゥをやっております。
きたはら 皆さんはどのようにして知り合われたんですか?
マサキ SARATOGAは、青空campを始めた時にテツヤ君から出演したいという連絡をいただいて、それから皆勤で出演してもらっています。
テツヤ まだ音源発表もなく何も実績のない時に連絡したのに一発返事で「やりましょう」と言ってくれて。それから毎年呼んでもらっています。SAIRUに出会ったのはその後ですね。
Kohei 2012年の『あわのネ』というイベントにSAIRUが出演した時に、マサキくんが遊びに来ていてライブ後に声をかけてもらいました。その後、飲みに行き「青空campに出てくんない?」というオファーを居酒屋でしてもらって、そこからは毎年出演しています。
さらに言うと、青空camp出演後にウマがあって遊んでいたら仲良くなって、気がついたらマサキ君がSAIRUのレーベル・マネージメント代表になってました(笑)。
テツヤ 俺とコウヘイくんはBIGJOINTというイベント時にマサキさんがSAIRUっていうすごい気持ちのいいバンドがいるって教えてくれて、そこで初めて出会った感じですね。
いつからかメンバー全員でSAIRUにだけは負けられないってなって(笑)。ライブが毎回すごく良いから!
左から青空camp代表のマサキさん、SAIRUのKoheiさん、SARATOGAのテツヤさん。みなさん、よろしくお願いします!
| 主宰が楽しいって最高だよね
きたはら 青空campはマサキさん1人で始められたのですか?
マサキ もう1人相方がいます。相方は高校の同級生で卒業後10何年かぶりに再会して、彼が「フェスをやってみたいんだよね」という話をしてくれて。「じゃあ、やろうか!」と言う感じで始まりました。居酒屋で決まることばっかりですね(笑)。
きたはら 主催者同士の役割分担みたいなのはありますか?
マサキ 代表ということもあり表に出るのは僕なのですが、分担はハッキリしてます。相方はデザイン関係やホームページの管理、スタッフ関連、コンセプト出しなどの所謂内部業務をしてくれてます。
僕は全体の判断・予算管理以外は、出演者さん、音響さん、出店者さん、会場さん、お客さんなどの対外業務メインの担当。驚かれることも多いのですけど、お客さんへのメールや手紙も本当に僕が書いてます。そのおかげで差し入れも大量にいただいてます(笑)。
僕は今日のインタビューでもビールを飲んでいる様な感じのなので、裏で支えてくれる真面目な相方あっての青空campです。
きたはら 相方さんがこのフェスをやろうと言ってくれたとのことですが、それまでお二人は何かフェスやイベントを開催するなど経験があったんですか?
マサキ 僕はフェスはやったことなかったんですけど、クラブイベントをやったりしていたのでそれもあって声をかけてくれました。相方は全くの未経験でした。
きたはら じゃあ1年目は本当に未経験という感じですね。
マサキ 本当に何も分からず、こういった取材やプレスリリースの出し方も知りませんでした。初期衝動だけでやってました。
Kohei 今はフェスの主催者がスタッフをやってくれるのもいいよね。
マサキ 宙音というフェスの主宰者のタケちゃんがスタッフの取りまとめをやってくれています。
きたはら それはありがたいですね。当日の負担が減りますね。
マサキ タケちゃん以外も信頼できるスタッフが集まってくれるので、当日の僕はBEER飲んでるだけで主催者が遊べるフェスです(笑)。スタッフの皆には本当に頭が上がりません。とはいえスタッフもローテーションを組んで、遊べるようにしてます。
Kohei 俺らもイベントを企画したりして分かるけど、主催者が遊んでないイベントは面白くないなって思います。
テツヤ 主催者が楽しいって最高だよね。
| 小さいから、お客さんと遊べる
きたはら みなさん東京にお住まいと伺いましたが、静岡で開催したのは何か縁があってのことなんですか。
マサキ 僕は千葉出身で千葉で場所を探していたんですが、思う様な場所を見つけられなかったんです。そんな時に今の会場のハートランド・朝霧のオーナーさんと別のフェスで出会い、「ハートランドでフェスをやりたいんですけど」と相談したところ、「カモンだぜ」というお言葉をいただき(笑)会場が決まりました。
ハートランドはロケーションが素晴らしくて、ステージから見て目の前に富士山があるのでバンドは気持ち良いと言ってくれます。夜の星空も半端ないので、これも絶対体験して欲しい。
きたはら いただいた資料によると、「自然の中で自由と不自由を感じて欲しい」とありますが、これはどういう意図があるんでしょか?
マサキ 会場にはそこまで遊ぶものがないし、キャンプの設備などもすごく充実しているわけではないので不自由に感じる方もいると思います。でも逆に最低限のマナーさえ守っていただければ、自由に考えて遊べます。
ライブを楽しむのは勿論なのですが、一日中何もせずに富士山を眺めてダラダラするのも自由。ひたすら美味しいものを食べたり、お酒を飲んでもいい。隣のテントの方と仲良くなるのもいい。美味いキャンプ料理片手にナンパしてもいいと思います(笑)。
今って、スマフォ一台でかなり事足りちゃうじゃないですか?なので青空campの二日間くらいは自然の中で色々と考えて、直接に人や音楽・物事に触れ合って過ごしてもらえたら嬉しいです。そうは言いつつも利便性という点では今年から改善している部分もあり、車をキャンプサイト近くまで入れることができるようになりました。
きたはら ライブが行われるのは1日目だけで、2日目は音楽を止めるとのことですが、これはどうしてでしょうか?
マサキ 大人になると遊ぶ時間が減るじゃないですか。なので、ゆっくり遊ぶ時間を作りたくて。
2日目は12時まではワークショップをしたりご飯を食べて、14時にはCLOSEとなります。会場は綺麗にしてお返ししたいと思うので、12時からはファームクリーンという形でゴミ拾いへのご協力もいただいています。
Kohei 二日目にチルしながら飲むビールも最高だよね。
きたはら 今後、規模を大きくしていこうとは思ってますか?
マサキ 以前は思っていたんですけど、今は規模を大きくしたいとは思わないですね。小さいから、お客さんと一緒に遊べるってことだろうなぁって。
きたはら 普通のキャンプフェスだったら複数のステージがあって、音楽を聴きながらキャンプをしたりワークショップに参加すると思うんです。その点、青空campはある意味強制的に音を止めたりするのが面白いなと感じました。そこにはこだわりがあるのでしょうか?
マサキ 音にまみれる野外フェスも好きなんですけど、時間に追われる感じがあるじゃないですか?僕は長野の『木曽鼓動』というフェスが大好きだったんです。それが青空campのモデルになっています。木曽鼓動は1ステージのみでお客さんもBBQしたり、テントサイトでまったりしながら自由に遊んでいる空間がめちゃくちゃ楽しくて。
なので青空campでも転換中のDJは入れないし、ライブ見てメシ食って、それでまたライブ見てみたいな感じで1日目の21時くらいにはもう音止めして、そのあとはキャンプを楽しんでもらっています。
Kohei すいませーん。瓶ビール2本くださーい。
一同 (笑)
きたはら 今年初めて行ってみようという人や、キャンプフェスに慣れていない人もいると思うので、最低限必要なものを教えてください。
マサキ テントと寝袋さえあれば大丈夫です。飲食の持ち込みは自由なのですが、美味しい飲食出店がありますので是非そこも楽しんで欲しいです。初めて青空campに来ていただく方には、目の前の富士山を楽しんで欲しいです。あとはゴミの持ち帰りだけはご協力をお願いします。
それ以外は、みんなでバーベキューして、ビール飲んで、ライブ見て、ビール飲んで、みんなで遊んで、ビール飲んで(笑)
Kohei 結局飲んでばっかりっていう(笑)。
| 奇跡的なライブ
きたはら コレまでの5回を振り返っていただいて、記憶に残るエピソードなどあれば教えてください。
Kohei 個人的には2015年がすごかったですね、SARATOGAの出演が夜だったんですけど、雨が降ってて幻想的で奇跡的なライブだった。あれは100万人でもノックアウトできたよねってくらいすごかった。
テツヤ 全面的に霧になって、俺の楽器が楽器なので、なんか特殊な人みたいな人になっちゃって(笑)
マサキ 神みたいなね(笑)
テツヤ 体感として残ってるんだよね。あの時を超えなくちゃいけないけど、自分たちにとらわれてはいけないと思ってます。良いライブをやってるバンドを超えられれば、あの時を超えられるかなぁと思って。
マサキ トリでもないのに、、アンコールの声が多すぎて演らざるおえない状況で。
Kohei なのにアンコールの曲が8秒。奇跡的でめちゃくちゃかっこいい。雨さえも演出的で味方になったよね。
マサキ お客さんが雨の中踊ってるのを見て、カッコつけた言い方すると「俺、間違ってなかったなぁ」って。
テツヤ いやでも2015年は抜群にすごかったですね。でもそう思うと、その前の年くらいからですよね、青空campがキレはじめたの。
マサキ ブッキングに俺の趣味が多めになってきて(笑)。青空campは他のフェスとは違いを出したくて、ジャムバンドだけじゃなくてパンクバンドだったり、普段ライブハウスに出てるバンドに出演してほしいと思っていて。
きたはら 出演する側から見て青空campとはどんなフェスでしょうか?
テツヤ やる側から考えると、ステージが1個なのでサウンドチェックがやりやすいんですよね。音が止まったら皆さん各々ビール買いに行ったり、テントに戻ったり、遊びに行ってしまったりするので。転換DJもないしね。
Kohei でも、公開リハーサル感が恥ずかしい時はあるよね。だからフェス用のリハを事前に作る感じにはなってきたよね(笑)
テツヤ 俺らもリハーサルで曲やるならセットリストに入ってない曲で一曲やろうみたいなことを考えたり、リハーサルのまま本番に入ったりしたりとかしてますね。
→まだまだ続きます!
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