作品解説

目の前のある現実をじっと見つめながら、書き起こされた ”人生に作用するポップス”。
決して忘れられない、エバーグリーンなメロディを ”今” 刻み込んだ稀代の名曲集 『RIGHT TIME』。

2021年上半期に大きな話題となったカンテレ・フジテレビ系連続ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」主題歌STUTS & 松たか子 with 3exes「Presence」。松たか子が歌う、本楽曲のメロディ ＆ リリックをSTUTSと共作し、メロディメーカー、そしてリリシストとしての非凡な才能を知らしめることとなったソロ・アーティストbutaji。

そんなbutajiが満を持してのアルバムをリリース。ライブ・パフォーマンスにおいても特筆すべき点である＜エレクトリックなトラック・メイキング＞と＜フォーキーな生演奏＞、この2つの幹が大きな成長を遂げています。
海外の名盤のみならず、90s以降のJ-POPも大切にそばに抱えてきたbutaji。だからこそ、誰もが親しみを感じれる珠玉のメロディが自身によるサウンド・メイキングに加え、音楽仲間たちの力も得て、おもちゃ箱に入っている個性的なおもちゃたちの様にそれぞれ違った輝きを放ち、歩きだしました。

またデビュー・アルバムのようなフレッシュな気持ちで作り初めた今作。「Your Song」で始まるエルトン・ジョンのデビュー作を思い出させる、壱タカシのピアノの調べとbutajiの歌声から立ち上がるミディアム・バラード「calling」から物語は始まります。tofubeatsによるリアレンジでフロア仕様のポップ・チューンとなった「free me」。「Presence」でもタッグを組んだSTUTSも参加し、2人のマジカルなコンビネーションは続いていきます。折坂悠太との共作曲「トーチ」も石橋英子による彩り豊かなバンド・サウンドに。
そんな多様なサウンドの中心は、心の奥底に届く彼が持つ天性の歌声です。一人の歌い手としての魅力も存分に味わえる作品となりました。

”出会った人のお守りになるようなもの”。

生活から自然発生する”違和感”、そして喜怒哀楽だけで表現できないひだをすくい上げるのがポップスなのであれば、
これが今、求められるべきポップ・ソングであると断言できます。

 
butaji

東京に住むシンガーソングライター。幼少期からクラシック音楽に影響を受けて作曲を始める。コンセプト立てた楽曲制作が特徴で、生音を使ったフォーキーなものから、ソフトシンセによるエレクトロなトラックまで幅広い楽曲制作を得意とする。2013年に自主制作したep「四季」が話題を呼び、1stアルバム「アウトサイド」、2ndアルバム「告白」を発売。ライブでは弾き語りを始めバンド、デュオなどさまざまな形態で活動中。