2021-07-09 21:00 Fuhito Kitahara

AMART、新作コンピ『education.1』リリース。ルドンの「花達の構成」をモチーフに9組のアーティストが楽曲を制作

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総合的表現集団:AMARTが、コンピレーションアルバム『education.1』をリリースした。

 
AMARTは横浜の片隅でひっそりと始められた総合的な表現集団。

 
今作は、AMART主催のQuadrupole Quartetが絵を選び、タイトルを変えコンセプトを付け、各アーティストにジャケットとアルバムタイトルから想起した楽曲とそれにまつわる文章を提供してもらうシリーズの新作。

 
今回は9名のアーティストが、フランス人画家:オディロン・ルドンの「花達の構成」をモチーフに楽曲を制作した。

 
トレイラーも公開されたのでチェックしよう。

 
 


education.1 Album Trailer

 
 

 
V.A.『education.1』

発売:2021年6月27日
価格:投げ銭方式(自由に価格を設定できる)
レーベル:AMART
仕様:デジタル

購入:
bandcamp

アーティスト/収録曲:
1. RYECROFT – Deeper
2. ghark lisyun – ⠓⠊⠙⠑ ⠰⠁⠝⠙ ⠰⠎⠑⠑⠅(hide and seek)
3. Ostiola – Germinate
4. Quadrupole Quartet – corner,counter,corner
5. mitsunobu mizutani – veronica persica & Setaria viridis
6. Tomoo Kosugi – Not
7. 4msec. – isometric
8. noman – 575joyrei369
9. yuriko imaoka – midswallow

 

作品解説

総合的表現集団AMART主催Quadrupole Quartetが絵を選び、タイトルを変えコンセプトを付け、各アーティストにジャケットとアルバムタイトルから想起した楽曲とそれにまつわる文章を提供してもらうシリーズの新作。
ルドンの「花達の構成」という絵を借り、今回のコンセプトは[education]とした。

その語源にはラテン語のeducere(人間の内部に元々備わっている才能を引き出す)とeducare (人間、動物、植物を養い育てる) の二つの説があり、今作はこの『引き出す』と『養い育てる』という似ているようで反対の性質をもつ言葉とルドンの抽象絵画をベースに、頼んだ人達がそれらの解釈から新たな表現を生み出す実験である。

パーソナルかつ題材にしやすいが避けては通れない、全世界共有型疫病蔓延の経験は、様々な形でシンクロニシティを起こしている。
当然それはアートだけには留まらないが、AMARTの活動としての側面を含め、もう一つの役割を担っている。

苦境、悲哀、常に纏わりつく不穏な空気。
変異を続け力を増し、感染経路すらも悪化する脅威的なウイルスに常に晒されている絶望的な状況下において、各々が体感し、それを作品として形にした結果が今作である。
曲にまつわる文章などは野暮だと言う人もいるかもしれない。しかしそのことと音楽に映像を付けることなどは、結局のところアプローチの違いに過ぎない。これもまた一つの表現方法の提示である。
彼らは詩的に、時に構造的に、また私的に言葉を添えてくれた。

ルドンから借りた絵の色味やどことない退廃美も影響しているのだろう。全体的に暗く、しかしそれでも希望や救済が見えるような印象の楽曲も多かった。その音楽は様々な要素が混ざりあった、ただジャンルレスと括るのも何か違うような不思議な集合体になったと感じている。
このアルバムを通して貴方が何を感じ、何を得るかは自由であるが、AMARTの基本理念として、私たちの表現や活動が聴き手の感情との出会いやクリエイティビティの火種になればという思いがある。
educationという題名にも込めたが、能動的に体験し、脳内で何かが起き、そして産まれれば、それはまた小さくともシンクロニシティが生じるであろう。私たちはそれを願う。


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