Yap!!!と『All Is Not Lost』のストーリー

 
Yap!!!は2017年にthe telephonesのフロントマン石毛輝が立ち上げたバンドです。
自由なスタイルと多彩な嗜好・やりたいことをリリースのたび、音楽性を変えながら歩んで来ました。メンバーチェンジも体験しました。

コロナ禍の影響もあって、そしてなによりYap!!!とは何かを追求するために、
昨年は12ヶ月連続でデジタルシングルをリリースするというトライを行いました。
毎月新曲を1曲作ってはリリースする、タイトでスリリングな企画で、Yap!!!という集合体がどういう音楽を奏でていくかを固めて行く機会になりました。
その中で、これから新たなアンセムとなるであろう「Dance Until The Day I Die」、「246」、「Shrine」、「Free」、「Lavender」などを産み出すことができました。

この12ヶ月連続リリースを経たことにより第二期Yap!!!の構想が固まりました。
現在のメンバーは石毛輝(Programming/Synthesizer/Guitar/Vocal) と柿内宏介　(Drums)の2人。

2人の遊び場、フジロックやタイコクラブ、FFKTといったフェスなどで鳴らされる
エレクトロニック/ヒップホップアーティストに代表されるアンビエント、チルウェーブ、ミニマル/メロディック/ディープハウス等の「音に酔いしれる」クラブミュージック。
そこにYap!!!のオリジナリティとして有機的なギターとハードウェアシンセが奏でるエモーションと打ち込みではない生ドラムが生み出す心を震わすビートを加えて「音に酔いしれながらバンドとリスナーが大きく共振すること」をコンセプトにしました。

新譜の『All Is Not Lost』はそこに更に
これまでの石毛のソロ作品に見られる、日本人ならではの哀愁が溢れるエモーショナルなメロディ
と柿内のビートが強化され、アメリカやヨーロッパの影響を受けつつもアジア人しか作れないオリジナリティ溢れる作品が完成しました。
TOKYOでしか生まれ得なかったYap!!!のオリジナリティ溢れる音が詰まっています。

セピア色な幼い頃の記憶を呼び起こすような、身体だけではなく魂を踊らせるエモーショナルな「ベッドルーム・ダンスミュージック」です。

石毛輝によるセルフライナーノーツ

 
01. New Beginnings
第2期Yap!!!を象徴する1曲になると思います。
この曲が最初に出来たので他にたくさん曲を作る事が出来ました。(残ったのは5曲だけでしたが)
石毛が描く儚い心象風景が見えるトラックを柿内のドラムがよりエモーショナルに彩っています。
ラストの壮大さは中々他では味わえないと思います。

 
02. Sunset
前半は静かに始まりますが、中盤の柿内のドラムソロから曲が盛り上がりを見せ切なく締めくくります。
Yap!!!の特徴でもあるボイスサンプルを一切使用していない純粋なインストゥルメンタルミュージックです。
ライブでも映える仕上がりになりました。

 
03. Inori
水が跳ねるような印象的なシーケンスが特徴な曲です。
反復するフレーズの気持ちよさに身を任せていると曲が展開を見せて、目に見えない事象に対して祈りを捧げるようなメロディがリフレインしてドラムがそこに盛り上げを加えます。
不思議な曲です。

 
04. Miss
クラブミュージックマナーのようなものに乗っ取り、この曲を作り始めました。
生ドラムを加えた瞬間に曲の世界観が一新されて興奮を覚えました。
中盤、ゆっくり展開していきますがその後のブレイクで一気にピークに達します。
深夜にプレイしたい曲です。

 
05. Lost In Tokyo
タイトルは後から付けました。
コロナ禍で失われたものがたくさんあります。
首都である東京でもライブハウスやクラブの閉店が相次いでいます。
そういう状況と曲のメロディが生み出す風景が僕の中で一致したため元タイトルを変更しました。
オリエンタルな旋律は我々アジア人の琴線に響いて、ポジティブな力をくれます。
流れ行く電車の景色とかと合わせて聴いて欲しいです。

 
Yap!!!

石毛輝　Programming/Synthesizer/Guitar/Vocal
柿内宏介　Drums
 
2017年8月「Yap!!!(読み：ヤップ)」を始動。
Yap!!!始動に合わせて、石毛輝がプロデュースする新レーベル「Romantic 1984」を設立。
 
8月15日ミニアルバムの中から『Dancing in Midnight / Street』の2曲を先行配信。
10月25日ファーストミニアルバム『I Wanna Be Your Hero』をリリース
 
2018年9月5日、石毛が敬愛する音楽仲間と作り上げたコラボレーションep『Bichrome』と、Yap!!!のメンバーによる飽くなきダンスミュージックを追求したオリジナルミニアルバム『Monochrome』対になる作品として2タイトル同時リリース。
 
2019年8月2日から12ヶ月連続配信シングルリリースという長期に渡るチャレンジを行い、完走！
そのチャレンジにより模索し続けてきたYap!!!の音楽に答えを見つけ、石毛輝と柿内宏介の2人で第二期Yap!!!をスタートさせる。