2018-10-04 12:00 Fuhito Kitahara

俚謡山脈監修<民謡シリーズ>最新作『おしゃらく』発売決定。明治生まれの芸達者による今や聞くことの出来ない名人芸

写真提供:藤本秀康

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俚謡山脈が監修する<民謡シリーズ>最新作『おしゃらく』が11月28日(水)にリリースされることになった。

 
俚謡山脈は、世界各国の音楽がプレイされるDJパーティ「Soi48」内で活動する日本民謡を愛する2人組DJユニット。日本各地の民謡を収集/リサーチし、DJプレイやCDやレコードの再発を手掛けている。

 
今作の収録音源は、現在も「葛西おしゃらく保存会」の会長を務める藤本秀康氏が昭和40~50年代におしゃらくの名人達を対象に録音した膨大な量の所蔵テープから、俚謡山脈が藤本氏と共にセレクトしたもの。演奏は大半が明治生まれの芸達者によるもので、今や聞くことの出来ない名人芸が揃ってここに初公開となる。

 
11月28日(水)のCD版リリースに先がけ、10月26日(金)にデジタル版が先行発売。12月下旬予定でLPもリリースされる。

 

おしゃらくとは?

おしゃらくは念仏講で歌い踊られていた念仏踊りを起源とし、そこに民謡、遊芸人の唄、江戸のはやり唄などを取り込んで高度に発展した「民謡と民俗芸能のハイブリッド」とでも言うべきもの。単一の音楽ジャンルではなく、神楽、獅子舞、人形芝居といった日本の芸能の「筋」「形態」のひとつである。この芸能は関東一帯で盛んで、地方によっては万作踊りや小念仏の名でも呼ばれるが、その中でおしゃらくは最も複雑かつ洗練されたものだ。おしゃらくは地元の農民漁民によって自らの楽しみのために演じられてきたものだが、その芸のレベルは尋常でなく、本作に登場するのは「芸達者中の芸達者」の集団である。

 
 

 
葛西おしゃらく保存会他『おしゃらく』

発売:デジタル版 10月26日(先行販売) / CD版 11月28日 / LP版2019年2月15日予定
価格:CD 2,916円 / LP 3,132円
品番:EM1181DCD/LP
制作発売元:エム・レコード (EM Records)
仕様:CD2枚組/LP/Digital

監修・解説:俚謡山脈
装丁:高木紳介(Soi48)
+ 解説/歌詞/貴重写真掲載
+ 日本語・英語表記

CD版:デュオケース / 38 頁ブックレット封入予定
LP版:8P 中綴じライナー封入予定

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収録曲:
CDディスク1:『おしゃらく』
1. 高砂(そうだい節) – 唄:吉野政五郎
2. 木更津(そうだい節) – 唄:高橋八五郎
3. 白枡粉屋 – 唄:長谷川米吉
4. 新川地曳 – 唄:長谷川米吉
5. 細田の川 – 唄:岩田栄吉
6. 髭題目 – 唄:鈴木きん
7. 日蓮記 – 唄:峰崎佐吉
8. 宮台坂 – 唄:御前正雄
9. 世直し – 唄:小川金蔵
10. 鉄火節 – 唄:藤代伝八
11. ねんねん子守 – 唄:小川金蔵
12. よかよか飴屋 (鈴木主水) – 唄:高橋八五郎

CDディスク2:『葛西・浦安の民謡』
唄と演奏:葛西・浦安地元有志
1. 念仏~新川地曳
2. 坊さま
3. つけた
4. どんどん
5. 盆はうれしい
6. 源法寺
7. これさま
8. 田植え唄
9. 地形唄
10. 木下
11. 当代島の船唄
12. 朝の出がけ
13. 二上り甚句
14. 相馬中村
15. ちょいな節
16. いっちゃさ節

 
もう言わずにいられない「ジジイババアの芸は最高だな!」
俚謡山脈監修シリーズ第四弾は、東京の芸能「おしゃらく」伝説の録音の初蔵出し。明治生まれの芸達者達による最強のパス・ザ・マイク・セッションまでも収録した全28曲。良い声、良い唄の大洪水!

東京にも民謡ってあるの?と問われたら答えたい「東京こそ唄の宝庫だ!」と。東京オリンピックによって急速に失われた「古き良き東京」をはっぴいえんど(松本隆)は「風街」という架空の街に見立てたが、「風街」とは別の東京、農民漁民や船頭が生きていた東京がつい数十年前まで存在していたことを、一体どれほどの人が現実に知っているだろうか?毎月念仏講(※1)が催され、農作業や土木作業で唄う作業唄があり、晴れの場では祝い唄を全員で唄い、夏が来れば盆踊りで死者の霊を慰めた。

今回我々が紹介するのは、東京の江戸川区および隣接する千葉の浦安に残されていた「おしゃらく」という芸能だ。おしゃらくは念仏講で歌い踊られていた念仏踊りを起源とし、そこに遊芸人である瞽女や飴屋の唄、江戸のはやり唄などを取り込みつつ高度に発展を遂げた「民謡と民俗芸能のハイブリッド」とでも言うべきものだ。この芸能は茨城から千葉、埼玉、神奈川まで分布しており、「万作踊り」「小念仏」の名称でも知られているが、おしゃらくはその中で最も複雑かつ洗練された芸能と言える。達者な三味線、モーラム(※2)にも引けを取らない節回しを聴かせる唄、踊り手を鼓舞するように快調なビートを刻む鉦と太鼓。民謡には「素人の良さ」があるのは確かだが、ここに登場する人々は「芸達者中の芸達者」だ。CD版のディスク2には、そのおしゃらくオールスターズが唄う葛西と浦安の民謡を収録しており、これがまた凄い内容。作業唄から盆踊り唄まで一流の芸達者たちによる土着民謡大会!ファンキーとかドープとかいう言葉ではとても表しきれない、目くるめく「良い声」「良い唄」の大洪水に酔いしれて欲しい。

本作収録音源は、現在も葛西おしゃらく保存会の会長を務める藤本秀康氏が昭和40~50年代に自ら録音した膨大な量の所蔵テープから、俚謡山脈が藤本氏と共にセレクトした。アレマイユ・エシェテ(※)のような歌手が日本にもいたらな~と夢想したことがある人に教えたい。小川金蔵、長谷川米吉、高橋八五郎、藤代伝八、等々、全員素人だがプロ以上の声を持った達人たちが東京と千葉にいたのです!と。

 
※1:念仏講
主に浄土宗系の信者が、集まって念仏を唱える儀式のこと。同時にその集団自体を指す。念仏が済むと、持ち寄った食事を食べたり、唄や踊りで楽しんだ。宗教儀式というよりは、今で言うところの老人クラブに近い。

※2:モーラム
ラーオ系の芸能でラオスやタイ東北地方イサーンが本場。モーは達人、ラムは声調に抑揚をつけながら語る芸能。つまり“語りの達人” で、その歌手と芸能の両方をさす。モーラムは“歌” ではない。

※3:アレマイユ・エシェテ (Alemayehu Eshete)
エチオピアのジャズ/歌謡歌手。1941年生まれ。エチオピア独自のフィーリングを色濃く残したその節回しでジャズやロックを堂々と乗りこなし、エチオピアのエルヴィスという異名を取った。

 



 
俚謡山脈(Riyo Mountains)[ムード山+TAKUMI SAITO]

世界各国の音楽がプレイされるDJパーティ「Soi48」内で活動する日本民謡を愛する2人組DJユニット。日本各地の民謡を収集/リサーチし、DJプレイやCDやレコードの再発を手掛けている。主なリリースにMIXシリーズ「俚謡山脈 MIX VOL.1」~「VOL.4」、「田中重雄宮司/弓神楽」(監修/エム・レコード)、「境石投げ踊り」(監修/エム・レコード)「木崎音頭」(監修/エム・レコード)など。ロンドンのインターネットラジオNTS LIVEに日本民謡だけで構成されたMIXを提供。農民ダイナマイト(山梨県)、大和町八幡神社大盆踊り会(東京)など各地のパーティーにDJで参加。


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