2016-08-06 12:00

Three Primary Colors山城徹 × カルメラ宮本敦によるギタリストコンポーザー対談

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今年6月に2ndアルバム『Rainbow Tree』をリリースしたThree Primary Colors。同じく今年4月に7thアルバム『REAL KICKS』をリリースしたカルメラ。日本のJAZZ界を牽引している両バンドから、ギタリストの山城徹さんと宮本敦さんをお招きしての対談が実現しました。

ギターの話に留まらない、コンポーザー同士のディープな対談になっていますよ。

 

art work by Mayu Murota
photo & text by Shiho Aketagawa
interview & edit by Fuhito Kitahara

 
 
 

| 自分の主張よりもコンポーザー的な視点で見ている

 

   まずは自己紹介からお願いします。

 

山城徹(以下、山城) Three Primary Colorsとno entryというバンドでギターを担当している山城徹です。

 

宮本敦(以下、宮本) カルメラという8人組のエンタメジャズバンドのギターをしている宮本敦と申します。

 

   Three Primary Colorsもカルメラも今年ニューアルバムをリリースされましたが、自分のアルバムではなくお互いのアルバムの聴きどころを聞かせてください。

 

山城 カルメラの『REAL KICKS』はキャッチーで、大所帯ならではの派手さとエネルギーが全面に出てる。テーマとなるメロディーと、楽器を演奏する人がニヤッとような各楽器の美味しいフレーズがうまく絡み合っていますね。

それにアルバムを通していろんな楽曲があって、一曲の中でもアレンジが練られていて、それがすごく良い。大勢のお客さんの前で演奏してるイメージが浮かぶ曲も多くて、幅広い層から支持されてるのが納得できる作品ですね。

カルメラの曲には歌はないんだけど、歌の代わりにホーン隊が歌モノみたいに聴ける。どう作っているかわからないんですけど、アレンジの中で各楽器のバランスがすごい取れてるなぁと。

 

宮本 その通り(笑)

 

山城 あと、面白いと思ったのが、敦くんが作曲するならギターっぽい曲を作るのかなと思うとそうじゃなくて、作曲者の担当楽器とその曲の目立つ部分が必ずしも一致しない。書いてくるメンバーが、自分の主張よりもコンポーザー的な視点で見ているのかなと勝手にそう感じました。

 
 

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山城徹(Three Primary Colors)

 
 

   Three Primary Colorsの『Rainbow Tree』はいかがですか?

 

宮本 このCDのジャケットの見た目の通り、カラフルなアルバムだと思います。僕ら8人だから出来ることいっぱいあるけど、3人だと出来ることって限られてる中での新しいアイデアだったり、思ってもみないフレーズがあったり、3人の駆け引きがすごく面白い。

それぞれがアイデアを出しあって曲はどんどん展開していくんですけど、それが暑苦しくない。インストって難解な曲もあるんですけど、ゆっくり聴けるポイントもいっぱいあるし、かといってずっとメロウだけでもない、技で魅せていくところは魅せていく。

あと、ジャムとかインストバンドってやっぱり「夜」っていうイメージですけど、このアルバムはそんなことなくて。今朝も聴いてたんですけどすごく爽やか、朝聴けるなって。夜やお酒飲む時に気持ちいいなと思える曲、朝も気持ちいい曲、感服しました。

 
 

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宮本敦(カルメラ)

 
 

   お互いのギターの特徴を語ってください。

 

宮本 ヤマシロール(山城さんのこと)はね、この前ライブでも思ったんだけど暑苦しい(笑)。こういうアシッド、クラブジャズっていう音楽シーンだとギターってクールな印象なんですけど、ワウもガンガン踏むし、ウラウラウラ〜って弾いてくれるから気持ちいい。

 

山城 元々、ロックギター出なんで(笑)。1枚目のアルバムの方がクールに弾こうって意識してて。良くも悪くも背伸びしちゃった。フレーズもちょっと小洒落てて、あんまり弾きすぎない美学みたいな。音も歪ませるっていうより、JAZZだとクリーンで温かく生に近い音、それを1枚目はなるべく使おうって意識してたんですけど。今作を作る時に開き直って、僕のアイデンティティーってそこじゃないのかもなぁって。基本的に自分でディレクションしてるし、誰かに弾かされてるわけでもないんですけど、今回の方が自由に弾けてますね。

ジャズギタリストがロックなアプローチをしましたっていうよりかは、ロックギタリストがジャズ的なアプローチをしたみたいな。十代にやっていたことはね、なかなか変えられないなぁって気づいた。

 

宮本 そうだよそうだよ。変えられない。土台が違うから。

 

山城 あっちゃん(宮本さんのこと)もそうだよね。

 

宮本 俺も全然ロックだよ。なんだったら未だにJAZZ、全然わからない。僕も昔はクールにやろうと思ってたんだけど、最近は、チョーキング一発でいこうとか(笑)。ジャズっぽい曲は、サックスの方が全然向いてるなぁって。音色だけでJAZZYに聴こえる。ギターはチョーキングしかない。ギュイーンって。

 

山城 アルバムの1曲目のソロ、すごい好きだよ。

 

宮本 1曲目はハーフな感じ。JAZZYな感じでいきつつ、一番最後にチョーキングしたかな。

 

山城 チェロキーっぽいよね。

 

宮本 そう。まさに!

 

   チェロキーっていうのは?

 

宮本 チェロキーはジャズのスタンダードで、結構速めの曲です。アメリカのチェロキー族の音楽を元にレイノーブルが作曲した曲で、クリフォード・ブラウンやジャズの巨匠がビーバップとかにして名演を残してて。

よく演奏される「枯葉」はシャンソンの曲で。今で言ったら、サザンとかミスチルのサビだけ回して、みんなでセッションしようよっていうのがJAZZ。チェロキーは大きいメロディに対して、細かいリズムがあるんですよ。二重のミルフィーユみたいな。

 

山城 それが、わかる人にはわかる…ニヤッとする。

 

宮本 こういうのってあんまり言ってないんですよ。言わない方が面白いかなって。プレイヤー同士で「チェロキーに似てるよね」とか言ってくれたら、ニヤっとする。

 
 

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