2016-08-16 20:00

7月6日に1stアルバム『TRUE ROMANCE』をリリースした大比良瑞希とプロデューサーの伊藤修平氏にインタビュー

大比良瑞希&伊藤修平インタビュー01


2016年7月6日に1stアルバム『TRUE ROMANCE』をリリースしたシンガーソングライターの大比良瑞希。今回はプロデューサーの伊藤修平さんにも参加してもらい、共同制作をするようになったキッカケ、前作『LIP NOISE』発売後の状況の変化、そしてニューアルバム、さらには次回作の話までたっぷり伺うことができました。

 

art work by Mayu Murota
photo & text by Shiho Aketagawa
interview & edit by Fuhito Kitahara

 
 
 

| 1曲で変わるんだなと実感できた1年でした

 

   本日はよろしくお願いします。まずは自己紹介からお願いします。

 

大比良瑞希(以下、大比良) 大比良瑞希です。シンガーソングライターをしています。作詞作曲と、ビートプログラミングやアレンジも自分でしています。

 

伊藤修平(以下、伊藤) 伊藤修平です。前作『LIP NOISE』に引き続き、今回もプロデュース、共同制作をやらせていただきました。

 

   共同制作をされているとのことですが、どのようなキッカケで?

 

伊藤 僕は元々チェロを弾いているんですけど、彼女がヘウレーカというバンドをやっていた頃に知人の紹介でライブを見に行ったことがあって、一緒にライブやったら面白いんじゃないかと思って。

 

大比良 バンドが解散して、昨年3月に「大比良瑞希」名義でソロミニアルバム『LIP NOISE』を出したんですけど、このミニアルバムから伊藤さんと一緒に活動しています。

 

   『LIP NOISE』を出してからの変化はありましたか?

 

大比良 環境は急に変わった気がしています。今までもバンド活動で同じような活動はしてきていたんですが、特に「Sunday Monday」のPVが新しい人との出会いを繋げてくれて、周りの環境は1年で結構変化しましたね。まず、tofubeatsさんにも出会うことができて、作品にコーラスで参加させて頂いたり、海外アーティストのライブO.A.を一緒にやらせて頂いたり。あとはLUCKY TAPESの高橋海さんが見つけてくれて、ラジオや雑誌に紹介してくれたのが縁で彼らのライブのコーラスをやるようになりました。私のアルバムのリリースと同日の7月6日に出たLUCKY TAPESのセカンドアルバム『Cigarette&Alcohl』では全曲私もコーラスで参加してるので、こちらもチェックしてみてくださいね〜。今旬な方々と一緒にいると、音楽も精神みたいなものも、すごく刺激もらいます。

 


Sunday Monday / 大比良瑞希

 

伊藤 「Sunday Monday」のPVへの反応は、「シティポップの女流が出てきたぞ」っていうものだったと思います。あと、去年一番大きかったのは、フジロックに出られたことですね。歌とチェロとの組み合わせが面白いってことで、アヴァロンステージに出してもらえました。

 

フジロック出演のレポートはこちら
http://fujirockexpress.net/15/p_5840

 
 

| 新しい「歌謡曲」を作りたかった

 

   1stアルバム『TRUE ROMANCE』が7月6日に発売されましたが、この作品はどのようにして作られたのかお聞かせください。

 

大比良 私がDTMも使ってある程度まで曲を形にしてから、最初に伊藤さんに聞いてもらってます。そこから一緒に曲の土台を見直したり、歌詞を直したりして、アレンジを詰めていく感じですね。私はギターを弾いて、ピアノも一部弾くんですけど、ベーシストでもドラマーでもないから、良い意味でも悪い意味でもバンドとは違う味が出てくる部分もあるかも。ストリングスは伊藤さんがカルテットの皆様を連れてきてくださったので生で録ることができて感動しました。打ち込みと生オーケストラのアンバランスさも面白いんじゃないかなと思ったり。

 

伊藤 アルバムを作る上で、まず『TRUE ROMANCE』というタイトルを最初に決めたんです。その言葉に沿って何かやってみたいなってところから発想が始まってて。ダンスミュージックでもないし、ロックでもない、新しい「歌謡曲」を作りたかった。

 

   歌謡曲というと?

 

伊藤 サウンドに凝る事に終始しすぎないように、 大比良瑞希の歌を聴かせられる、 そしてそれを聴いてくれた人たちが口ずさめるような そんなポップス集を作りたかったんです。

 

大比良 自分ではJ-POPというジャンルにとらわれず、いろいろやってみたいと思っていたのですが、最終的に帰るところ、軸にあるのは「歌謡曲」なのかな。新しい歌謡曲を作りたかったっていうのは本当にそうだったと思うし。

 
 

大比良瑞希&伊藤修平インタビュー02
左:大比良瑞希さん / 右:伊藤修平さん

 
 

   3曲目の「微熱」に新しい歌謡曲さをすごく感じました。

 

伊藤 この曲を書いてきた時に天才だと思った。

 

大比良 またまた…(笑)。この曲に関しては、簡単なデモが結構前からできてて、放置気味だったんです。で、たまに放置気味のデモたちを聞き返すことがあって、その時にこの曲ちゃんと形にしたいなと思って。そのデモはデタラメ英語で仮歌が入っていたから、まずこの曲に合う歌詞を電車に乗りながら考えてて、この曲に関してはサビの歌詞を思いついた瞬間も鮮明に覚えていますね。日本語の歌詞がはまった瞬間、メロディがくっきりして、この曲に手足が生えて命が宿った感覚が出て、自分でもこれはいいかもしれないって思えました。

あとは、音的にもリフ的にも、他の曲と比べてよりエレクトロニックな感じに寄せられたし、心情の描き方もやりたかったことができたかなと思いますね。

 

伊藤 歌詞には官能的な部分もあるんだけど、でもそれが「いやらしい」んじゃなくてアルバムの中の陰の部分になっていて、パッションも強くて、リズム面でもこれまでの生っぽいグルーヴからハウスとかダンスミュージックへの展望を見せられたのかなと。

 

   歌詞でいうと2曲目「TIME LIMIT」の「東京を見渡せばどこか悪くないロンリー」というフレーズが僕の中ですごく響きました。都会でひとりっていうのは寂しく感じちゃうんですけど、それも悪くないって言ってもらえると救われるというか。

 


TIME LIMIT / 大比良瑞希

 

大比良 人間って孤独になる瞬間が誰だってあるじゃないですか。CD作るのも大勢の人に助けてもらって、家族にもみんなにも感謝ばかりなんですけど、そんな中でもなんとなく孤独になる瞬間があって、言葉にしきれないこととかも音楽があると全部包まれるというか。実は最初、この歌詞は伊藤さんとも話しながら結構悩んだんです。なんか軽いなって思ったりして。だけど、今はそれも含めてバランスも今の時代っぽい気がして、自分でもすごく気に入ってます。音楽で背中押せなきゃ意味ないと思うから、響いていたらすごく嬉しい。

 
 

| このアルバムに今の全部を注いだので、ライブでさらに楽しい時間を一緒に過ごせたらいいですね

 

   今後のご予定を教えてください。

 

大比良 7月の末に、池袋のTOWER RECORDSでインストアライブをやります。9月中旬から全国ツアーをまわりたいなと思っていて、10月に東京でツアーファイナルのワンマンをしようと思っています。

 

伊藤 年末くらいには、このアルバムから英語バージョンのシングルを出したいですね。

 

大比良 日本語の歌詞にこだわりはあるんですけど、歌詞が強すぎて耳に入ってきすぎちゃうのが嫌な時が自分でもあるから、BGMとして心地よいっていう意味で英語で歌ってるものも作りたいなと。もちろんワールドワイドにやっていきたいからというのもありますね。

 

   ツアーに向けての意気込みを聞かせてください。

 

大比良 このアルバムに今の全部を注いだので、アルバムを聞いてもらって、ライブでさらに楽しい時間を一緒に過ごせたらいいですね。秋の東京でのファイナルワンマンは、バンド+ストリングスカルテット+MPC(注:Music Production Center。サンプラーの代名詞)みたいな編成でやれたら一番理想的だなと思っています。flight facilitiesというオーストラリアのプロデューサー/ディスコ・デュオが、そんな編成でライブをしているのを見てすごく良いなと思って。大所帯ライブを毎回やるのは厳しいですが、この『TRUE ROMANCE』の音の再現も含めて、そんな編成でのライブの構想を秋に向けてやりたいです。

それまでのツアーは、伊藤さんチェロとMPC/DJメンバーと、私のエレキ/アコギ弾き語りの3人編成になるかと思いますが、これも私たちのライブでしかきっと見ることができないライブになること間違いないと思うので、徐々にお披露目していくにあたり、準備万端にしていきたいですね!

 

大比良瑞希&伊藤修平インタビュー03

 
 

伊藤 大比良瑞希を知らない人がいっぱいいると思うので、知ってもらうためにこのCDを持っていろんな所に行こうかと思っています。

 

   ちなみに、セカンドアルバムの構想とかってもうあったりしますか?
 
 

大比良 このアルバムで第一にやりたいことは全部出した感があるので、セカンドは単純に楽しくてライブでもっと踊りまくれて、踊りすぎて全部忘れちゃうみたいな音楽を作りたいですね(笑)。

 

伊藤 次はビートに特化しているとか、何かひとつのテーマに沿ったものを作りたいですね。

 

大比良瑞希&伊藤修平インタビュー04

 
 
 

大比良瑞希 ディスコグラフィー

大比良瑞希『TRUE ROMANCE』

 
大比良瑞希『TRUE ROMANCE』

発売:2016年7月6日(水)
価格:2,300円(税込)
レーベル:S-FLAT Records
形式:CD

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収録曲:
01. Romance Intro
02. TIME LIMIT
03. 微熱
04. Everything Gives Me Chance What I Love It
05. 焚き火
06. Good Night
07. 帆掛け舟
08. Sunday Monday
09. aspiration
10. ハッピーバースデー
11. 目覚めのラブソング
12. High-end Veil

 
 

大比良瑞希『LIP NOISE』

 
大比良瑞希『LIP NOISE』

発売:2015年3月1日
価格:1,200円(税込)
形式:CD / ダウンロード

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収録曲:
01. Sunday Monday
02. Love Love Love
03. Back Mirror
04. Love Love Love (Remix by SFLATno.5)
05. Back Mirror (Lost Weekend Ver.)

 

大比良瑞希 ライブスケジュール

 
night after night vol.5
日程:2016年8月21日(日)
会場:下北沢Three
時間:open18:00 / start18:30
料金:前売り2,300円 / 当日2,800円(共に+1ドリンク)
出演:ナツノムジナ / カネコアヤノ / 高橋勇成(paionia) / 大比良瑞希 / poor vacation

 
UNITY
日程:2016年8月22日(月)
会場:下北沢GARDEN
時間:open18:30 / start19:00
料金:前売り2,500円 / 当日3,000円(共に入場時別途ドリンク代¥600)
出演:kukatachii / period. / 大比良瑞希 / UNHappy Birthday(O.A.) and more

 
BDP vol.2
日程:2016年9月1日(木)
会場:Time Out Cafe & Diner[LIQUIDROOM 2F]
時間:open19:00 / close23:00
料金:入場無料(1stドリンクチェージ1,000円)
HOST:向井太一
LIVE:大比良瑞希 and more…!!!
DJ:テンテンコ・Shotaro Miyajima

 
CIRCUS FES 2016
日程:2016年9月19日(月・祝)
会場:下北沢CIRCUS / カトリック世田谷教会
時間:open13:00 / start13:30
料金:一般前売り3,000円 / 一般当日3,500円(共に+1food&1drink¥1,000)
出演:茜空 / UQiYO / Emerald / ermhoi / 大比良瑞希 / dff ft.TKda黒ぶち / She Her Her Hers / showmore / 田中光 + Auto Tent / TAMTAM / Tempalay / Nozomi Nobody / UKO / Ryu Matsuyama

 


大比良瑞希

 
大比良瑞希 | MIZUKI OHIRA

シンガーソングライター、トラックメイカー。2015年 ミニアルバム「LIP NOISE」のリリース直後、FUJI ROCK FESTIVAL‘15の出演決定や、tofubeats「すてきなメゾン feat. 玉城ティナ」へのコーラス参加などでも一躍話題となる。
自ら編曲、ビートプログラミングも手掛ける彼女が生み出す音楽を、作曲家/チェリストの伊藤修平が全曲プロデュース/共同制作する形で、デビューアルバム「TRUE ROMANCE」が2016年7月6日リリース。
収録曲には昨年PV公開後、瞬く間に注目を集めた「Sunday Monday」、BSジャパン「日経モーニングプラス」のエンディングテーマになっている「目覚めのラブソング」など、都会的かつラグジュアリーな珠玉のポップス12曲。
エレキギターの演奏スタイルとその歌声からも、和製FEISTと称されることもしばしば、その一線を画したソングライティングと歌声は、オシャレでポップというだけ収まらない「強さ」があり、その物語は伊藤のサウンドプロデュースにより今作、一層広がりを見せる。

 


伊藤修平

 
伊藤 修平 | SHUHEI ITO

作曲家、チェリスト。

1984年生まれ、東京出身。
ポップス、ダンスミュージックから現代音楽まで幅広いジャンルの作品を手がけ、チェリストとしても演奏活動をしている。

自身のソロ作品以外でも
劇伴制作、楽曲提供、アレンジなど多方面で活躍している。

チェリストとしては松任谷由実のコンサート出演や、仲代達矢、若村麻由美、貫地谷しほり、吉沢悠、陽月華など出演の舞台でも演奏。

特に即興演奏を得意とするセッションチェリストとしての評価も高く、ループやエフェクトを駆使したパフォーマンスでも注目を集めている。

 
2008年 東京音楽大学大学院科目履修卒業。

2002年から2007年までバンドTHE CORONAに参加。

3枚のミニアルバムをリリースし、キューバ国際音楽祭やARABAKI ROCK FESTIVALなど出演する。

松任谷由実 37thAlbum「POP CLASSICO」(2013.11.20発売)に、プロダクションアシスタントとして参加。

大比良瑞希「LIP NOISE」(2015.3.1発売)をプロデュース、ライブサポートメンバーとしても出演。




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