2020-04-18 12:00

カラクリキネマ、初インタビュー | 鈴木デコ・山田ナミが語る「仕事と音楽活動の両立」を果たす音楽観 | 特別寄稿

左が鈴木デコさん、右が山田ナミさん

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2018年ぐらいからやんわりと活動を開始した「カラクリキネマ」。カラクリキネマは、言い出しっぺであり運営を担当する武藤航に振り回される鈴木デコ・山田ナミから構成される3人組ユニットだ。

 
鈴木デコと山田ナミは仕事をしながら音楽活動を併行しており、ライブはたまに行いながらもインターネット内での活動が多いという。しかし、聞けば最近では元たまの石川浩司さんとのコラボレーションもしたらしい・・・。

 
そんな仕事や子育てをしながら音楽活動をしている鈴木デコ・山田ナミは「これからも仕事をしながら音楽活動をしていく」と明言している。仕事をしながら音楽活動も行い、元たまの石川さんとのコラボレーションまでしている・・・。具体的にどのような音楽活動を2人はしているのか気になる・・・。

 
そこで今回は2人にロングインタビューを実施。具体的に「カラクリキネマ」ではどのような音楽活動をしながら仕事と両立しているのか、またこれまでの音楽との関わり合い方などをたっぷり話してくれた。

 

文:庄子 歩
写真:ゆあ
編集:山崎敦也

 
 
 

| 山田ナミ「生まれ育った場所に秘境バスツアーが来た!」鈴木デコ「えー!(笑)」

 
 

   まず始めに、お二人のアーティスト名の由来を教えてください。

 

山田ナミ(以下、山田) 私は本名でやっています。ただ本名は漢字ですが、エヴァンゲリオンが好きで名前だけ「ナミ」とカタカナにしています。エヴァンゲリオンのキャラクターって碇「シンジ」や綾波「レイ」など全部名前がカタカナなんですよね。だから「ナミ」にしています。
 

鈴木デコ(以下、鈴木) 鈴木は本名で「デコ」は大学時代に入っていたよさこいサークルのニックネームから取りました。私が入っていたよさこいサークルは何故か先輩に変なニックネームをつけられる習慣がありました。そして、その時につけられた「デコちゃん」という名前をいまだに呼ばれていて、慣れてもいたのでそのまま使っています。

 

   お2人の出身地はどちらですか?

 

山田 私は青森県北津軽郡です。景色はすごく良いのですが・・・私が住んでいたところは山と海しかありません(笑) 一回驚いたのが、家の前に秘境ツアーをしている観光バスが来たこと。「うちって秘境なんだ!」と複雑な気持ちになりました(笑) あと北津軽郡は吉幾三さんの出身地でもあって、吉幾三リスペクトしています(笑)

 

   津軽弁も話されるんですか?

 

山田 話します!むしろ津軽弁が標準語って感じです(笑)

 

   鈴木さんはどちらのご出身ですか?

 

鈴木 私は広島県広島市の出身です。広島県民は地元愛が強い人も多いと思うですが、私も強いです!広島県民のソウルフード・お好み焼きに欠かせないオタフクソースは常備してありますし、広島の味として有名な「むすびむさし」は帰省時には弁当でよく買います(笑) 地元愛が強いのは広島県民あるあるなのかな。

 

   他に広島県民あるあるはありますか?

 

鈴木 広島県が好きだけど県外に出るのも広島県民あるあるですかね!広島県民はやりたいことをやりたい場所で遠慮せずにやると思います。

 

   鈴木さんも広島県を出て、お仕事や音楽活動をされていますもんね。

 

鈴木 そうですね。大学進学を機に広島を出て、仙台・福島・埼玉・神奈川など様々な場所に行きましたね。音楽は広島で子どもの頃ピアノを習い始めたのがキッカケで、常に私のそばにありました。
 

山田 そういえば、私の地元・北津軽では音楽活動している人全然いなかったなぁ・・・ライブハウスあまりないし・・・。

 

   そうなんですね。音楽活動の話も出てきたので、これからお2人それぞれにこれまでの音楽との関わり方の歴史をお聞きしたいと思います。

 

鈴木 分かりました!
 

山田 よろしくお願いいたします。

 
 

| 久石譲さんのコンサートがターニングポイント

 

 
 

   鈴木さんと音楽との出会いは、近所のピアノ教室が最初なんですね。

 

鈴木 そうですね。音楽を演奏するという意味での出会いは、小学校に入るか入らないかくらいの頃に・・・キッカケは思い出せないのですが、近所のピアノ教室に通い始めたのが始まりです。

 

   鈴木さんは最初ピアノの練習が嫌いだったとお聞きしました。

 

鈴木 はい、練習はあんまり面白くなかったんですよね(笑) どちらかと言うと聞き専でした。小学生の頃はクラシックやジブリ系の音楽などインスト系ばかりを聞いていましたね。J-popはあまり好きではなくて・・・母親が聞いている松任谷由実くらいかな、J-popで聞いていたのは。

 

   練習嫌いを抜け出すキッカケはあったんですか?

 

鈴木 母と2人で久石譲さんのコンサートに行ったことです。ピアノと弦楽四重奏とのコラボレーションがめちゃくちゃかっこよくて、身体に電撃が走り「こんな風に演奏したい!」と思い、練習をするようになりました。

 

   そんなにかっこよかったんですか!

 

鈴木 はい。キッズ・リターンのテーマとかをアレンジしていたんですが、めっちゃかっこよかったです!

 

   久石譲さんのコンサートがその後の鈴木さんの音楽への関わり方に影響を与えたんですね。

 

鈴木 聞き専からプレイヤーとしての意識も芽生えたという意味でも間違いなくターニングポイントの1つですね。

 
 

| 高校時代はほぼ吹奏楽の3年間でした

 

 
 

   ピアノを続けながら、中高校生時代は部活動で吹奏楽をされていたんですよね?

 

鈴木 はい。中高と吹奏楽部でオーボエを吹いていました。吹奏楽はガチンコでやっていて、特に高校時代はほぼ吹奏楽の3年間でした。吹奏楽をやるために家の近所の高校に通っていましたし。

 

   すごい。大学時代は吹奏楽はやらなかったんですか?

 

鈴木 やらなかったです。私がやっていたオーボエはあまり人数もいらないし・・・。一度吹奏楽のサークルを見に行ったんですが、あまりやり込んでいる感じがしなかったんですよね。吹奏楽をやるならもっとガチンコでやりたかったので、入りませんでした。

 

   そうなんですね。何のサークルに入っていたんですか?

 

鈴木 友達に誘われてよさこいのサークルに入っていました!そして、めっちゃハマりました!(笑) 私、運動が得意ではないのですが、踊るのがすごく楽しくて・・・音楽もすごくかっこいい曲もあって、のめり込みましたね。

 

   当時、他のよさこいチームに鈴木さんが音楽を提供していたとお聞きしました。

 

鈴木 そうです!有償で提供していました。商業的に音楽をやり始めたのはこれが最初ですね。

 

   作曲は以前からしていたんですか?

 

鈴木 小学生くらいからなんとなくピアノ弾きながら歌って音楽つくって・・・みたいなのは好きでしたね。本格的に作曲を始めたのは、大学のよさこいでの音楽制作が初めてです。特に誰に師事したとかはないので、作曲は今にいたるまでずっと独学でやっていますね。

 

   大学卒業後はどのような音楽活動をしていますか?

 

鈴木 大学卒業後はカラオケに行ったりとずっと趣味の範囲内で音楽を楽しんでいたんですが、知り合いから「一緒に歌ってみた動画を録音して欲しい!」と依頼を受けたのがキッカケで、「よしやってみるか!」って思って、ソロ名義で活動を始めました。

 
 

| 「自己表現」が人生のテーマです

 

 
 

   ソロとして出産後に音楽活動を始めた、とお聞きしました。

 

鈴木 はい。子どもが1歳くらいの時にソロ名義で音楽活動を始めました。それまでボイトレはしたことがなかったのですが、出産を機に1から喉を作り直そうと、産休・育休中は子どもを背負いながらボイトレをしていました!

 

   ということは、出産前後で歌声は大分違うんですか?

 

鈴木 違いますね!以前は「楽しければいいじゃん!」という感じで細かく考えずに歌っていたのですが、ボイトレをして喉の状態に合わせて自分の声をコントロールできるようになりました。ミックスボイスも裏声もしっかり出せるようになりましたね。

 

   鈴木さんはソロ活動と併行してユニットも組まれていますね。

 

鈴木 はい。現在は主にユニットでの活動をしています。「カラクリキネマ」と「eLEMental CODE(エレメンタルコード)」という2つのユニットをしています。

 

   ノリノリで歌う「カラクリキネマ」の鈴木さんと幻想系をコンセプトにした「eLEMental CODE(エレメンタルコード)」の鈴木さんは全然違う人にように見えます。

 

鈴木 同じ人じゃないみたいな感じですよね(笑) 私の人生のテーマが「自己表現」なんですね。コンセプトも歌い方も異なる2つのユニットで活動することで私の中の2面性をすごく表現できていると感じています。

 

   「自己表現」が人生のテーマなんですね。

 

鈴木 はい。音楽活動に限らず、CDやロゴのデザインや動画制作など、様々な創作活動を通して自己表現をしています。自分の中の感情を素直に表に出すことで、自分という人間を垣間見ています。

 

   自己表現を通して、自分を見つめているということですね!

鈴木 はい。ただ自己分析が苦手なので、自己表現をした結果を他者に分析してもらおうという魂胆も・・・(笑) 引き続き、自己表現は続けていきたいと思います。

 
 

| ミュージックスクールで音楽の土台をつくった

 

 
 

   山田さんの音楽との出会いはいつですか?

 

山田 中学生の頃、19(ジューク)という音楽グループがすごく好きで、「19の歌を弾けるようになりたい!」と思ってギターを買ったのが始まりでした!でもその時は「将来シンガーソングライターになりたい!」とは思っていなくて、単純にギター弾けて楽しい!くらいの感じで弾いていました。

 

   ギターを楽しんでいたんですね!20代後半にはミュージックスクールへ通っていたんですよね。

 

山田 そうなんです。ミュージックスクールに通って音楽を習えたことは私の中ですごく大きくて・・・ミュージックスクールに通っていなければ、今の私はないと思っています。

 

   そんなに大きな影響を受けたんですね!

 

山田 はい。ギターの押さえ方や作詞の仕方、ステージで歌うことについてなど、ミュージックスクールで学んだことは私の音楽の土台になっています。ミュージックスクールの先生に勧められたのがキッカケで初めて弾き語りを始め、人前で歌うようにもなりましたし!

 

   人前で歌うのはとても勇気がいる一歩だったんじゃないですか?

 

山田 そうですね。ただ以前からステージに立ちたいとは思っていましたし、「とりあえずやってみよう精神」でチャレンジしました。20代のうちはとりあえず悔いのないように、失敗してもいいから何でもやってみようと思っていました。

 
 

| テニスの王子様が好きでテニス部に入りたかったけど、テニス部がなかった

 

 
 

   中高時代は何の部活動に入っていましたか?

 

山田 中学時代は卓球部に、高校時代は弓道部に入っていました。卓球部は小学生の頃に卓球をちょくちょくやっていたので、その流れで入りました。弓道部は・・・本当はテニスの王子様がすごく好きでテニス部に入りたかったんですが、なくて弓道部に入りました(笑)

 

   テニスの王子様が好きでテニス部に入りたい人、当時多かったですよね!

 

山田 そうだと思います!私はキャラクターでは不二周助が好きで・・・。不二周助の声がキッカケで声優にも興味を持ちました。その後声優がすごく好きになって、ミュージックスクールに通う前は声優養成所にも通っていました!

 

   確かに不二周助の声はかっこいいです。

 

山田 そうなんですよね!私、あまり自分の声が好きじゃなくて・・・。でも不二周助の声優さんの声がすごくかっこよくて・・・「女性の低い声でも声優になれるんだ!」と思って勇気が出ました!

 

   声優になりたくて声優養成所にも通っていたんですね!

 

山田 はい。レッスン受けたい欲もあって通っていました。3ヶ月で辞めましたが、発声方法などを学べてよかったです。

 

   3ヶ月で辞められた理由は何ですか?

 

山田 当時、水樹奈々さんなど声優とアーティストを両立させている人が多く、私も声優と音楽の両方のレッスンを受けたいと思って声優養成所に入ったのですが・・・入所後、歌のレッスンがないことが判明し・・・(笑)。やっぱり歌をうまくなりたいなぁと思って、辞めてミュージックスクールに入りました。

 

   歌がお好きなんですね。

 

山田 はい!

 
 

| 鼻歌を駆使して作曲しました

 

 
 

   山田さんの音楽活動の土台になっているミュージックスクールに関わる質問です。ミュージックスクールの先生に勧められ始めた弾き語りですが、やっぱり最初は緊張しましたか?

 

山田 緊張して、お客様の顔を絶対見ないように譜面で顔を隠していました!(笑) 今もまだ緊張しちゃいますけど(笑)

 

   緊張しいなんですね!

 

山田 そうなんです。しかも、なんと弾き語りデビューをした会場でたまたまフリーライブを企画する方に声を掛けられ、続けざまにフリーライブをすることになりました(笑)

 

   すごい偶然!

 

山田 そうですよね(笑) ミュージックスクールの先生にそのフリーライブのためにレッスンをつけてもらって、PUFFYの「MOTHER」を歌いました。その後も声を掛けられたり、共演者にライブができそうな場所を聞いたりして、徐々にライブ活動の幅を広げていきました。

 

   作曲もされていたんですよね。

 

山田 はい。作曲もミュージックスクールの先生に「オリジナル曲作ってみない?」と言われ、鼻歌を駆使して作曲しました。作詞もしたんですが、先生が詞に厳しい人でたくさん訂正を入れられながら鍛えられました(笑)

 

   本当にミュージックスクールに通って先生に習ったことが山田さんの音楽活動の土台であり、分岐点だと感じます。

 

山田 そうですね。今まで先生を含め「カラクリキネマ」などいろんな人が新たな活動のキッカケや場をくれて、そこに突き進むような感じで音楽活動の幅を広げてきました。すごいスピード感でたまに「あれ?なんで弾き語りしているんだっけ?」と思います(笑)「カラクリキネマ」でも自分の殻を破りながら、頑張っています。

 
 

| このノリならユニットやっちゃおうって感じで「カラクリキネマ」が誕生しました

 

 
 

   お二人がメンバーとして加入しているユニット「カラクリキネマ」ではそれぞれどんな役割をしていますか?

 

山田 私は作詞・イラスト・ボーカルを担当しています。歌と文字に関わる部分に携わっていますね。あとSNSに楽曲をUPする際につけるイラスト描いたりしています。
 

鈴木 私はコーラスやたまに動画編集をしています。あとはスタジオ予約をしたり、会場の手配をしたりとマネージャー的な役割もする時がありますね。

 

   「カラクリキネマ」はどういう経緯でユニットが組まれたんですか?

 

鈴木 まず私が、知り合いの紹介で現在「カラクリキネマ」の運営をしている武藤さんと2016年9月に会いました。その後、武藤さんがJAM Projectのような男女複数人で歌う楽曲のボーカルを募集していたので、私が手を挙げたのをキッカケに武藤さんとは交流が始まりました。
 

山田 私は私で武藤さんがクラウドソーシングで発注していた作詞の案件に応募し、武藤さんが一本釣りしてくれました(笑) そして、その後3人で会う機会があり、波長も合ったので、このノリならユニットやっちゃおう!って感じで「カラクリキネマ」が誕生しました。

 

   ノリで!「カラクリキネマ」は楽しそうな雰囲気ですよね。

 

鈴木 はい。それにお互いの価値観がすごく似ているな、とも感じています。

 

   価値観ですか?

 

鈴木 はい。皆、それぞれ自分の仕事やプライベートを両立させながら無理せず楽しく音楽と向き合う環境を大事にしているんですね。
 

山田 私も音楽活動をするためにも安定した収入が欲しいから、仕事はしっかりしたいと考えています。でも音楽もやりたい。その点「カラクリキネマ」は仕事をしながらでも無理なく音楽活動ができるように、インターネット内で完結する企画も色々紹介してくれるので助かっていますね。

 
 

| 言い方は悪いかもしれないですけど、すごく楽に楽しく活動ができています。

 

 
 

   鈴木さんは現在、仕事・子育てに奔放しながら音楽活動をされていて、とても多忙に見えます。忙しい日々の中どうやって音楽活動の時間を確保しているんですか?

 

鈴木 平日の通勤時間中に脳内で作業ができる作詞・作曲をしています。帰宅後は家事や子どもの世話をして、その後パソコンを使って編曲や動画編集など、脳内で考えていたことをまとめる作業をしたりと、すごく効率を考えて音楽の時間を確保していますね。

 

   1日をフルで使っていますね。山田さんはいつ音楽活動をしていますか?

 

山田 私も週6日、16時~遅いと0時頃までパチンコ店で接客のアルバイトをしているんですが、夜型なのもあり仕事を終えた夜が多いですかね。夜中の方が集中もできるので。

 

   お2人は仕事をがっつりとされていますね。音楽活動を収入源にしようとは考えていないのですか?

 

山田 考えてないですね~。音楽は趣味です。趣味の音楽活動を続けるためにも仕事で収入を確保したいと思っています。仕事をしながら、今よりもより音楽の時間を増やすために完全週休2日制の仕事に転職をする予定です。
 

鈴木 私も考えていないですね。収入は仕事をしているのでそこで賄っています。私にとって音楽はひたすら自己表現の場なんですね。収入というよりも自分の作りたい音楽をどう実現するか、を重視しています。

 
 

| しりとりで歌詞をつくるのは面白かったね(笑)

 

 
 

   仕事を収入の手段として捉え、音楽活動は自己表現や趣味であると捉えているんですね。

 

鈴木 そうですね。でも仕事が忙しくなったとか・・・あと女性は家庭に入るとか出産とか、大きな節目に音楽活動を諦める人って結構いるんじゃないかな?
 

山田 それと私みたいに「仕事をしながら音楽活動をしたいけど何をすれば良いんだろう?」みたいな人も結構いそう。「人前で歌いたいんだけど・・・」「歌を作りたいけど・・・どうすればいいんだろう?」みたいな人。
 

鈴木 その点、武藤さんは私たちみたいに仕事をしていて、フットワークが専業の人より鈍くてもできる音楽活動をいろいろ発信してくれているので助かっています。

 

   例えば「カラクリキネマ」ではどんな活動をされていましたか?

 

鈴木 プロのバイオリニストである松本一策さんのコンピレーションに参加をして「青春クエスト」という曲を作ったり・・・。
 

山田 松本さんとのコラボレーションは思い出に残っていますね!「青春クエスト」はワクワク冒険しているような気分になれる曲で、PVはドラゴンクエストの戦闘画面のような演出がされていて楽しい!
 

鈴木 PVは2人で踊って楽しかったね~。

 
 


カラクリキネマ「青春クエスト」

 
 

山田 あと、冬休みアレンジ祭り2019って言って、SNS上でお互いの作った曲をアレンジし合う企画を教えてくれて参加したり!その時は、Line上で3人でしりとりをして、それをそのまま歌詞にして曲にしました(笑)
 

鈴木 しりとりで歌詞を作るのは面白かったね(笑)

 
 


カラクリキネマとムラタユスラ「リトリシリト」

 
 

山田 そういった仕事をしながらでもできる、ある程度フットワークの軽い音楽もしていますし、しっかり曲もリリースしています!2019年の話題作「翔んで埼玉」の映画が公開されるとなると、便乗しよう!ということで「さいたまのうた」をリリースしました。
 

鈴木 「さいたまのうた」はYou tubeでもたくさんの人に見てもらえたね。
 

山田 うんうん。
 

鈴木 武藤さんはアンテナを広く張って、そうした仕事をしている私たちでもできるレベルの企画を投げてくれるので、言い方は悪いかもしれないですけど、すごく楽に楽しく活動ができています。

 

   色んな音楽活動のやり方があるんですね。

 

鈴木 そうですね。現在は大手のレーベルを通してメジャーデビューをしなくても、CDは自主制作できるし、SNSやストリーミングで配信とかもできるので、音楽を仕事にするという感覚が昔ほど強くなくても音楽は続けられると思っています。

 

   鈴木さんも自主制作をされていますよね。

 

鈴木 そうです。でもどちらかと言うと私は表現に集中したくて、売り込んだり、プロデュースするのが苦手で・・・・。その点武藤さんは、SNS系やYouTube配信などインターネット上だけで楽しめる音楽活動の仕方や、Spotifyのようなストリーミングで販売するチャネル、自己出版でCDを販売する方法など様々な音楽の露出の仕方などに精通しているので、面白い企画をぽんぽんくれて楽しいです。
 

山田 自分1人では絶対に参加しないような守備範囲外の企画も武藤さん発信で参加するので、常に新しい自分を見ることができますね。

 
 

| 良いのか、こんな人とコラボして!

 

 
 

   2020年1月には「カラクリキネマ」より元たまの石川さんがパーカッションとして参加する「あがってエレベーター」をリリースされましたね。

 

山田 たくさんの方に聞いて貰って嬉しいです。今回、私は「ゆるゆる明るく楽しく元気よく」を意識して歌いました。今まであんまり元気よく!って感じの歌い方は得意じゃないと思っていたんですが、この曲でも自分の殻をぶち破って歌うことができました(笑)
 

鈴木 今回は制作の初期から携わっていたのですが、石川さん含め、安原兵衛さんもゲスト参加して頂き、いろんな人の手が入って作品がどんどん良くなっていく様子が分かってすごく面白かったです。

 
 


「あがってエレベーター(short ver.)」石川浩司とカラクリキネマ

 
 

   石川さんとのコラボレーションはいかがでしたか?

 

山田 「良いのかな、こんな有名な人とコラボして!」という気持ちでした!全然現実味がなかったですね。プレスリリースにも何社か載せてもらったのですが、プレスリリースを見てようやく「これ、現実なんだ」と思いました(笑)
 

鈴木 石川さんのような著名な方とコラボレーションする人生があるとは思っていなかったので、すごく楽しかったですね。誰か引っ張ってくれる人がいるとこういう機会に巡り会えるんだと思いました。

 
 

| 武藤さん、「カラクリ」っていう単語が好きなのかな(笑)

 

 
 

   武藤さんは2020年1月に『アーティストと作品をつなぐ、アーティストと人をつなぐ、アーティストと機会をつなぐ』をコンセプトに新レーベル「カラクリコネクション」を立ち上げましたね。

 

鈴木 武藤さん、「カラクリ」っていう単語が好きなのかな(笑)
 

山田 一度気になって聞いてみたら「カラクリ」にそんなに大きな意味はないみたいですね(笑)
 

鈴木 もっと奥深い理由があるかと思った(笑)まぁちょっと真面目な話をすると・・・武藤さんの価値観が活かされたレーベル運営になりそう。

 

   具体的にはどんなレーベルですか?

 

鈴木 SNS系での活動や、コーラスまたは作詞だけ参加するなど自分の得意分野に絞った活動をしたいと思っている人がいる一方で、ライブ出演したり、CDをリリースしたりとがっつり活動をしたいと思っている人もいると思うのですが・・・そうした個々人の希望に合わせた幅広い音楽の機会をアーティストに提供するレーベルになるんじゃないかな。
 

山田 そうですね!とりあえず武藤さんにやりたい音楽活動を言っておけば、何かしら応えてくれるんじゃないかな(笑)
 

鈴木 簡単に言うと、そうだね(笑)

 

   今後の音楽活動の予定は?

 

鈴木 引き続き仕事は続けながら「カラクリキネマ」や「eLEMental CODE(エレメンタルコード)」の活動を続けていきたいと思っています。今後も音楽活動や他の創作活動を通して、自分が持てる自己表現の領域をいろんな形で余すことなく人生の中で使い切りたいと思っています。
 

山田 「カラクリキネマ」は今まで通りゆるゆるにインターネット内で曲作ったり作詞したりして、たまに会って楽しく活動していきたいです。あとはソロではオリジナル曲を作ったり、お客さん同士で気軽に歌を披露できるオープンマイクに参加して楽しく歌っていきたいと思っています。

 
 
 


 
 

鈴木デコ

広島県広島市出身
「カラクリキネマ」のママ・マネージャー・ボーカル担当。
現在は「カラクリキネマ」や「eLEMental CODE(エレメンタルコード)」の2つのユニットを中心に活動中。
通勤時間は片道2時間。仕事と子育てをしながら、音楽活動を含め創作活動をしている。猫派。綾野剛さんの様なウィスパーな声が好き。

https://twitter.com/deco_umam

 

山田ナミ

青森県北津軽郡出身
「カラクリキネマ」の作詞・イラスト・ボーカル担当。
「カラクリキネマ」の他、ソロ名義でも活動中。CD工場→デバッガー→パチンコ店勤務を経て、より音楽の時間を確保するために事務員に転職。「「うたの☆プリンスさまっ♪」が好き。

https://twitter.com/kaki_flying73

 

武藤航

「カラクリキネマ」の言い出しっぺ・運営・プロデューサー・作曲家。新たに立ち上げた自主レーベル「カ ラクリコネクション」では、従来の楽曲制作に加え、ニーズに合わせた様々なサポート提供を目指す。 ご当地ヒーロー・舞台音楽・ゲームのBGM等、サブカル色の強い楽曲を得意としている。

https://twitter.com/watazo1229

 

文・編集:庄子 歩

証券会社、求人広告会社を経て2019年11月ライターとして独立。前職の経験から投資(日本株・米株・為替・経済指標・制度全般)にまつわる記事や取材した人のバックホーンを深く掘り下げたインタビュー記事に定評がある。

https://twitter.com/ayu_ayu_ayu0115

 

写真:ゆあ

2018年よりフリーのフォトグラファーとして活動中。 スタジオ勤務の経験を活かし人物を中心にアーティストやファッションなどを撮影。 独自の色彩感覚を武器にファンタジー色の強い写真作品を産み出し続けている。
https://twitter.com/keshigu




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